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ドラマ日記 『Destiny』(第6話)&『燕は戻ってこない』(第3話)

横浜地方検察庁中央支部の検事・西村奏(石原さとみさん)が封印したはずだった、青春時代の「光と影」。抗えない運命の中でも、自分の意志を貫いて突き進む奏の姿を描く、20年の時をかけたサスペンスラブストーリー『Destiny』の第6話。

奏は、大学時代の恋人・真樹(亀梨和也さん)が実家を放火した容疑で逮捕されたことを知り、驚きのあまり言葉を失っていた。さらに火災発生時、自宅にいた父・浩一郎(仲村トオルさん)は意識不明の重体に…。奏と真樹は12年の時を経て、検事と放火事件の被疑者として対峙することになる。

経歴を見れば、真樹と同じ大学の同級生だとわかりそうなものですが、なぜか担当検事に指名された奏。ましてや元恋人関係ですから、それを悟られないように、毅然とした態度で臨んだ第一回取り調べは、形式的なものに終わりました。

上司の大畑(高畑淳子さん)に担当するよう言われた時、正直に元恋人なので外して欲しいと言っていれば、良かったんでしょうけどね。放火の動機自体に、直前に二人で会って例のボイスレコーダーを聴いていたことが考えられたので、言えなったのかな。

第二回取り調べは完全に愛の告白合戦(笑)。真樹の育ってきた背景を奏が尋ねる中で、大学時代の話になり。一番幸せな時代で、恋人以上の好きな人(奏)がいたと言い出す真樹。えーっと、視聴者は何を見せられているんだろうというシーンでした。

第三回取り調べでは、新証拠や新証言と明らかに矛盾する真樹の自供。真犯人は別にいる?という中、留置場で吐血した真樹。癌が転移していて、さらに進行しているようです。前回、切れていた奏の婚約者で真樹の主治医・貴志(安藤政信さん)ですが、奏に付き添うよう勧め…。

容体が落ち着くと、奏の手を握る真樹。帰国した本当の理由を、(死を意識して)奏に会いたかったからと告白。さらに、「逃げない?あの星空を二人だけで観たい」とまさかの愛の逃避行を提案。

いやいや、長い時間をかけて能力や適性をふるいにかけられて検事になった人間が、地位も名誉も捨て、ましてや被疑者と逃亡となれば犯罪に加担って、それはさすがにないでしょう。ドラマティックにしたいのはわかりますが、匙加減を誤ると…。

お金も夢もない、29歳の大石理紀=リキ(石橋静河さん)。自らの遺伝子を継ぐ子を望む草桶基(稲垣吾郎さん)。その妻で不妊治療を諦めた悠子(内田有紀さん)。それぞれの欲望が「代理出産」を通じて交差する、ノンストップ・エンターテイメント『燕は戻ってこない』の第3話。

リキは基と悠子の夫婦とついに顔を合わせる。代理出産は単なるビジネスと自分に言い聞かせるが、悠子の思いも激しく揺れていることを知り混乱していく。一方の基はリキと初めて会い、自分の選択に間違いはないと確信する。

冒頭、バレエダンサーとして現役時代の基と、不倫関係だった悠子。結婚は望まないけれど、基の子供が欲しいと懇願しているシーンが描かれ、その後の伏線となっていきます。

顔合わせ後、化粧室で鉢合うリキと悠子。やがてそれは口論の様相を呈し。子宮を差し出すことで対価をもらうビジネスだというリキに、最初は好きな人の子供を産みたいものでは?母性が溢れ出すのでは?と、自身の過去を重ねつつ、情緒的な言葉を重ねる悠子に、「ビジネスなんで」とリキ。

基の当時の妻に平手打ちされる回想を挟んで、「女にはどちらかしかない。子供を産んだ女、産んでない女。どちらかが劣ってるわけじゃない。それはよくわかってる。でも私もそちら側になりたい」と悠子。

さらに口論が続く中、割って入ったエージェントの青沼薫(朴璐美さん)。先の基の発言に「男は種付けだけですもんね」というリキに対し、青沼は「女にはいつだってタイムリミットがあるのにね」と。

結局、悠子とのやり取りがリキの決断の最後の一押しとなり、1000万円を条件に引き受けることになりました。エージェントへの仲介料1000万を含め、計2000万円は、基の母・千味子(黒木瞳さん)が払うことになっていたのですが、高額過ぎると不服な千味子は、「もし産めなかったら、クーリングオフできるの?」と商品扱い。

顔合わせの謝礼として、5万円を受け取ったリキ。月14万円の手取りの人間にとってこれは大きく、普段はなかなか手が出せないラテを注文して自撮りする姿がなんとも。

ウキウキ気分で普段できない買い物をして帰宅すると、例の平岡(酒向芳さん)が絡んできますが、毅然として「私の体、もう自分のものじゃないんですよ」と。怯む平岡(笑)。しかし、亡くなった叔母の佳子(富田靖子さん)の葬式出席のための帰省費用のことをすっかり忘れていました。

親友・寺尾りりこ(中村優子さん)の春画展を見に行き、二人で店で飲み始めた悠子。生殖にまつわる二人の会話を聞いて、割り込んできたサラリーマンの光森(吹越満さん)はただの下心オヤジ?その部下が突然、性欲や恋愛感情がないという話をし(アロマンティック・アセクシュアル)。

結局、悠子は基とリキの子供を育てることを決意。それが「私の生殖行為なの」と。一方、決断はしたものの虚しさも感じていたリキに、テル(伊藤万理華さん)は恋愛のプロとして、女性向け風俗のセラピスト・ダイキ(森崎ウィンさん)を紹介。二人が出会ったところで終わりました。

ちなみに、昨年の「文春オンライン」の記事によりますと、女性用風俗は全国に約300店舗、セラピストは約5000人。内100店舗、2000人が東京に集中しているそうです。

全10話ですから、まだ紆余曲折ありそう。第3話から伏線になりそうなものとしては、代理母が生まれた子供に愛着を抱いてしまいトラブルになるとか、リキに別の男性との恋が生まれるとか。



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