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鷺沢萠 週刊文春1989年 原色美女図鑑が見つかった。

原色美女図鑑のVol.18  週刊文春の原色は、何回ぐらい撮ったろうか。実はVol.1も僕が撮っている。うーん、今名前は思い出せない。一番ページ数を使ったのは、ベトナム美女図鑑で、1995年に取材した。ホーチミンン、サイゴンと首都ハノイ。文春のモノクログラビアも含めて25ページぐらい撮影した。鷺沢は原色が始まって半年ぐらいで撮ったのだろうか。
写真をクリックすると、少し拡大するので、何とか文字は読めるだろう。
この時は、南伸望氏が書いている。時代の空気を感じてほしい。
今、鷺沢の本を読み直している。最初のページのテーブルの左端にある赤い表紙が「帰れね人びと」だ。noteに鷺沢の、マガジンページを作った。ちょっとこれから、鷺沢にこだわったものを書いてゆきたいと思っている。

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ファミリーレストランで書いた受賞作
石原慎太郎の「太陽の季節」で始まった文學界新人賞を史上最年の18歳で受賞。若さに似合わぬ筆力で審査員を驚愕させた。「帰れぬ人びと」は芥川賞候補に。期待の本格派女子大生作家である。

南伸坊の美女のつかあわせ
この清楚なお嬢さん、の顔をされている人が小説家であります。
 小説家は、作中、どうも元は玉ノ井のおジョローさんだったらしい、いまはクリスチャンの幼稚園長さんを登場させて牛乳をのませたりする。
 大洋ホエールズ二軍をクビになった青年と、彼の幼馴染である若い板前に会話させて、カワイイ冗談をいわせてみたりする。
 父が取り込み詐欺に遭って倒産し、さらにだまされて人手に渡ってしまった成城の家(建坪100、土地200坪)のインテリアを再現するために、15歳も年の離れた実業家の後妻に入る美貌の姉を登場させる。
 小説家なのだから、そのくらいのことはするのだろうか?その登場人物を眼前にするようだ、と読者である私が、そう思ったところで、驚くにはあたらないことなのかもしれない。
 しかし、この小説家はここにみるように、清楚なお嬢さんの顔をされた女子学生さんなのである。
  第64回文學界新人賞というものを受賞した「川べりの道」は、二人の子供と母を残して、ヨソの女のところに走った「女運の悪い父」のところに、直接、毎月分の生活費を受けとりにいく中学生の少年の話であった。
 私は自分の中学生自分の気分、すっかり大人になったつもりでいたころの気持ちイキイキとと小説を読みながら思い出すけれど、これを書いた作者は、まだ小説家ではなくて、17歳の高校生の夏休みだと知ると、不思議な気分にならざるを得ないのだ。
 小説というものが不思議なのか、小説家というものが不思議なのか、それとも、この清楚なお嬢さんに見える、女子学生の小説家が不思議なのか?不思議である。

ディスコの仲間にはサギと呼ばれている
「ディスコの友達に小説を書いていることがばれて、みんながセンセイ、センセイと呼ぶからやめてくれと言ったらサギって呼ばれるようになった」
高校時代には夜遊びのあと、始発で帰ってそのまま学校へ行くといった離れ業も。今でも週末は実家のある横浜に帰って、なじみのディスコで夜を過ごす。父親が教育関係の出版社を経営していたので、本だけはたくさんあったという家庭に育った彼女、18歳の夏に書いた初めての小説がいきなり文学界新人賞に。鷺沢は、受賞を知る前に急逝した父親のペンネームである。
「何かがおりてきた感じでイッキにかきました。親に見られるのがいや、文房具屋で原稿用紙を買ってファミリーレストランで書き上げたんです。推薦で大学が決まったあとでまとめてみたら、なかなかいいじゃないと思って、本やで文芸雑誌をあさたら、新人賞で一番締め切りが近かかったのが文學界。文藝春秋から電話をもらったときは、応募していた萬流コピー塾のことかと思った。
 ディスコの定員が自分より年下になってきたのがショック、という彼女はまだ21歳。ロシア語の宿題に頭を悩ませる毎日だという。
新しい感性の本格的新人はまだ女子大生。当分目が離せそうにない。
本名松尾めぐみ。昭和43年東京生まれ。上智大学ロシア語か3年在学中。4人姉妹の末っ子。 夢 、早く結婚して楽すること。 著書「帰れぬ人びと」
「少年たちのおわらない夜」


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