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病気の一枚 58

2024年3月の私です。

本編に入る前に・・・ここ最近、私のnoteへ来てくださっている皆さま&いつも読んでくださっている皆さまへ。いつもの皆さまにはいつもの記事ですが、最近来てくださっている皆さまには、ちょっとびっくりかも、と思うので、この前置きを書くようにしました。

私、この病気の事を、今は月1回で書いています。最初の頃は、まあ、自分の人生で、こんな経験することって、2度とないしな、と思って書いていました。でも時がたつにつれて、記事を読んでくださっている皆さまにコメントをいただくようになり、この病気に対して、病気を経験した人にも、現在進行形で治療をしている人にも、経験していない人にも、何か伝えられる、伝わる事があれば、と、少しずつ思うようになってきました。

特に大きな事は何も考えてなく、どなたかが言われた「ろうそくの灯」のように小さな小さな明かりを灯し続けていければ、と思っております。
私の定時連絡のようなモノだと思っていただければ、いいかなと思っております。

2019年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、11月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして12月から抗がん剤治療が始まり、翌年2020年5月にやっと抗がん剤治療が終わり、7月にポート抜去手術後、ホルモン療法(タモキシフェン)が始まった。

2020年9月から仕事復帰。ただし、右腕はリンパ節切除の影響で軽いリンパ浮腫を起こしていたが、腕を休ませながら、仕事は本格的に復帰していた。しかし2023年7月から再発治療による副作用のため、再び休職している。

2023年1月に再発。右肺の胸膜に遠隔転移判明。診断は『右肺の胸膜播種』。現時点でガンに対する自覚症状はない。べージニオ&フェソロデックスを用いて再発治療中。

最初のがん告知から、4年5ヶ月。
右胸全摘&リンパ節切除手術をして、4年4ヶ月。
最初の抗がん剤治療が終わって、3年10ヶ月。
再告知&再発治療が始まって、1年2ヶ月。

がんと花粉症。

と言ってみたものの、結論から言うとこの二つは関係ないのだ。
花粉症はがんが発症する前から発症していた。がんが発症してからは、抗がん剤とかで花粉症がなんとかならないかしら?などと、超ド素人のヨコシマな淡い期待を持っていたが、昨年気管支炎になった時に、内科の先生に、
「ガンはガン。アレルギーはアレルギー。ちゃんと治療しなさい」
ということを言われ、淡い期待を捨てて、現在に至る。

しかし、今年は花粉症の目の症状がひどかった。いまこれを書いている時点では、スギ花粉は落ち着き、ヒノキの襲来を待ち構えているのだが、スギ花粉が飛び始めた時の目の症状が例年にないぐらいひどかった。
耳鼻科で飲み薬と点鼻薬だけは、年明けから処方されていたが、目に関しては「まだ何もしなくても大丈夫だろう」ということで、何もしていなかった。

ところが、花粉症が始まったとたん、目がかゆくなったと思ったのも束の間、目から涙が・・・。悲しくもないのに涙が止まらない。朝から晩まで涙が流れて目が疲れ果ててしまい、かかりつけの耳鼻科に行って目の話をすると、耳鼻科ではお手上げだから、眼科へ行きなさいと。
眼科・・・幼い頃から目が悪いので、眼科との付き合いは長いのだが、あまりいい思い出がないので、採血室の次に行きたくない場所なのである。

限りなくグレーな緑内障の疑い。

眼科には行きたくはないが、そうも言ってられない。早くこの涙を止めなければ。
重い腰を上げて、眼科へ行った。人気のある眼科らしく、午後の診察開始前から外に行列ができていた。その行列に入って、院内に入って、診察の順番を待つ。
そして、いよいよ診察となり、診察室へ入って先生に診てもらうこと数分。
「視野検査やりましょう。やったことありますか?」
え?視野検査?やったことない・・・はず、たぶん、きっと、おそらく、あはは。

何がなんだか状況を呑み込めないまま、検査室で視野検査なるものを受けて再び診察室へ。
「うん、はっきりとは断言できないけど、緑内障の疑いがあるかもね。限りなくグレーやけど。まあ、年に1回検査しましょうね」
うわー、マジかー。でも、見せられた眼球の写真は「これが緑内障の目ですよ」という写真によく似ている。だから検査をしたらしい。っていうか、そいういうことは検査をする前に言ってほしかったっす。

すっかり緑内障に気を取られていたが、この涙の原因は結局何だったんですか?と先生に聞いたら「花粉症だから目薬を2種類出しておきますね」と。ちなみに、念のためお伺いしますが、がんとの関係は?と尋ねたら、抗がん剤治療の影響で、流涙りゅうるい増加、つまり涙の出る量が多くなることが稀にあるらしいが、はっきりとは分からないと。でも大部分において、がんと眼は関係ないから、もし何かあれば受診してくださいとのことだった。でも、今回は花粉症やからね、とも。

今月はCT検査から。

では、肝心の乳がんの話へ。
今月はCT検査からスタートとなった。定期検査である。右胸の胸膜播種で胸膜にできたしこりが今どうなっているかを診る検査である。そして、この日は、状態も安定しているとのことで、採血も一緒に行われることになっていた。

検査当日、あー、今日は2回も針を刺されるのか・・・と思いながら、病院へ。
まずは受付でCT検査の同意書を提出。そう、今回も造影剤込みの検査なので、同意書が必要なのである。そのうえ、昨年からは気管支炎発症のせいで、造影剤注入の24時間前と2時間前に、アレルギー対策の小さな小さなメドロール錠を1回につき16錠飲まないといけないのである。その2時間前に飲む分が、だいたい病院に到着してから待合室で飲むことが多い。

その後、先に採血へ。ここで問題発生。
今日は造影剤投与で、この後も造影剤投与のためのルート確保注射が待っている。で、私は右腕にリンパ浮腫を発症しているので、右腕に針は刺せない。となると、左腕で、採血と造影剤、2か所の穴を開けることになるのである。

撮った。

分かりにくいが、いちおう説明すると、こういうことらしい。
水道のホースを思い浮かべてほしい。ホースに2か所穴を開ける。水はずっと流れている。1か所目は、蛇口から近いところに開ける。そこから水を取った後、そこを塞ぐ。そして、2か所目は蛇口から遠い、1か所目から下に開ける。これで2か所から時間差で水を確保できる。

この分かりにくい説明を踏まえて、ヘッダー写真をご覧いただきたい。
上の〇が採血場所。下の〇が造影剤投与場所。右腕も、左腕の肘裏の血管でもルート確保できなかった結果がこの一枚なのである。
「こんな至近距離で針を刺すんですね・・・」
「ええ、そうですね」
こうしてまたひとつ学習したというか、ひと騒動した検査の結果は、しこりの増大は認められず、血液検査の結果も肝臓の値が少し高め、腫瘍マーカーも微増という以外は安定しており、今月も無事に治療ができた。
また、ヘモグロビン値が低めの11.0(正常値は11.6~)ではあったが、安定しているので、今月から鉄剤をいったん外しましょうということになった。やった。薬が1個減った!

悩めるベージニオ。

まあ、無事に治療を受けることはできたものの、毎回診察時に問題になるのは、ベージニオの服用量。ここでも何度も話をしているが、今は100mgを飲んでいる。でも3月に入って、また副作用の下痢がひどくなってきた。しばらく調子がよかったのだが、また原形をとどめたまま、食べたモノが出てくるようになったのだ。

「先生、下痢がきついっす」
「うーん・・・減らす??」
「うーん・・・でも減らしたら薬の効果が5割に下がるんですよね??」
毎月、この会話が繰り広げられる。でも、いったん薬の量を減らすと、その薬が効かなくなったからといって、またベージニオを増やすということではなく、次の薬が待っているという。
でもやっぱり今効果が出ているので、このままの量で、という結論になるのである。

また、ベージニオの副作用で、指の皮がぼろぼろ剥けてきているという話を先月書いたのだが、今月もそれは続いており、薬局で薬剤師さんとその話になった。確かに副作用でそのような症状が出ている患者さんもいて、ひどくなると、指先が痛くなったり、痺れたりするそうだ。なので、ひたすら保湿するしかない、と。がん細胞の増殖を抑え続けているのだから、正常な細胞も攻撃しますからね、と。
そっか、やっぱり抗がん剤と一緒の作用があるよね・・・とあらためて思ったのであった。分かっちゃいるんどけど、あらためて言われるとねぇ・・・。

副作用との闘いの日々は今日も続く。


追伸:病気の一枚は連載モノです。よかったら57もご覧ください。



いちおう今までの分は私の病気マガジンにまとめています。
1から読むと、かなり長くなりますが、興味がある方はどうぞ(^^;)
えっと、13までは病気治療に専念しており、14あたりから徐々に社会復帰して、毎月の定時連絡になり、44から再発治療が始まります。


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