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転職活動記#5 正体不明な会社


前回、合同会社Yという謎の会社の面接を受けることになった話をここに書いた。

そして、今日は実際の面接でのやり取りについて。
事前にHPをみてこの会社に対して不信感を募らせていた僕。
面接はオンライン形式で行われた。まず画面に現れたの小麦色に日焼けした営業マン風の男性で歳は40歳前後と思われる。白のワイシャツに黒のジャケットを着ているが、僕の目を引いたのはそのワイシャツが第二ボタンまで外されていて、かなり胸元がはだけていたことだった。そしてそれよりも違和感を感じたのは、彼の横でずっと電話している男性がいたことだった。話の内容はわからないが「後ほどメールを送るから確認して云々」みたいな内容だったと思う。もちろん背景はボカシがかかっていているからハッキリとその姿を確認することはできなかったが、そこからはなにかある種異様とも言うべき雰囲気がZOOMの画面を通して伝わってきた。それはうまく言葉にすることはできないけれど、テレビドラマでよくみるオレオレ詐欺の掛け子の集まっている拠点みたいな雰囲気だった。

面接のやり取り自体は一般的な感じだったが、全体を通して何となく感じたのは相手が自分のことをあまり知りたがってるようには感じなかったことだ。どこか予定調和の質問をしてこちらの返答にはただ相槌を打ってるようにしか感じない。
しかし、こちらは先方に聞きたいことは山ほどある。普通一度でも面接を受けた方ならわかると思うが、会社側から「何か逆に聞きたいことはないですか?」と必ず聞かれる。

しかし、驚くべきことにそこの会社は僕に質問する隙を一切与えなかった。
一通り向こうの質問が終わると「二次選考に関する連絡は下四桁****から電話しますので」と一方的に面接を終えられてしまったのだ。
こちらは呆気に取られて、一体この会社は何なんだろう?とさらに謎が深まるばかり。しかし、ここからさらに奇妙なことが起こる

オンライン面接から2日後の夜。知らない番号から電話がかかってきた。

「合同会社Yの○○と申します。先日は弊社の面接を受けていただきありがとうございました。」

あー、あの会社か。どうせまたダメだったんだろう。

「今回未経験の応募にも関わらず経験者からたくさんの応募をいただきまして、残念ながら笹川さんより経験の長い方を採用することになりまして、、」

ほら、やっぱり、、

「でも、笹川さんの印象がとてもよくて、私も上司にかけあってみたんです。でもどうしても採用は難しいということで」

うん?この人は一体何を言っているんだ?

「でも本当に笹川さんの印象がとてもよかったので、私は笹川さんのお力に少しでもなれればと思い、弊社が提携しているBという会社からお仕事を紹介させていただけないかと思いまして、、
決して笹川さんにとってもマイナス話ではないと思いますが、、」

あーそういうことか!仕事を探して困っている人をダミー会社Yで集めて、そこから人材紹介会社Bにつなげて適当な仕事を紹介して仲介手数料を儲けようという魂胆なのだろう。だと思う。その後、一応話の流れでBという会社の担当者と面談の予定を入れたが、結局気味が悪いから一切連絡は取らなかった。

東京ってこういう営業実態が謎の会社、けっこういっぱいあるのかもしれない。こんなところにうっかり足を踏み入れでもしたらタイヘンだ。僕が彼のように「○○さんの印象がよかったから、Cという会社からお仕事紹介させてもらえませんか?」って電話かける立場になってるかもしれないんだから。

つづく



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