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<書評>老人ホーム 一夜の出来事(B・S・ジョンソン著、青木純子訳 創元ライブラリ)

「図書新聞」No.3639・ 2024年5月18日(土)に、『老人ホーム 一夜の出来事』(B・S・ジョンソン著、青木純子訳 創元ライブラリ)の書評が掲載されました。
http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php
本書は1971年に発表された実験小説で、日本では2000年に『老人ホーム 一夜のコメディ』として刊行されています。2024年の今になってなぜ文庫版が出たのだろうと思いながら読みはじめたのですが、読んで納得。9人の意識が1ページ1行単位で同時進行するという「紙の本ならでは」の作品だったのです。
書籍のデジタル化に抗うかのように、「紙の本でしか読めない本」が売れています。例えば、『世界でいちばん透きとおった物語』(杉井光・新潮文庫)や『逆転美人』(藤崎翔・二葉文庫)は紙でしか再現できない仕掛けがされていて話題になりました(どちらも面白いです)。
そうか、デジタル化の現代に新たな価値を見出した本なのか!!と思って、滔々と書評で語っていたところ、なんとKindleで電子版が発売されていました(ただし、固定レイアウトです)。慌てて内容を書き直すことになり、どうにかうまく収められたときはホッとしました。
金子先生、今回もお忙しいところを丁寧に見ていただき、ありがとうございました。
書評は下記リンクからお読みいただけます。
https://note.com/yasushi_kaneko/n/naa92ae00efe9

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