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詩です。

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自作の詩、または「詩のようなもの」をあつめました。
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記事一覧

「うらぶれもの」【詩】

いずれしんでゆくわたしですから こいするしかくはあるでしょう いずれしんでゆくわたしですか…

「じだんだ」【詩】

駅前で 踏んでしまった じだんだを 踏んづけたあとで気がついた ああ 私の足の裏で ぺちゃん…

「地球人」【詩】

むかし わたしは捨てられました ひとりの宇宙人に そうだ それから拾われました ひとりの地…

「波音~春の台所」【詩】

偶然、 学生時代にきみがつけたノートをみつけた。 刃 みたいな春がやってきた朝。 ぼくらの新…

「プロローグ」【詩】

こんなに気合をいれてきたのに わたしの立っている場所はまだ ほんの小さなプロローグ 断崖絶…

「青年の主張」【詩】

青春が 人生の早いうちに終わってしまうことは ずいぶんひどい話だと思う けれども ねえ、だか…

「竹 夭」【詩】

恋しても 心をこめなきゃ 亦、の機会に 女が家に 嫁いでから いつも男は 責任転 嫁 転がされるのは 女ばかりで 虫がうるさい工場の窓に 虹がでるなら それもよい 読んでしまえば 売っちゃいなさい 言葉はきっと残るから 象の象徴としての像 馬が区内を駆けまわる 水辺のある林は淋しい 竹の下で夭折した人を 笑っちゃうのはどうかと思うが

「A bed」【詩】

ここのベッドは ずいぶんといいやつらしい ありがたい と母はいう ありがたい とおじいちゃん…

「けうなふたり」【詩】

ほんとうのともだちは あなたのはなしをさいごまできいてくれたひと あなたの長いはなしを う…

「魔女」【詩】

魔女にはじめてあいました ある暑い日の昼下がり あなたという魔女に わたしはあなたが魔女で…

「朝」【詩】

どうしたの 夜明けみたいな顔をして いまだに月がひっこまないから きみはきのうなのか きょ…

「冗談」【詩】

ナーシングホームの あかるく閉ざされた部屋 高い声の人たちが去り ふいにぼくらはふたりぼっ…

「ほんとうのこと(ことばについて)」【詩】

寝たきりの おじいちゃんがしゃべった ことばではないことばをしゃべった よく晴れた春の朝だ…

「きせつはずれのうみ」【詩】

きせつはずれのうみがすき きせつはずれのなみおとが せなかをおしてくれるから ちょうしはずれのうたがすき ちょうしはずれのごせんふが じゆうをおしえてくれるから かけちがえたぼたんがすき ただそこにあることのほこらしさを そっときかせてくれるから