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【ショートストーリー】男友達、その前

放課後、2階の廊下の窓にもたれて
外を見ていた。
あ、あいつが歩いている。
制服の上着をひるがえして、
早足でどこに行くのだろう…。

ふと見ると、彼女があいつの少し後ろから
ついて行っている。
あいつは時々振り返ったりしているけど
一緒には歩かない。

ふふ、カッコつけちゃって…。
でも、ちょっと、なんか…いいな。

あいつには1つ後輩のかわいい彼女がいる。
部活のマネージャーで、
彼女から好きになったとか。
本当かどうかは知らないけれど。

私たちは、1年生の時は同じクラスで
仲もよかったけれど、
2年生になってからは
時々廊下で会って話したり、
こうして放課後に見かけて目で追ったり、
彼女ができたらしいと人づてに聞いたり…。

でも私がバイトを始めたら店まで見に来たり、
バイト帰りに仲間で店にたむろしたり、
私に、校外に彼氏ができた時は、
ひきつった笑顔でどんな人か聞いてきたりもした。

私は1年生の時、ちょっとあいつのこと、
気になっていた。
でもそんなに本気で考えたりはしなかった。
多分友達の延長で好きだったのだろう。

でもあの頃の私は
あいつが生涯の友達になるなんて、
まったく想像もしなかった。
お互いの伴侶より長いつきあいになるなんてね。

©2023-2024 alice hanasaki

※この作品は創作であり、
私生活とは関係ありません。

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