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叶姉妹に学ぶ、自己肯定力感の高め方

番組は毎週このセリフから始まる。

たとえ100万人が楽しそうにしていたとしても、そこに楽しめるものがない。この世にたった一人のあなたは、無理に笑うことはありません

ポッドキャスト番組「叶姉妹のファビュラスワールド」は2021年8月から音声サービス「Spotify」で配信が始まった。毎週火曜日18時ごろに配信されるこの番組の冒頭での自分を大切にすることを示すこの言葉は、もはやファンの間では「格言」の一つとなっている。

自然体でありながら本質を見通す姉の恭子さんと、リスナーに優しく寄り添う妹の美香さん。番組は放送開始から再生回数1位を獲得し、以降は上位の常連番組となった。SNSでの反響は大きく、「思いもよらなかったすてきな人生のヒントが、たくさんちりばめられている」、「心がどんどん自由になる」と、その言葉がリスナーの心を捉えているとのことだ。

美容やファッションなどが何かと話題になる姉妹だが、「声だけ」のラジオ配信だと、少なくともそのゴージャスな外見は伝わらない。番組を聴いてみると、その美貌は姉妹の魅力の一部なのだということが分かる。

「外見の美しさは、自分がこうありたいと願う一部であって、最も大切なことは自分のメンタリティ。つまり、幸せと感じる心がとても大切だということです」と恭子さんは言う。

誰しも幸せになりたい。そう願っても簡単には叶わないから、恭子さんに救いを求め、悩みを打ち明けたくなる気持ち。

「幸せは自分の中にあるものです。自分を慈しみ、自身をもっとよく知ることによって、幸せになる方法がおのずと見えてくるのではないでしょうか」。恭子さんには、一貫してブレない「自分軸」が感じられる。その基本にあるのは「人様は人様」と割り切った考えだ。

昔から隣の芝生は青いと言います。他人様の芝生が青く見えるのは、ご本人の努力や心のあり方によると思います。それより、ご自身の芝生を心を込めて育てられたらいいのではないですか?

自分の気持ちより周囲の空気を読むことを優先したり、SNSで他人と比較したり。自己肯定感が低いと言われる現状に対し、恭子さんは「つらさというのは、ご自身で作り出しているのです」と笑顔で言い切る。

SNSの普及が他人と自分を比較する状況を作り出したことなどから、世界的に自己肯定感が低くなったという研究結果もあるという。さらにこうした生き方への疲れから、「嫌われる勇気」がベストセラーになるなど、自分らしく生きることが注目を集めた。

なかなか自分らしく生きられない中、叶姉妹は人の評価を気にしたり、誰かと比べたりするのではなく、自分が本当にやりたいことを貫いて生きているように見える。多様性を尊重しようという社会の流れはあるものの、人との違いをコンプレックスに感じる人はとても多い。生き方のお手本であり、憧れの存在なのではないだろうか。

これまでも雑誌の連載はやディナーショーなどで人生相談に応じてきた叶姉妹。

「嫌なことを言われたら、今日セミがうるさいわねえと思えばいい」。あるいは「物事は宇宙単位で考えればいいのよ。そうすると、何事もプランクトンのようなわずかなことにも思えるはず」といった発言もあった。

人様は人様。はっきり申し上げると、通りすがりの人なのです

対人関係の悩みに対する答えは至ってシンプルだ。

恭子さんは「幸せな状態が基本」なのだという。「私たちは悩むことはありません。世の中には、生きづらいという言葉がまん延してますが、その意味がピンとこない、という感じです」。

それにしても、なぜ悩まずにいられるのだろう。

私は毎晩、起きた時に地球はないかもしれないと思って眠りにつくのです。明日どうなるかなんて誰にも分からないし、自分で決められることはとても限られてます。自分の選択だけで世の中が回ってるわけではないのですから

達観しているとも言える意見を臆せず語る恭子さんだが、決してそれを押しつけることはない。「あくまでもヒントであって、そうすべきだとは言いません。極論すれば、他人様の人生ですから、最終的にはご本人が選択するのが当然です」。人を否定せず、多様な選択を尊重する姿勢は、今の時代に即している気がしてくる。

恭子さんは著書にもこう書いてある。

あなたが自分を大切にすれば、相手も、そして世の中も、あなたを大切にするでしょう。逆に、あなたが自分をないがしろにすれば、まわりはますますあなたを大切にしなくなるでしょう。

叶姉妹の答えは、まさに自分らしく生きるヒント。承認欲求が高まったら、まず自分をいたわり、認めることから始めてみては。

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