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他人に小銭をねだるのは恥じゃない?

今ではどうかわからないが、
私がフランスに留学していた頃は、
道を歩いていると、
「たばこ持ってない?」とよく聞かれた。
持ってたら1本ください、というのだ。
なんで自分で買わないの? 
と思ったものだが、わざわざ買いに行くより、
1本くらいその辺の人にもらっちゃおう、
というのがフランス人の考え方らしい。

アメリカに住んでいた頃は、
パーキングメーターの前で、
「25セント持ってたら、もらえませんか?」
と言っている人をよく見かけた。
金欠っぽい若者だけでなく、
上品そうなおばさまも丁寧に言っていた。
言われた方は即座にポケットを探り、
あればあげていたし、なければしょうがない…
といった感じだった。

日本人なら、自動販売機の前で
たとえ10円だけ小銭が足りなくても、
見ず知らずの人に小銭をたかるなんてことは
しないだろう。どこかで崩して…と、
自力でなんとかするはずだ。

日本人は“他人にモノをねだるのは恥”、
という考え方があるからだろう。
でもフランスやアメリカでは、
“持っているなら、
そこにいる他人からいただいちゃう”
のが主流みたい。

アメリカのホームレスなんて、
堂々と「小銭くれ」と紙コップを人の鼻先に
突き出してきていた。
アメリカに行ったばかりの頃は、
こんな態度のデカいホームレスなんて
見たことなかったからビックリしたが、
すぐにそれが普通になってしまった。

日本のホームレスは、
なんて奥ゆかしいのだろう…?
…っていうか、最近はホームレスの方々を
めっきり見なくなった。
東京都では、東京五輪の前にホームレスの方々に
安い家賃で住居を提供したからだと聞いたが…。

ちなみに路上のホームレスにお金をあげる
フランス人やアメリカ人はとても多かった。
日本ではまずホームレスに小銭をあげている人を
見たことがないし、ホームレスの方も
そんなことは期待していないようだ。
キリスト教の助け合いの精神か、
それとも“持っているなら、
そこにいる他人からいただいちゃう”
の逆バージョン、“持っているのだから、
少しくらいあげちゃおう”なのか、
ねだられた方も気前がいい。

国民性の違いっておもしろいね。

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