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すべては繋がっている

藤井風の歌が好きだ。
音やメロディも良いが、やはり歌詞。
「grace」の「助けて。僕の中の神様」にはシビレた。彼の歌詞は宗教的だという人がいるが、まさに宗教的であり、スピリチュアル的なのである。だからこそ心の奥にまで響いてくる。

新曲の「満ちてゆく」は能動的に見えて実は受動的である。真の意味は「満たされる」なのだ。全てを手放して全てを差し出した時、初めて満たされる。聞いていて自然に涙が出てくる。

先日、奈良にある「草々」というお店の「器を愛でる会」というのに参加してきた。草々は陶磁器のお店なのだが、オーナーのきょうこさんがとても魅力的な人で、わたしはnoteできょうこさんの記事を読んでいっぺんでファンになった。

さて「器を愛でる会」とは自分の好きな器をひとつ持ち寄って、その器にまつわる出会いや思い出を語り合いましょう、というもので器の他に好きなオヤツを持ってくることも条件だった。すごく楽しそうですぐに申し込んだ。

たまたま里帰りの時に立ち寄った銀座三越のデパ地下で「トリュフ香る塩せんべい」というのを見つけて食べたことがなかったけどとても美味しそうだったのでそれを買って持って行った。器はかなり前に有田で買った青い長皿にした。

メンバーはきょうこさんを入れて5人だと聞いていたが、全員女性だろうとなんとなく思っていた。そうしたらなんと男性が2人。しかもひとりは20歳だという。初対面はそもそも緊張するものだが、余計に緊張。大丈夫だろうか。話合うだろうか、とちょっぴり不安もあった。

けれど会が始まるときょうこさんの仕切りもあって、割とスムーズに自己紹介。オヤツ紹介、器紹介と進んでいき、特にそれぞれ持ってきた器が現れるたびに「わあ!」という感じで盛り上がった。
どの器も個性的で素敵だった。

おしゃべりの中で心に残ったのは30代の男性のひとこと。

「全てはつながっていると思うんです」

そう!
そうだよ!
と思わず叫びそうになった。
これは理屈じゃない。感覚の世界。それもかなり深いところにある感覚。先日読んだ江國香織の本にもこのことが書いてあった。

本が手元にないので引用ができないのだが、とにかく普段からまわりのことをよく観察した方がいい。全てはつながっているのだから、というようなことが書いてあった。これを読んだ時もハッとさせられた。

器を所有する、というのは一見物質的である。しかし、その器に愛着を持つ時、それは単なるモノではなくなる。きょうこさんは作家さんがテーマを作品に込めているという話をしてくださったが、器を通して作った人の精神、生き方、思いが伝わってくることは確かにあると感じるのだ。それは高価なものかどうかとは関係がない。自分自身の魂が器を通して作者の魂と響き合うのだ。これは絵画や音楽の世界にも通じる感覚だと思う。

すべては繋がっている。

今日も藤井風の曲を聞こう。


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