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東京国立近代美術館『ガウディとサグラダ・ファミリア展』

少し前に、
東京国立近代美術館の『ガウディとサグラダ・ファミリア展』へ。

中高生の頃だろうか、私はテレビか図書館の本かで「サグラダ・ファミリア」というものを知り、何故だか気になって仕方がなかった。

高校の美術の課題で、好きな建築物について調べてレポートにせよ、というものがあり、サグラダ・ファミリアについてまとめたことがある。先生からの評価はあまり良くなかったけれど、個人的には好きなものを好きなようにまとめた、お気に入りのレポート。

それから10年後。2019年2月下旬、ヨーロッパ旅行の途中でスペイン・バルセロナへ。いくつかのアントニ・ガウディ建築とともに、ついにサグラダ・ファミリアを見上げた。正面の精巧な彫刻からは少し冷たさや悲しみも感じる一方、中に入った時には、ステンドグラスを通り彩り豊かな外光の温かさに包まれ感動したことを覚えている。過去に作られた建物の一部分の横に、新しい建築資材が積まれ、100年前と今と未来とがつながる感覚も不思議だった。

そしてさらに色々あった4年半が経ち、映像や今回の展示を観たこの数日間で、現在はさらに建設が進みたくさんの塔ができたことを知る。高校生の私がまとめたレポートは、ガウディやその遺志を引き継いだ人々が思い描いた建物のほんの一部に過ぎなかったことにも気がついた。あの冬の日に私が見たサグラダ・ファミリアが歴史の一部であったことも。

人が作る物は、捉え方も人それぞれで、心を動かされる人がいれば、気にも留めない、あるいは無駄だと思う人もいる。それはそれで良いのだけれど、作られた物によってネガティブな影響を受ける人もいるだろう。
だから、諸手を挙げてポジティブな感想や感謝を述べることはやや憚られる。
ただ、バルセロナで見た建築物や展示には驚きや感動、学びや共感があり、今回の展示では、最大のサグラダ・ファミリアの制作の過程に焦点を絞られていたことでその所以を少し理解することができて、私は嬉しかった。

完成は2026年、という。
やはり自分の目で見てみたい。

ちなみに、展覧会を観た後、スーパーでスペインのスパークリングワインと、生ハムとチーズを買って帰り、翌朝、予想以上に顔が浮腫んでパンパンになった。

バルセロナの一人旅は本当に楽しかった。その記憶が蘇ってきたのだった。

*2019年2月にバルセロナに行った時のことはこのあたりに書いてあります。
https://akkkie1.hatenablog.com/entry/2019/02/23/085034

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