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日本文学の読まれ方(2012)

日本文学の読まれ方(2012)

日本文学の読まれ方
Saven Satow
Oct. 11, 2012

「私、アメリカにいた時、『源氏物語』が大好きで、日本人に読んだことあるって聞いたら、誰もないって言うの、不思議だった、こんなに面白いのに。逆にね、日本人はシェイクスピアがすごく面白いって言うの。不思議だった。私は読んだことない。だって全然わかんないんだもの。でも、今はその理由がわかった。どっちも翻訳で読んでたのよ」。
ある

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「押すなよ!絶対に押すなよ!」をChatGPTは理解できるか?『ヒトの言葉 機械の言葉』人工知能と話す以前の言語学/川添愛(2020/11/10)【読書ノート】

「押すなよ!絶対に押すなよ!」をChatGPTは理解できるか?『ヒトの言葉 機械の言葉』人工知能と話す以前の言語学/川添愛(2020/11/10)【読書ノート】

私たちは本当に、「意味」が分かっているのか。AIが発達しつつあるいま、改めて「言葉とは何か」を問い直す――AIと普通に話せる日はくるか。人工知能と向き合う前に心がけるべきことは。そもそも私たちは「言葉の意味とは何か」を理解しているか。理論言語学出身の気鋭の作家が、言葉の「不思議」と「未解決の謎」に迫る

「言葉」……それは私たちが日常の中で、何気なく、そして瞬時に扱う魔法のようなもの。我々人間にと

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誰も取り残さない教育──『国語教育(24年2月号)』読書感想文

誰も取り残さない教育──『国語教育(24年2月号)』読書感想文

1年間購読してみている『国語教育』。
上半期分の感想はこちら↓↓

今回取り上げたいのは2月号の特集「学習支援」。
教育は国(どころかこれからの地球の未来)の命運を左右する。子どもたち全員が必要な教育を身につけられれば、その知恵を結集して社会はより良い道を選ぶことができる。
だから、特に初等教育現場においては、「誰一人取り残さない」というアクセシビリティ観点が重要になる。

学校教育は一律指導が多

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#382 香川県はなぜ「うどん県」?

#382 香川県はなぜ「うどん県」?

香川県と言えばうどん。
讃岐うどんは全国的にも有名で、香川県は「うどん県」とも呼ばれている。
では、なぜ香川県ではうどんが有名になったのだろうか。

1.空海が讃岐うどんの起源?

讃岐うどんの歴史は深く、平安時代までさかのぼる。

讃岐地方出身の空海が、唐へ渡った際にうどんの作り方を学び、帰国して故郷へ伝えたことが讃岐うどんの始まりと言われている(諸説あり)。
その際のうどんは団子状で、現在のよ

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地方ローカル鉄道の危機に、サブスク制度で存続できないか考えてみる~北海道沼田町の鉄道ルネサンス構想~

地方ローカル鉄道の危機に、サブスク制度で存続できないか考えてみる~北海道沼田町の鉄道ルネサンス構想~

「これからの時代は発想の転換が必要になりますよ」
 およそ30年前くらい、鉄道会社の新人研修の担当講師からこのように言われたことを今でも覚えている。当時から鉄道事業の経営状況は良いとは言えず、特に地方ローカル線の利用者が少なく赤字体質となっていた。

 配属となった現場では、多くの先輩社員から「なんで、うちの鉄道会社に入ったの?」と言われ返答に困った。さらに現在はコロナ禍により全国で路線の廃線議論

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国語ってなぜ学ぶの?という問いに、どう答えればよいのか悩んだときのエピソード

国語ってなぜ学ぶの?という問いに、どう答えればよいのか悩んだときのエピソード

「国語ってなんで勉強するの?」
もし、子供からこんな質問をされたら、みなさんどう答えますか?
今回は、僕のエピソードを交えつつ、とある著名人の名回答をご紹介したいと思います。こんな美しい答え方があるんだ...そう思わざるを得ません。

ひとまず、こんな息子です質問への回答の前に、少しだけ背景を説明しますね。

小学生になる僕の息子が、なんでそんな質問をしてきたのか?
それは、彼の「好き嫌い」がはっ

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国語の教科書熱、再燃。

国語の教科書熱、再燃。

小中学校で大好きだった授業、それは国語。
年度はじめに国語の教科書が配られると、嬉々としてまずペラペラとめくる。
うわーこの話、面白そう。早く読みたい。気になる〜
ダメダメ、先に読んでしまうと授業が面白くなくなってしまう。やっとの思いで読むのを我慢する。それを毎年繰り返していた。
 

1.ふたりはともだち アーノルド🟰ノーベル作

一番初めに感動した作品は、小2の教科書に載っていたがまくんとか

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ZINEを作ってる人にお話を聞いた!/文学フリマに出店するまでの道

ZINEを作ってる人にお話を聞いた!/文学フリマに出店するまでの道

文学フリマに出店申し込みをしたものの、出品する作品をどんなふうに/何を/どうやって作ればいいかさっぱりわからない。なのでイベントに参加していろいろ見てみたい、あわよくば教えてもらいたいと思った。

関西で開催のものを探して、見つけたのがこちら。

当日は初めての環状線に乗って、2時間弱ほどかけて大阪のイベントに参加した。

結論から言うと、めちゃくちゃ楽しかった! 大人ばかりのイベントでこんなピー

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【書評】夏目漱石『門』は暗くない。実はポジティブな小説である。

【書評】夏目漱石『門』は暗くない。実はポジティブな小説である。

ロッシーです。

夏目漱石の『門』を読みました。

言わずもがな、『三四郎』『それから』『門』の漱石三部作の最後の作品ですね。

夏目漱石の作品に関する論文は、それこそ腐るほど存在しています。彼の文学作品に関する論文がまた別の論文を呼び、結果として関連する研究がどんどん積み重なり、圧倒的なシェアを獲得していくわけです。いってみれば、日本文学におけるGAFAMみたいなものですね。

そんな状況ですか

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言霊信仰=文学というグノーシス

言霊信仰=文学というグノーシス

『犠牲の森で: 大江健三郎の死生観』菊間晴子

図書館本なのでそろそろまとめて返却しないと。犠牲というのは大江健三郎が時代の犠牲となったものを作品に取り上げながら(動物の犠牲というメタファー)生きた戦後世代の学生運動とか三島由紀夫の自決とかそういう歴史を動物をメタファーとして、ナショナリズムの中心の物語には回収されない辺境の物語として四国の森の鎮魂としての物語が描かれたのだと思う。

それは大きな

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シンプルさは究極の洗練である

シンプルさは究極の洗練である

日本画、特に墨絵においては、何も描かれていない表現されていない場所を意識させられることが多いとおもう。
実はそれは空間的な間(ま)や余白なのです。

鑑賞者へ表現者から心の余白が用意されているのです。
それが余韻や解放感を見る者へ与えてくれるのですが、周到に用意された隙間や空間がその役を担う表現法で日本人はこの感覚を余白に価値づけたのです。

空間においてあるもの同士の間の空間は隙間である。日本の

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土を踏む

土を踏む

直に触れることの意味田舎育ちが比較的長いせいだろうか、自然に触れるのが好きだ。
その影響か、直接触れることを大事にしている。

昨今、リモートで出来ることが増えた。
それはそれでとても良い事ではあると思う。

今までわからなかった事、出来なかった事が出来る。
時間の短縮が出来、効率も良くなった。
得られたものも多い。

反面、それによって失われたものも多い。
直に触れるとわかる事が沢山ある。

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文明開化をちがう角度【井上ひさしの名言】

文明開化をちがう角度【井上ひさしの名言】

本日の名言井上ひさしさんってどんな人?小説家、劇作家、放送作家です。鋭い風刺とユーモアで人間と社会の在り方を問い続け、「現代の戯作者」とも呼ばれています。生涯に100を超える戯曲と小説を世に問いました。

私の説明おはようございます。

2024年2月16日

情報の氾濫っていわれて。

今の時代そうですよね。

このブログも数多のブログや名言から行き着いた人達がいると思います。

情報が氾濫して

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読書感想 『苦役列車』  「正直を極めることの美しさ」

読書感想 『苦役列車』  「正直を極めることの美しさ」

 その作家は、21世紀には、もしかしたら珍しい存在になった「私小説作家」であることは知っていた。それは、芥川賞受賞会見での受け答えでの印象とも真っ直ぐにつながっていた。

 それでも興味がありながらも、読めなかったのは、自分が、ちょっと怖く感じていたのだろうと思うけれど、その西村賢太に関するドキュメンタリーは見た。

 その中で、著名な人だけではなく、いわゆる西村賢太のファンでもある人も出てきて、

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