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なぜウシジマくんは居場所、人間関係、仕事を変えないのか?

闇金ウシジマくん絡みの3回目の投稿になります。
全話、読了して感じたのはタイトルのとおり
「なぜウシジマくんは居場所、人間関係、仕事を変えないのか?」
という点です。
彼は基本的に合理的な思考・判断・行動をしていますが、最終的に居場所、人間関係、仕事を変えません。むしろ固執していると言ってもよいぐらいです。
ヤクザとの絡みで、仲間が殺されたり、自分も殺されかけたり、と極限の状況を味わっているにも関わらず、最終的に東京某所に戻り、新たな人間関係を求めず、そのまま闇金の仕事をし続けます。
彼にとって大切なものがそこにあるのでしょうね。

ウシジマくんは闇金という後ろ暗い仕事をしていますが、非常に有能なのは間違いありません。少年院あがりということもあり、なかなか雇ってくれる会社は少ないと思いますが、どの道に行っても、成果を出せるタイプの人間です。実際、少年院を出た後、おじさんの経営する産廃会社に雇われ、成長が見られるシーンも描かれています。
そのままそこで働いていたら真っ当な人生を送れたような気がするのですが、それでは物語が成立しませんね(笑)

またヤクザとの抗争で沖縄に逃げるシーンもあります。東京から離れるという選択肢もあったと思いますが、わざわざ危険な東京に戻り、案の定、また命を狙われます。
生きるには不適な場所だと、私には見えるのですが、それよりも彼の人間関係が土地に根付いているため、居場所を変えられないのではないかと思います。
柄崎をはじめとする中学時代の友人やその家族が東京にいて、そこの関係には絶対の信頼があるように見えます。その関係がウシジマくんが一番大切にしている価値観のようです。しかしながら、その大切な仲間もウシジマくんのせいでひどい目にあっており、彼らが大切ならば、折れるところは折れようよ、という気持ちになってきます。

しかし、人間はそんなに他人が思うように、簡単に変われないものかもしれません。何かしら執着しているものがあるのかもしれません。
闇金の客である人々が、ギャンブルや異性関係、見栄から抜け出せないように、ウシジマくん自身もやめたくてもやめられないのかもしれません。取り立てのやり方は人間の心理を突いた方法を取っていたりしますが、ヤクザとやり合っているときでもよく目立つハマーを乗りまわしたり、非常に非合理的な行動をすることもあります。

自分自身に置き換えた時、何か一貫した哲学や指針に基づいて行動していないことに気が付きます。
ある行動とある行動の整合性が取れていないからといって、それほど困るわけでもありません。整合性が取れていないことが、むしろ自分自身のバランスを取っているような気がします。
会社ではカッチリ、家ではダラダラ。
ウシジマくんも仕事では怖い顔をしていますが、家に帰ってからは買っているウサギと過ごして優しい顔になっています。
ウシジマくんが居場所、人間関係、仕事を変えないのも何かとのバランスをとっている可能性があります。
それが何かの考察までは行きつくことができませんが、またそのあたりはゆるゆると想いを巡らしたいと思います。

闇金ウシジマくんから知らない世界を学びました。


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