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母、6歳。

お誕生日おめでとう。

息子が生まれたその瞬間から
もう6年も経ったのかと
遠い目をしてみる。

あの日も
ああ、こんなに上手く出来ないことが
まだこの世には、こんなにあるのか。
と絶望し、私は遠い目をしていたと記憶している。

6年経ち
いまだに人として、母として、親として
上手くできないこと
至らないことに埋もれ
反省しない日はないけれど

それでも毎日、息子は常に
そんな未熟な母を
無条件に肯定し続けてくれる存在であると感じる
今日この頃。

いつのまにか
沢山助けられ、励まされ、癒されている私。

息子を産んだ日の夜
一生懸命、私の硬いオッパイに吸い付いてきた息子。息子は母乳を飲むのが上手だと助産師さんに褒めてもらったが、私のおっぱいはカチカチでダメだと怒られた。
勝手に涙が出た。

お尻も痛いし、アドレナリンが出過ぎて寝ることもできず、ただただ出ない私の母乳が憎く
申し訳ない気持ちと
自分の無力さと
不安と不安と不安に
押しつぶされそうになり
静かな涙が止まらなかった。

そんな私に助産師さんは
こうも言った。
「大丈夫。息子くんはね、必ず将来、ママを守ってくれるようになるからね。」

こんな、か弱い存在が私を守るだと?
そもそも文脈がおかしい。
何を言っているんだ。
私が今すぐ、もっと強くならねばならないのだ。
そう思ったのを覚えている。

6年経ち、今
息子はしっかり私の心を守ってくれている。

料理を作るのを失敗しても
仕事で帰りが遅くなってしまっても
忘れ物をしてしまっても
休日だらしなくても
時々泣き虫で口が悪くても
夫と喧嘩をしても
間違えてしまっても
仕事がうまく行かなくても

ただただ私のことを丸ごと、日々愛し
応援してくれる。

あの助産師さんの言葉は本当に本当だった。
あの時あんなふうに思ってゴメンナサイ
と心の中で助産師さんに謝り、

私も息子にとって、
私にとっての息子のような存在、
そんな母でありたいと、強く願う。

いつもありがとう。
6歳のお誕生日おめでとう。

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