【文学初心者向け】国語教科書で読んだ小説家の本〜中学校編
まえがき
今回の記事では、日本の多くの中学生が手にする教科書のなかで紹介される作家さんたちの代表的な著物を紹介します。
学校の授業で扱われることの多い小説の作者による、教科書に掲載された作品を収録した作品集や、その他の有名な作品を収めた本を集めました。
一般的な本屋さんや図書館で手に取りやすく、持ち運びのしやすい、文庫本化された本を選んでいます。
文学をこれから読んで行こうという方や、中学国語を一から学びなおしたいという方の参考になればと思います。
【中1】
1.辻仁成「そこに僕はいた」(新潮文庫)
学校や仲間の良さには、それが身近でなくなってはじめて気がつくもの。教科書に収録された「そこに僕はいた」他、ノスタルジーたっぷりの作品集です。
2.ヘッセ「車輪の下」(新潮文庫)
そうか、そうか、つまりきみはまだ「車輪の下」も読んでないんだな。『少年の日の思い出』に心を打たれた人に、ぜひ。孤独な天才少年の辿る運命とは。
【中2】
3.太宰治「ヴィヨンの妻」(新潮文庫)
太宰治は変な人だ。何もかもに絶望したとみせかけて、ユーモア精神もあるし、愛も描く。人間・太宰治のいろいろな側面が見られる短編集です。『桜桃』収録。
4.重松清「卒業」(新潮文庫)
「卒業」とは、新たな一歩を踏みだすこと。読後感の良い短編集です。読書の時間がなかなか取れないという人、読みやすい小説を探している人に、おすすめします。
5.谷川俊太郎選「茨木のり子詩集」(岩波文庫)
詩には、難しいものがたくさんあります。そんななかで、茨木のり子さんの詩はたいへん読みやすい。すっと入って、じんわり響く。谷川俊太郎さんによる選です。
【中3】
6.魯迅「阿Q正伝・狂人日記」(岩波文庫)
魯迅さんに続いてたくさんの人が歩いた道が、文学という「希望」をつくった。激動の時代の中国で、文学の道を切り拓いた偉人の作品集です。『故郷』収録。
7.菊池寛「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」(新潮文庫)
菊池寛さんは実業家でもあった。だから、作品が「大衆に届く」ということの大切さを知っていた。誰もが楽しめる、珠玉の小説集です。個人的おすすめは『藤十郎の恋』。
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