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絶望の淵からの逆転無罪…今週の『虎に翼』

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の第5週「朝雨は女の腕まくり?」。

「朝雨は女の腕まくり」とは「朝の雨はすぐに晴れるものだから、女の腕まくりと同様に少しもこわくない」の意味(コトバンクから引用)。

穂高教授(小林薫さん)が、寅子の父・直言(岡部たかしさん)の弁護を引き受けてくれた月曜日。久しぶりに寅子が大学へ登校すると、皆はいつも通り接してくれるも、小橋(名村辰さん)と稲垣(松川尚瑠輝さん)の顔にアザ。前日、寅子を悪く言う二人に轟(戸塚純貴さん)が鉄拳制裁。さすが、「#俺たちの轟」(笑)。

直言逮捕から4か月後。予審が終了し、直言が罪を認めたことがわかり、被告人16人全員が裁判にかけられることに。一旦釈放された直言でしたが、何か隠していると感じた穂高は寅子に「言われなき罪を背負っているならば、そのことを聞き出して欲しい」と依頼されるのでした。

穂高から頼まれ、寅子が花岡(岩田剛典さん)たちと予審の資料を書き写していた火曜日。具体的な成果が得られない中、寅子は母・はる(石田ゆり子さん)が日々の出来事を付けている手帳(ヘブンズ・ドアー)の存在を思い出し。几帳面な性格など、初回からのロングパスだった伏線回収。

自白調書とはるの手帳の記載内容との矛盾を、直言に問い質す家族たち。ついに直言は観念し、上司の高井(小須田康人さん)から依頼され、泥を被ったことを告白。報告を受けた穂高は、被告人たちの弁護士たちを集め、裁判では無罪を主張する宣言しました。

寅子たちが公明正大な裁判を求めて署名運動を始めた水曜日。寅子と花岡はチンピラ風の男たちに襲われそうになりますが、帝都新聞の記者・竹中(高橋努さん)に助けられ。竹中は共亜事件の真相を語ると共に、「これ以上動くな。動くと死ぬぞ」と忠告。

1936年1月。第1回公判が開かれますが、直言は取り調べのトラウマで倒れて医務室へ。初めて暴漢の件を聞いたという直言に穂高は「(今の直言に)怖かったと泣きついたりできると思うかね」と。再び法廷に立った直言は、傍聴席の寅子を振り返り「ごめんな、トラ」とつぶやき。

罪状認否で、直言が全て否認した木曜日。直言は検察側の日和田(堀部圭亮さん)による自白の強要を暴露。しかし、予審制度があった戦前は、「自白が証拠の王様」だっただけに(現在もその傾向はありますが…)、日和田は弁護側が突き付ける矛盾に対し、自白を盾に無理を押し通す戦略。

そんな中、直言が長時間にわたって革手錠をされたていたことを人権蹂躙だと追及した穂高に、日和田は直言が暴れたからと言い逃れようとしますが、寅子が「監獄法」の条文を思い出し、穂高をアシスト。日和田はやり込められ、裁判の流れが変わりました。

被告人が全員無罪となった金曜日。証拠不十分ではなく、犯罪そのものが存在しなかったという手厳しい指摘を、「あたかも水中に月影を掬い上げようとするかのごとし」と表現した桂場(松山ケンイチさん)。

平和を取り戻した猪爪家。穂高と祝杯をあげる桂場からは「司法の独立の意義も分からぬクソバカども」と毒舌炸裂。甘味処で寅子に待ち伏せされた桂場は、苦虫を嚙み潰した表情ながら、今回は無事お団子を食べることができました。

寅子の法律=水源説に耳を傾ける桂場。「自分たちはそれがきれいな水のままでいられるように守り、正しい場所に導かなければならない」という寅子の言葉に、裁判官としての資質を見出すのですが、当時は女性はなれず。しかし、戦後に寅子が裁判官になるロングパス伏線となりました。


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