空き家を旅館にしてみます。#5〜贈与契約〜
僕『この家を僕にください。』
なぜこの家に惚れてしまったのか。
そんな事を綴っていたのが前回。
代理人『では贈与契約を・・・』
そう。
今回この家は売りに出ていたわけではなく、0円で良いからもらってくれる里親を探していたので売買契約ではなく”贈与契約”になるのだ。
無償譲渡いう形になるのだが、日本の法律ではそんな簡単に物をあげる事はできないらしい。
物が人から人へ移る時、物が消費される時、お金が動いた時、とにかく何かが動いて税金という摩擦が起きるのだ。
上手い事ヌルッヌルにして摩擦が生じないようにする術も色々とあるらしいのだが、僕は普通に贈与税を支払う事にしました。
国に感謝しているから払うのは当たり前だとか子供たちの未来のために当然とかそんなカッコいい理由は特になく、
『いやぁ・・贈与税まじ高かったわぁ・・・』
って友達の前でカッコつけたかったというダサい理由である。
ちなみに贈与税がいくらかかったのかは後述します。
贈与契約をする事に決めてから約3週間で契約する事ができました。
それまでに準備した事は
・司法書士の先生に贈与契約書の作成を依頼する
・住民票の取得
・印鑑証明書の取得
これだけでした。
そしていよいよ贈与契約当日・・。
僕と司法書士の先生と持ち主のお爺さんの3人で喫茶店にて契約をするという何ともラフな感じでした。
僕は司法書士の先生と顔見知りでしたが、当然持ち主のお爺さんと会うのは初めてです。
僕『こんにちは!今日はよろしくお願い致します!』
爺『やぁこんにちは・・。』
文章で書くとなんかすごいテンション低いお爺さんみたいになっちゃいましたけど、ものすごく優しいオーラの方でした。
僕『少し雨降ってきましたね!』
爺『そうだねぇ・・』
くっ・・。中々会話が弾まないっ・・。
すごくあのお家は素敵だったんだと伝えたいっ・・!
僕『あのっ、ぼ、僕リフォーム屋さんでしてっ・・・』
司法書士『ではさっそく贈与契約を』
さっそくすぎるよ先生っっ!!
それから淡々と事は進んだ。
その間先生がずっとコーヒーと一緒に頼んだモーニングセットのパンをむしゃむしゃ食べていたのが何だか気になったがお世話になっている先生だ。
いっぱい食べてくれ。
あまり会話が弾む事なく契約も終えて、ちらっと家の事を話す。
僕『あのお家とても雰囲気良くて一目惚れしました。』
爺『子供の頃からずっとあの家に住んでいたから嬉しいよ・・・でもいよいよ面倒みるのもしんどくなってきてね・・あとはお願いします・・』
ああ・・・そうだよ・・。
空き家は確かに問題になっているかもしれないが、誰も好き好んで空き家にしているわけじゃないし、誰も放置したくて放置しているわけじゃないんだ・・。
少し罪悪感があったのかもしれない。
でもお爺さん、必ずやこのお家は”あって良かった”って皆に思われるような家に生まれ変わらせるよ!!!!
最後にお爺さんと先生のコーヒー代をご馳走して契約は終わった。
先生の分は払おうか迷ったが払った。
僕『お爺さん!!し、写真だけ一緒に撮っってくれませんか・・?』
爺『ああ・・いいよ』
この写真は記念になる。
僕が空き家問題へ挑戦する第一歩である!!!
次回、この家をどう活用するか考えていく。
今回のお話は音声メディアVoicyでも配信中。
よりリアルな感情を含んだ音声でも聴いてみてください。