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ハチミツは咳止めに効果があるのか?

いつき博士です。
アレルギー患者教育向けサイト
アレルギー患者専門オンラインドラッグストア
を運営しております。

最近、風邪が流行っているなかで
咳止めがなくてみんな困っているようです。
喘息持ちは発作が止まらず大変です。

一方で、のど飴売り場でよくハチミツを見かけますが
ハチミツとやらにどんな効果があるのでしょうか。。

今回はハチミツが咳止めに効果があるのでは?
という文献を見つけたのでご紹介します。


1.そもそもハチミツって甘いだけ?

甘味剤として大活躍のハチミツですが
ビタミン、ミネラルなど150種類以上の成分が
バランスよく含まれ
高い殺菌効果があることが
知られています。

では、本当にハチミツに効果があるのか
調査した結果を調べてきました。

2.試験デザイン

本試験は2005年9月-2006年3月の間に
米国の小児科診療所で実施された
前向き盲検化試験です。

対象は2歳から18歳の105人
上気道感染症や夜間症状があり
罹患してから7日以内の人が対象になります。

前向き盲検化デザインであること、
105人が選択された症例数の算出方法から、
統計学の世界において、比較的信頼性が高い
試験方法であると考えられます。

105人に就寝前30分前に
ハチミツを投与した群と
咳止め(デキストロメトルファン)を投与した群と
何もしない群の3群で比較しています。

咳の頻度、重症度や
子どもと親の睡眠の質を測定しています。
※7リッカート尺度で評価しているようです。

<スコア表>

3.試験結果

3-1.有効性

症状のスコアは
治療前治療後の夜で
比較されました。

全ての群で改善していますが、
中でもハチミツ群で一番の改善を
もたらしたようです。
※DM=デキストロメトルファン(咳止め)
 Honey=ハチミツ


3-2.安全性

有害事象の報告は
ほとんどありませんでした。

●多動、神経過敏、不眠症などの軽度の反応の組み合わせ
 ハチミツ群(5名)
 咳止め群(2名)
 No群(0名)
*その他ハチミツ群での報告例
 1 人の患者の親→眠気
 2 人の患者の親→腹痛、吐き気、嘔吐を報告

4.まとめと考察

本試験では
ハチミツが咳止めと同等以上の
効果があるのではないか?という研究報告でした。

ハチミツは
有効性もあり、安全性も高いので
比較的安心して使用できますね。

今回の結果を見る限り、
1回あたりの用量は、以下で比較されています。
・2-5歳→ 8.5mg(1/2ティースプーン)
・6-11歳→ 17mg(1ティースプーン)
・12-18歳→ 34mg(2ティースプーン)
咳に困った時には、
スプーン1杯程度のハチミツ!という気持ちで
家庭に1つハチミツを常備しておくことは
安心材料の1つになるかもしれませんね。

ただし、、
1歳未満には使えません!
なぜならば、小さい子は免疫力が弱いため、
ボツリヌス菌毒素症のリスクが高まり
神経や筋の麻痺がおこってしまうからです。

また、咳の原因が喘息であれば、
医療機関での対応が必要です。

何かわからないことがあれば
Instgramも参考まで!

<ぜんそくの辛い症状どうしたらいい?>

《参考文献》
Effect of Honey, Dextromethorphan, and
No Treatment on Nocturnal Cough and Sleep Quality
for Coughing Children and Their Parents
Ian M. Paul, MD, MSc; Jessica Beiler, MPH; Amyee McMonagle, RN;
Michele L. Shaffer, PhD; Laura Duda, MD; Cheston M. Berlin Jr, MD