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トシちゃん自身の幸せ

還暦記念ライブの時、トシちゃんは自分のことを「幸せ者」と言っていた。ライブに行ったり、Twitterを見たりして思うのは、トシちゃんの愛され方がハンパないこと。トシちゃんの言動に一喜一憂するだけでなく、常にトシちゃんを慮るファンの熱量が凄い。20代のアイドルに対してならわかるが、40年以上ずっと相思相愛なのだから驚きだ。単なるファンとタレントという関係性を飛び越え、大切な身内同然。トシちゃんがおどけて「みんなのしつこい愛情」と表現するほどに。だから、いつからなのか私は知らないけれど、トシちゃんもファンをファミリーと呼ぶようになったのだろう。

魔術にかかったように、トシちゃんのどのライブを観ても、いつも最高と思うのは、ファミリーだからだろうか。ライブの完成度は関係あるのだろうか。横浜のライブから考え始めて、もやっとしていたテーマである。

札幌の生ライブ配信は、急な法事の関係で、車内で観ることになってしまった。スマホの小さな画面だったが、車内の音響は意外と良く、十分楽しめた。その際、夫も一緒に聴く羽目になった。興味ないどころか、今まで完全無視という感じだった夫の感想。「大したもんだ。よくこんなに動けるな。声がよく出て、歌が上手いんだなあ。凄いなあ。」(トシちゃんより年齢が高いので、上から目線で失礼します。)一見さんでも感嘆させられる本物の実力があることを、実証できた気分だった。

人気とは、泡のようなものだと思う。人のイメージは、ちょっとしたことで変わってしまうし、事務所やスポンサー等、さまざまな周りの思惑をまとい、バックアップを受けて演出を加えれば、ある程度作り出すこともできる。また、大衆は迎合するもの。特に日本人は、並ぶのが好きで、ブームを作りやすい民族風土があるような。

私が行ったことのあるたのきん三球コンサートにしろ、当時のTV番組のロケにしろ、かつてトシちゃんが行く場所にはいつでもファンが殺到。パニックを引き起こし、将棋倒しが起きてしまったことさえあった。そのようなブームを経て、独立してからは、パフォーマンスに惹かれ、お金を出して自分だけを観にきてくれるファンと、一生つきあいたいという思いでやってきたのだろう。

その本気の空気は、ファンとの間だけでなく、周りを取り囲むスタッフやバンドメンバー、ダンサーとの間にもある。元々どんな場面でも、トシちゃんの本気度は凄いものがあったけれど、独立後は特に、自分がリーダーとして全ての空気をコントロールし、最高のパフォーマンスをするライブ空間を作り上げることにだけ集中するようになった。その上で大切なのは、実力があるだけでなく、トシちゃんを最優先してくれる、強力なブレーン。長年の絆で固められたバンドメンバーや信頼できるダンサー(Tiaraのような新しいメンバーによる変化も加えつつ)、辛い時期も共にいてくれたマネージャー、暗闇で支えてくれるスタッフ、そして、ずっとトシちゃんだけを愛してくれているファミリーに囲まれているからこそ、最高に輝く。トシちゃんもそのことを自覚しているから、いつも「みんなが頼りなんだから、身体を大事にして!」などと言うのだろう。

そうした積み重ねの上にある今現在の人気は、たのきん当時と違って盤石。トシちゃんは、ジャニーズを辞めた時点で、華やかだが不自由な名声を捨て、自由で安寧な幸せを取ったのではないだろうか。ライブ会場は、濃密で温かなファミリーの集いといった感じ。その中央にそびえ立つトシちゃんは、三球コンサートで3万人の大歓声に包まれた時以上に、何ものにも変え難い、心の底から満たされる幸福感に包まれていることだろう。同時に、お膳立てされることなく、一からひとりで積み上げてきた自信も感じていることだろう。

私の結論は、トシちゃんの自己採点が何点だろうと、本気で必死の優れたパフォーマンスは、毎回、ファミリーに限らず誰でも最高得点を出すだけの中身があり、完成度というような尺度に捉われることなく、いつでも必ず、圧倒的な満足感を得られるということ。トシちゃんのライブに挑む精神と、取り巻く素晴らしい環境が備わっているからこそである。トシちゃんが茨の道を一心に歩み続けてきたから到達できた、理想郷のようなものだ。

歌詞の間違えやハプニングがあっても、それがさらなる生の魅力となる。また、ちょっとした不調があろうとも、ファミリーの応援の気持ちはますます熱くなる。横浜ライブの後、短期間でトシちゃんの喉は回復、石川のライブでは万全だったと聞いている。また最高を更新したことだろう。

このnoteを書き始めた当初は、トシちゃんの凄さに気づかないメディアを腹立たしく感じ、もっとTV出演機会を増やし、映画やドラマにも出てもらうことを熱望していた。トシちゃんを、ファミリーだけのものにしておくのはもったいない。今のトシちゃんを知らない不幸な⁈人々に覚醒してもらいたいと。また、レッドカーペットの上を歩いたり、表彰式に登場したら、さぞやカッコいいだろうとも。

しかし、最近、自分の推しの凄さを世に知らしめたいという私のエゴかもしれないと思うようになった。トシちゃん自身は、今さら、バブリーな人気や、実体の薄い注目を求めていないかもしれない。トシちゃんは地に足がついている。また、エンターテイナー田原俊彦の絶対的な人気は、既にある。強力な宣伝やバックアップはなくとも、ファミリーによる草の根的な拡散活動を通して、トシちゃんの存在感に気づく人は、自然と増え続けるに違いない。そんな着実な歩みの上、より華々しい舞台に出て行った時、新たに驚嘆する人々がいたら、ファミリーは心底誇らしい。氣志團万博の時がそうだったように。それは、本当に素敵なことだ。そのうち、世の中の方が放っておかなくなるだろう。

トシちゃんがいてファミリーは幸せだけれど、トシちゃんにも、いつも幸せでいて欲しい。そのための仕事であって欲しい。私が観た生ライブのトシちゃんは、軽々とこなしているように見えたけれど、尋常じゃないことをやり遂げている裏で、かなり辛いこともある筈だ。なるべく無理しないで、ありのまま、健やかに、長生きして欲しい。そして、ライブで今のような共有体験を続けられることが、一番嬉しい。

昨今、騒がしいジャニーズ帝国。裏側を取り沙汰されること自体、所属アイドルにとってマイナスではないだろうか。ジャニーさんが言ったとされる金言「アイドルは、人を幸せにする職業」を最も体現しているのは、トシちゃんだと思う。トシちゃんは、どんな時期でも私たちの夢を壊さなかったし、いつまでも幸せを与え続けてくれるという保証がある。トシちゃんとともに、ファミリー生活をこれからも楽しめる幸せに感謝したい。

最後に、いろいろ考えてみたものの、トシちゃんって、生まれついて特別にカッコいい人なんだと思う。そうでなきゃ、どんなに努力しても、61歳にして、ここまでカッコよくなれない。運命によって定められた、生粋のアイドル。進化し続けるトシちゃんを言葉で表現することは到底不可能なので、とにかく誰もが、一度は生ライブを直接体験するべきだ!(これが本当の結論です。)

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