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【詩】遅咲きの木

自分が何の木かわからないまま
仲間が次々と綺麗な花を咲かせていくのを
横目で見ていた

早咲きの木もあった
花を咲かせることは諦めて
優しい主人に買われていく木も

自分にもいつの日か
大輪の花が咲く日がくるって信じていたけれど
一体自分は何の木で
どんな花が咲くのかもわからない

もしかしたら
自分は花の咲かない木なのかもしれない
そんな不安にも時々襲われる

それでも優しい主人に買われて
平穏に過ごすだけの人生は
自分にとっての幸せではないと思っていた

せめて自分が何の木なのかわかれば
少しは気がラクだった…

一生に一度しか花の咲かない木でも構わない
いつか自分の木の名前がわかり
綺麗な花を咲かせて
人々が笑顔で見に来てくれることを夢見ている

自分の花を自分で咲かせるまで

©2023 alice hanasaki

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