記事一覧
「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その8(最終回) 「天使たちのシーン」/「奇跡」
京都外国語大学のグローバル観光学科の学生と一緒に運営しているメディアALKOTTOのnoteにおいて、編集長として関わっているコピーライターでENJOY KYOTOの編集長でもあるこのぼく松島直哉が書き連ねてきた、日本史と自分史を重ねてたどるお散歩エッセイ「宇治陵巡り」。いよいよ今回が最終回である。やまない雨はなく、明けない夜がないように、どんな出会いにもやがて別れがあるように、長い長い旅にも当然
もっとみる「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その7 「New World Coming」
どうも、編集長の松島直哉です。日本史を自分史と重ねてたどる連載お散歩エッセイ「宇治陵巡礼」もいよいよフィナーレ目前、残すところあと2回となった。塔、光、坂、神、死ときて、今回は「新」をテーマにしてみようと思う。前回、藤原道長の陵墓(とされている…これをいちいち書くのもめんどうになってきたが一応プロのライターなのもあって諸説あるものはそう記載しておかないとどうにも落ち着かない性分なので)を巡った。「
もっとみる「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その6 「君の犬」
さて、この連載もそろそろ終わりが見えてきた。塔、光、坂、神ときて今回は「死」がテーマになる。まあ墓巡りなのだからそもそもこのエッセイというかコラムのすべてが死をテーマにしていることにはなるのだろうけど。
藤原基経の陵墓とされる宇治陵36号がある許波多神社から、いよいよ今回の本命中の本命であり、「光る君へ」の主人公である藤原道長の陵墓とされている宇治陵32号へと向かう。「響け!ユーフォニアム」の聖地
「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その5 「歓喜の歌」
さて、藤原基経の陵墓とされる36号は、ここ許波多神社の境内にある。じつはこの「許波多神社」というのは少し離れた場所にもうひとつある。わりと近くに同じ名前のふたつの神社があるというのは考えてみたらかなり奇妙な状況なのだけど、これも住んでいたころはあたりまえのように思っていたなあ。
いまからもう7年前の2017年にENJOY KYOTOで宇治特集をやったときに、この長年気になっていた謎を解くべく取材し
「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その4 「坂の下に見えたあの街に」
どうも編集長の松島です。日本史と自分史を重ねて歩くお散歩エッセイ「宇治陵巡礼」シリーズのいよいよ中盤。前回は前半のクライマックスであり、宇治陵において南部にあたる黄檗エリア最大のお目当てであった藤原兼家の眠る(とされている)13号の魔力のようなものに冒されたのか、ちょっと語りすぎてしまった。ぼく個人の内面ではなく目にした情景を、それももうすこし淡々と描写していきたいと思う。
さて、13号を後にし
「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その3 「ある光」
「宇治陵15号」はとても大きく、立派な陵墓だったが、埋葬者は不明のようだった。前方後円墳なのでもしかしたら藤原北家のものではなくそれ以前の古墳時代にこの地に形成されていたとされる古墳群のひとつなのかも知れない。ちょうど森の向こうに太陽が昇っていて、後光がさしているようだった。強い光が、強い闇を生み出す。まさに藤原家の歴史のようだとぼくは思った。
それにしても祝日でおまけによく晴れたお出かけ日和で
「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その2 「見張塔からずっと」
京都市内の自宅を出たのが7時前。こんなに早起きをして街を歩くのは久しぶりだった。少し肌寒い初夏の朝。ふと、中学のときの夏休みの登校日のことを思い出す。当時気になっていた女の子がいた。ふだん学校で毎日顔を合わせていたその子が、その夏休みの登校日のときだけ、なぜだかすこし大人びて見え、まるで初めて会った転校生のように感じたことを覚えている。
15分ほど歩き、最寄り駅近くのコメダコーヒーでモーニングを
「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その1 「始まりへと続く道の終わり」
どうも。編集長の松島です。ひさしぶりに自分で書く記事の更新なんだけど、今回は編集長日記ではなく、ちょっとガチめのエッセイ企画をやってみたい。
というのも、NHK大河ドラマ「光る君へ」は、いよいよ道長が政権トップの座に就こうというまさに前半のクライマックスを迎えようとするところ。現在は京都市内だけではなく宇治でも、この「光る君へ」にちなんで源氏物語関連の観光企画が催されている。またそれに加えてこのゴ
「吉靴房」ーきっかけは足元から
<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科2回生
島岡未侑
今回わたしたちが制作した外国人観光客向け英字フリーペーパーENJOY KYOTOでは、「京都を着よう」をテーマにわたしたち自身が京都のファッションブランドの中からいくつかのアイテムをセレクト。「Cool Modern Style」をテーマにしたコーディネートを提案しています。そのなかで吉靴房さんの「寸五五枚丈」
「アトリエシムラ」ーストールから吹きこぼれる命の色。
<編集:記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科2回生
佐武ほのか
今回はわたしたちは紙面の「クール・モダン・スタイル」をテーマにコーディネートに取り入れた「色合わせストール ロスコー真紅と金茶」を制作・販売している。ブランド「アトリエシムラ」さんに取材。嵯峨野・大覚寺近くにあるアトリエシムラの工房を訪れ、代表の志村昌司さんにお話を伺いました。
人間国宝・志村ふくみの色を、
「IANIKA」―無駄のない生地を楽しむ。飽きないメーカーを、京都から。
<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科1回生
吉田 愛
イージーオーダーのアパレルメーカーIANIKA誕生
ファッションデザイナー・園山千恵子さんが手がけるアパレルメーカーIANIKA。通常の小売店とは異なり、お客さんが気に入ったサンプル商品をベースに、そのお客様に合わせて作る「イージーオーダー」のシステムを採用しています。たとえば半年に一回のペースで出店している
「むす美」ー心を「むすぶ」美しさ
<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科3回生
木幡美月
ライフスタイルが急速に変化し、和から洋中心の生活になっていった。そんな時代の流れと共に、何かを包んで持ち運ぶために使っていた「ふろしき」が次第に使われなくなった。しかし「ふろしき」は、ただ「ものを包む布」ではないことをみなさんはご存知だろうか。そこには先人から受け継がれた日本の「美」が詰まっている。
2月中旬
「SOU・SOU」ー和装のカジュアル化を導いたパイオニア
<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科2回生
久保 絢音
SOU・SOUの誕生
今回私がご紹介する「SOU・SOU」は、数字をモチーフにしたテキスタイルデザインで有名な京都のブランドです。日本の四季や風情をポップに表現したテキスタイルデザインを制作し、『新しい日本文化の創造』をコンセプトに、地下足袋や現代のライフスタイルに合うようにアレンジした和装などを生産・販売
「sampai」―西陣織の端切れを若者向けのファッションアイテムに再生。
<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科1回生
木村 まりあ
「産廃を減らす、思いを紡ぐ」をモットーに、京都西陣の伝統産業や手工業の生産過程で出る端切れや廃材などのいわゆる“産廃(産業廃棄物)”を素材にハンドメイドアクセサリーの制作を行うsampai。スペルがsanpaiではなく「ン」の部分にmを用いているのには理由があります。代表の宮武愛海さんは日本とインドネシアに