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読書メモ: P&Gに見るECR革命―経営改革への決断

主に、読んでいる最中の本について書いています。

ここで取り上げている「ECR」はこんな感じのことを言っています。


メーカー、卸、小売の協業で、流通の全体最適がいかに進むのかを理解できる本です。アメリカでは、1980年代後半から1990年代前半にこの動きが起こりました。日本ではこれからです。

P&Gとウォルマートがグロサリーでの連携で成果を上げたのを始まりとして、グロサリー業界全体で他の企業へも全体最適が進みました。その動きはグロサリー以外の他の業界へと広がります。それが起きた背景や、技術的な取り組みについて書かれています。

というこの本が日本で出版されたのは1998年のことです。この時期に流通業のシステムに関わっていると、ECRやその他の言葉を目にする機会は多いです。しかし、現時点で日本の流通の全体最適が達成されたようには見えません。

これは私見です。日本のECR革命が、グロサリー業界から進むのか生活雑貨など他の業界から進むのかはわかりません。メーカー、卸、小売、どこから進むのかもわかりません。それでも、その流れが起きるのは必然だと思います。

わからないというのは、起きそうにないという意味ではありません。メーカー、卸、小売、それぞれに全体最適化を牽引できそうな優秀な会社が日本にはあります。どこから起きても不思議ではありません。また、変化なしで生き残れないのが日本の流通業の現状です。なおかつ、このような変化に寄与するテクノロジーは1990年代よりさらに進化しています。

という今は2018年。ものすごくロマンがある分野だと思うんですよね。

前置きのつもりが本文っぽくなったので、内容についてはサラッと書いておきます。

自分が理解するための「3つにまとめる」方法で見ると、こんな感じです。1. ECR革命が起きた前提条件。2. ECR革命を実現させた技術。3. 一国の一産業に止まらないECR革命の広がり。

1. ECR革命が起きた前提条件。アメリカのECR革命はグロサリー業界から進んだ。消費者、メーカー、卸、小売のどの立場から見ても無駄なものがある。それを解決するのは必然であり、ある業界で協業できる関係を作ることができる複数の企業があり、双方に能力があって、解決したい危機感があればECR革命が起こせる前提条件になる。

2. ECR革命を実現させた技術。技術とセオリーがある。技術は物流と情報に関係するもの。セオリーとしては、この動きはある業界で2社の間で発生するもの。その後、複数の企業に広がり、やがて業界全体へ広がって均衡状態になる。つまり、始まれば広がる性質を持っている。

3. 一国の一産業に止まらないECR革命の広がり。読み込めていない状態での理解です。ECR革命はグローバルスタンダードになる可能性を持っているということと「頑張れ日本企業」と書かれているのは本当にそう思ってるんだろうなと感じます。

全体の印象としては、理路整然と書かれているので、すでに日本で起こっていることについて書かれているように錯覚します。ドンピシャの業界にいるので、自分でやってみたいと妄想しています。

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