ドラマ日記『アンメット』(第4話)&『燕は戻ってこない』(第2話)
“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公・川内ミヤビ(杉咲花さん)が、変わり者の脳外科医・三瓶友治(若葉竜也さん)と出会い、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』の第4話。
三瓶が検査した結果、ミヤビの脳には、重度の記憶障害が残るような大きな損傷は見当たらず、三瓶とミヤビは困惑する。しかし、ミヤビから相談を受けた大迫紘一(井浦新さん)は三瓶の見立てが間違っていると指摘。さらに、以前から知っている三瓶のことを「危険な医者」だと言い放つ。
人間には裏と表があるものですから、ドラマにおいてもそんなキャラクターがよく出てきますが、本作の大迫教授がまさにそれ。井浦さんの本領発揮となった今回。
元々、ミヤビの母・あかり(黒沢あすかさん)の脳手術をした命の恩人だった大迫。ミヤビはその大迫に憧れて医師を目指し、自らの主治医としても、温かく見守ってくれていると思われたのですが…。
ミヤビの診断を巡って対立を深める三瓶と大迫。大迫が執刀していた脳腫瘍患者の翔太(宮崎奏佑さん)の件では、安全策を主張する大迫と全摘を目指すべきとする三瓶がバトル。最後は、助手になりすました「暴走」三瓶が手術を成功させますが、大迫は当然ながら激怒。
一方、ミヤビの依頼で動脈瘤が発見された加瀬誠(前原瑞樹さん)のカテーテル手術を成功させた綾野(岡山天音さん)。それは西島医療グループのトップ・秀雄(酒向芳さん)の娘である麻衣(生田絵梨花さん)と政略結婚する条件である論文ためでもあるのですが、ちょいちょい昔好きだったミヤビとの思い出も描かれ。
最後は秀雄が「万が一にも(ミヤビの)記憶が戻っちゃ困るよ」の念押しに、大迫が「承知しております」との返事。つまり大迫は、ワザとミヤビの記憶が戻らないようにしているってこと?あるいは、何か病院の秘密を知ったミヤビが、事故を仕組まれたとか。ブラック大迫爆誕。
お金も夢もない、29歳の大石理紀=リキ(石橋静河さん)。自らの遺伝子を継ぐ子を望む草桶基(稲垣吾郎さん)。その妻で不妊治療を諦めた悠子(内田有紀さん)。それぞれの欲望が「代理出産」を通じて交差する、ノンストップ・エンターテイメント『燕は戻ってこない』の第2話。
元バレエダンサーの草桶基とその妻、悠子の子を産む「代理母」の依頼を受けたリキ。決断できずにいると、故郷から叔母の佳子(富田靖子さん)が危篤との知らせが入る。
結局、帰省費用が捻出できずに、可愛がってくれた佳子の最期を看取れなかったリキ。回想シーンにおける、生涯独身だった佳子の「話にならん、金なきゃ」「自由になる方法=結婚」「まだ間に合う」「私みたいにならんでね」の言葉が、重く切ない。
思い出したのはアニメ映画『耳をすませば』における、雫の父の言葉「人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。何が起きても、誰のせいにもできないからね」、今では未婚も珍しくはないですが、それでも少数派。この社会は多数派向けに設計されていますからね。
一方、悠子の親友・寺尾りりこ役として、中村優子さんが初登場。基の身勝手さを口撃すると共に、悠子を揺さぶり、かつ寄り添う。今のところ、一番好感が持てるキャラクター。
リキに「卵子提供」のバイトを誘ったテル(伊藤万理華さん)でしたが、元カレのレイジ(町田悠宇さん)とよりが戻ったため、あっさり「卵子提供」を止めると言い出し。何度騙されても、貢ぐ気満々のテル。たしかにバカには違いないけれど、依存的なものがあるんでしょうね。
前回も登場したエージェントの青沼薫(朴璐美さん)が、よりグイグイ来る感じが出て来て、いいキャラクターに仕上がってきました(笑)。朴さんの夫は山路和弘さんだとか。朝ドラ『ちむどんどん』では共同売店の店主役、『エルピス-希望、あるいは災い-』では大門副総理役でしたね。
リキが候補として挙がり、喜ぶ基でしたが、悠子はもう一度考えてみたいと言うのですが、基は「その女は金に困って申し入れたんだよ」「決めて悠子。キャンセルする?」と、優しいようでモラハラ気質の本性が出てきました。
そしてついに、リキと草桶夫妻の顔合わせの日。高級ホテルにはあまりにもふさわしくないリキの服装が痛々しい。まだ正式契約ではないので、青沼は支度金はくれなかったのかな。今回もヒリヒリとして、見応えがありました。
余談:10日放送のNHK『スイッチインタビュー』の座組は、のん(能年玲奈)さんと百田夏菜子(ももいろクローバーZ)さん。事務所独立に伴う、改名についても突っ込んだ話。
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