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朝のエンタメは必要か : 日本のメディアについて

約1年間フランスへ留学していたことから、フランスと日本のメディアについて大きな違いがあることを知った。それは、朝の情報番組の内容のことである。

日本のメディア

まずは日本のメディアについてまとめていく。
日本の朝の情報番組は基本的に30minごと、同じニュースやエンタメを放送している。これは、朝の忙しい学生や社会人に向けて、そのような仕組みになっているのだろう。

「朝から明るくいきましょう」
よく耳にするフレーズではないだろうか。
たしかに、朝から暗い雰囲気の話題よりも、明るいほうが好まれる。ooの結婚発表、oo最新作などのエンタメは朝から楽しい、前向きな朝を迎えることができる。一方で不倫報道や離婚報道などの他人ごとについて、日本人は非常に食いついてしまう。残念なことに、人の不幸は蜜の味というのは本当のことなのだ。

朝の情報番組の内訳としては、以下のようになっているだろう。
-最新ニュース(政治、社会問題)
-最新エンタメ
-お天気
-ライフスタイルについて

どのキー局をみても、放送していることはだいたい同じで、ライフスタイルのみが異なる。
視聴者はそのライフスタイルや、キャスターの好みによって、自分のお気に入りの番組を見ているのだろう。

ここまでの話はすべて、テレビを持っている人向けである。

テレビなどの媒体を持っていない人はスマートフォンや各種SNSでニュースをチェックしている。はたまた、していないかもしれない。けれどそのような人たちも、エンタメには興味がある。

本屋さんへ行けば、ファッション雑誌やエンタメコーナーには人だかりが。
評論本や経済コーナーにはぽつぽつと。


とにかく、日本人は日本の経済や国際的な問題にあまり興味がない。

日本の政治に不満があっても、選挙に行かない。

なぜ若者が日本の未来は明るくないと嘆くのか。それは、メディアが国民に訴えかけないからだ。

視聴者に合わせて、いわゆる、忖度をして、番組を作っていいのだろうか。
はたしてそれは、メディアのあるべき姿なのだろうか。

選挙前にだけ、選挙のことに触れ、最近の若者は・・・という。
それを言っているアナウンサーも、テレビ局員も最近の若者だったのではないのか。

”最近の若者” だけのせいにしていいのだろうか。
日本のメディアには、一つの事柄に対して、10分もdiscussionしていない。とくに朝の8:00前の情報番組はそうだ。
その番組を見ているファミリー層に合わせに番組を構成している。
”最近の若者” になる、小学生や中高生に政治というものについて、世界情勢について、大人たちが話し合っている姿を映し出すべきだ。

フランスのメディア

フランスのテレビは100を超えるチャンネルが存在する。
朝、キー局だと思われるところは情報番組を放送している。
ストライキやEUのことについて放送していた。
毎時10minほど天気予報が流れる。
エンタメなど、放送されない。

ストライキが頻繁に起こるフランスだが、ストが起こるたびに、テレビ番組では①なぜそうなったのか、②なにが原因か、③自分の意見をしっかりと言い、④相手の意見も聞いている。
ここで重要視したいのは、アナウンサーもその輪の中に入って、討論しているという点だ。

日本のアナウンサーは、情報を正しく伝えるというのが非常に重要なこととしている。たしかにそれも大事だが、そのニュースについてあなたの意見はないのですかと、問いたくなる。

フランスのみならず、日本を出たら、訪れる国々で自国の政治の話やWWIIの話を振られる。1⃣自分の意見を持ち、2⃣それを言語化できる力があるフランス人は、どんな話題を振っても、たとえば授業の話を聴いてなくても、すぐに自分の意見が言える。どんなことでも自分の意見があり、そしてそれを伝えることができるのは、素晴らしいことだ。

朝の眠たい時間から、ストのことについて真剣に語っている大人たちを観ることを幼少期からしてきているフランス人は、どのような事柄でも自分の意見を主張することができる。

日本の未来

フランスの情報番組を見習って、日本のメディアも、少しは成長してほしい。いくら教育機関が教育方法を見直してみても、家に帰ったら、マスメディアに逃げがちだ。頭を使わないエンタメに、逃げがちだ。しかしそれで日本の未来は明るくなるのだろうか。就活前にニュースを見ただけで、そのニュースについて深く切り込めてないまま大人になったピエロに、若者や日本の未来について語る資格はあるのだろうか。
総じて、朝の情報番組のエンタメは必要なのだろうか。


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