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2.6(日記 授業参観でダディへの愛を語った長男のこと)

昨日の夜、
寝たのは日付を超えてからだった。

明日が来るよ、、、
と思いながら。
今日は、長男の小学校最後の授業参観の日でした。
もう前日どころか、一か月前(授業参観があるよ!と長男に言われた日から、、、)思い出すと気が重くなる行事でした。

何がって、人が。
人がたくさんいる。
それも親という苦手な分類に分けけられて。

そんなわけで、誰も悪くないのですが、
私は私の性分のためにとても今日が来るのを嫌がっていたのでした。

教室までの地図を昨日のうちに長男に描いてもらったものをカメラに納め、
(未だに長男が何組なのか、どこに教室があるのか、覚えていなません)
スリッパととりあえずノートだけは持っていこう、
とイヤホンを耳にねじ込んで出かけました。

私が到着した時には、
すでにお母さんとお父さんのひとごみが。
あー、あの中には入っていけないわ。
頭痛くなってくるし、
息が苦しくなってくるし。
と内側でぶつぶつ言いながら、
長男の教室の隣の特別教室の張り紙を読み込んでいました。
そこをすかさず見つけにくる長男。

12歳になったばかりの彼(2月3日というめでたい生まれ)は、
面白いくらいに幼い頃の魂のまろさを残して大きくなっています。

少しばかり固い部分もできたけれど、
それは皮膚が使っている部分が分厚くなっていくようなもので、
悪いようにはみえません。

今日の授業参観は、
『今まで直接伝えられなかったけれど、伝えたいこと』
をそれぞれ冊子を作り、
前に出て読み上げていくというものでした。
先生は
「是非中に入って、よく見てやってください!」
と呼び込んでいましたが、
私はそうっと廊下で見学しました。

母親への感謝を語る子、
おばあちゃんに日頃の我儘を謝る子、
だらしないところが嫌だけど尊敬しているところもたくさんある父親に、
私も頑張るからお父さんもだらしないのを直して!
と言った子、
友人のお陰で楽しかった日々を振り返る子もいました。

そんな中、
うちの長男はにこにこと前に進み出ると、
周りの親御さんたちに向かい
「僕のダディはとても面白いひとです」
と語り始め、
「その面白い話をひとつ」
と、
“絶対ジャンケンに勝てる方法”を話してくれた時のことを話しだしたのでした。
(狭い道をまず走って下さい。
そして対向車がやって来た時、道を譲ってください。
対向車の人は片手をパーの形で出すので、
そこですかさずチョキを出すのです!)
なんだかスタンドアップコメディアンみたいな語り口で
(これも私のイメージですが、、、)
ここまでの感動的な空気をふっと震わせて笑いを起こしたのでした。
それはとっても小さな笑いでしたが、
たくさんの大人を前に、堂々としたものだなと感心してしまいました。

そして、
一沸かしした教室で、
長男は
「僕は、こんなことを思いつくダディが大好きです。
ダディのように人を楽しませたり、
料理ができたり、
やさしく誰かの相談にのってあげられる人になりたいと思います」
と意外なくらいきちんとした文章を読み上げたのでした。
私的には、「重、、、」と思う愛情をしっかり語り切った長男は、
とても満足そうでした。

発表した子の中には、
長男のことを話してくれた子が二人いました。
仲良くなれると思っていなかったけれど、
今では毎日たくさん喋っていること。
中学にいっても仲良くしたいと言ってくれていて、
長男の人柄のやわらかさを思い知るような気がした。

私は小学生の時はめちゃくちゃ嫌な子供だったので、
ちっとも誰にもやさしくはなかったために、
誰も私にそんな風に言ってくれることはなかったな。
いや、言って欲しかったのではないのです。
ただ、そんなふうに、それも二人に言ってもらえるような彼の人柄に、
素直に尊敬の気持ちが湧いたのでした。

友達が大切だとか、
両親に感謝をとか。
こういう授業があったら、
きっと当たり障りのないことを一度書いて、
嫌になって、
本心でいいんだな!と乱暴に自分の気持ちを書きなぐり、
先生を困らせただろうなぁ。
よかった、私の時にこんな授業がなくて。
なんてことを考えながら、
ちゃんと最後まで発表を聞いて家に帰りました。

そして先ほど帰ってきた長男は、
いつもは階下で勝手にお菓子を食べて宿題をするのに、
今日は一番に私の部屋までやってきて
「どうだった?どうだった?」
とにこにこしながら聞いてきました。
本当に素直ないい子だなぁと思います。

自分の子供というのはこういうものなのでしょうか。
やわらかな、うすい黄色味がかった色を彼は内側に持っているように思います。
それはまだまだ未熟なのでしょうけれど、
人としてどう生きていくのかの芯はすでにきちんと立っているように感じます。
というか、長男はそれが生まれたときからきっちりあったひとです。
それがずれたり、汚れたり、潰れたりするだろうか、
と観てきましたが、今のところほとんどそのままにきています。

ひとはやわらかに大人になれるでしょうか。

できるのなら、
このやわらかな色味をいつまでも見ていられたらいいのに、
と思ってしまいます。

授業参観は正直大変ですが、
とりあえず今日のは行って良かったなと思う行事でした。

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