飯島章友

短歌と川柳を書いています。2010年、第25回短歌現代新人賞。2020年、川柳アンソロ…

飯島章友

短歌と川柳を書いています。2010年、第25回短歌現代新人賞。2020年、川柳アンソロジー『はじめまして現代川柳』に参加。第26回・第27回杉野十佐一賞準賞。2021年、第一句集『成長痛の月』刊行。お問合せはsenryusuplex(a)gmail.comまで。

最近の記事

一行だけで。

いま発売中の「BRUTUS」No.1008(6月1日号)で、「一行だけで。」という特集がされています。たった一行で勇気がわく短歌・詩・俳句・川柳・歌詞・名言が集められたものです。 同誌で私も、勇気がわく川柳&コメントを投稿いたしました。ぜひお手に取ってくださいね。

    • 「What’s」Vol.6 / 多行書きの修辞的意図と修辞的効果

      広瀬ちえみ編集発行の柳誌「What’s」Vol.6が発行されました。私は「多行書きの修辞的意図と修辞的効果」という文章を載せていただきました。どうもね、自分はかっこいいタイトルを決めるのが苦手で、今回もちょっと硬いですよね。それでも中身はとても読みやすくなっています。広瀬さんと何らかの方法でコンタクトをとり、お読みいただければ嬉しいです。 Vol.6の締め切りも近いころ。広瀬さんと相談して何か文章を載せようかということになりまして、一旦そうと決まったらどわーっと8ページ分書

      • 「川柳スパイラル」20号発行

        私がうけもつ連載記事「小遊星」のゲストは五行歌の水源純(みなもとじゅん)さんです。私は以前から、五行歌の方とお話がしたかったのですよ。これまで知り合いの作家さんたちにも「知り合いはいませんか」と声をかけてきたものです。今この記事を読まれているなかにも「そういえば飯島から五行歌の知り合いはいないか尋ねられたっけ」なんて方もいることでしょう。 今回は川柳スパイラル会員の小沢史さんから水源さんをご紹介いただいた次第です。小沢さん、ありがとうございました。 五行歌というのは文字通

        • 「川柳ねじまき」第10号―なかはられいこを読む―

          関係者各位に雲の名をつける  なかはられいこ この句好きでした! 「関係者各位」ときて「雲の名をつける」。その落差に思わず顔がほころんでしまったのです。このへんはコメディと同じですね。 コメディではよく緊張の緩和、あるいは緊張と緩和なんて言われます。 コントで例示すると、葬式のとき蚊が顔に止まって思わずペチッ! としたり、あるいは「今夜はごちそうだよ〜」と出てきたのがイワシの丸干しだったり、まぁそういうことです。この句もそう。形式張った「関係者各位」に「雲の名」をつけちゃ

        一行だけで。

          川柳雑誌「風」131号

          日本語が聞こえぬグローバルな街  飯島章友 新宿を掘ってもヒトが出るばかり 整然と立ちんぼ並ぶ歌舞伎町 立ちんぼが増える戦後へ戻るごと 歌舞伎町は西武線を利用するために歩くことが多い。何かと話題の東急歌舞伎町タワーの前もよく通る。そうすると夜のばあい、上掲のような場所を過ぎることとなる。『誹諧武玉川』の〈津浪の町の揃ふ命日〉のように、詩文芸には「記録」という側面もあるのではないか。今回はそこを意識しながら句を提出してみた。

          川柳雑誌「風」131号

          「かばん」2023年12月号Kindle版

          「かばん」12月号Kindle版が去年の12月27日より配信されています(¥500)。今号の特集は次のとおりです。 歌評の特集は面白いですよ。特に川柳の世界なんかは過去、歌評から〈読み〉の方法を導入した面が大きいと思うんです。だから他分野の方もすごく参考になると思います。 土井礼一郎さんの『義弟全史』特集には、私も寸評みたいなのを投稿しています。

          「かばん」2023年12月号Kindle版

          改めて湊圭伍を読む/飯島章友(チラ見せあり)

          「川柳木馬」の第178号(2023年12月号)が発行されました。 「川柳木馬」は四国、特に高知の方々が中心の季刊誌で、発行人は清水かおりさん、編集が山下和代さんです。木馬誌は昭和54(1979)年に設立されたので、もう40年以上の歴史があります。昔の木馬誌については「週刊川柳時評」の「川柳木馬の30年」あたりを参照なさってください。 さて、今号は木馬誌のライフワークたる「作家群像」の記事が掲載されています。これは柳人をクローズアップする特集で、取り上げる柳人のプロフィール

          改めて湊圭伍を読む/飯島章友(チラ見せあり)

          「川柳スパイラル」19号発行

          【川柳スパイラル19号・内容】 ・巻頭写真 入交佐妃 ・さよなら柊馬さん 小池正博 ・同人作品 Spiral Wave ・GAKKOの川柳な人たち 月湖 ・【石田柊馬の軌跡】  石田柊馬60句選  石田柊馬追悼 川柳スパイラル同人  石田柊馬の軌跡 小池正博 ・会員作品 Plastic Wave ・現代川柳あれこれ Biotope 小池正博 ・小遊星 連載第19回 飯島章友×雪上牡丹餅 ・かわうそ日記 第9回 川合大祐 ・妄読 ノススメ 兵頭全郎 ・大阪句会 ・句会案内・投句

          「川柳スパイラル」19号発行

          既存レジームからの脱却を/飯島章友

           ここにアップするのは、小池正博さんから〈2010年代の川柳〉として何か書いてください、とご依頼をうけてのものです。2013年のことですから、ちょうど10年前ですよね。  10年前はこういう現状認識だったのかとか、これは今の川柳界では実現されているなとか、ここは当時と全然変わっていないなとか、いろいろと考えながら読んでいただくと面白いのではないでしょうか。  読み返してみて、個人的に面白かったのは次の二点です。ひとつは、いまやファンが大勢いる人気柳人の八上桐子さんのことです。

          既存レジームからの脱却を/飯島章友

          月刊「うた新聞」2023年11月号(140号)

          いりの舎さんがサイトを更新されたのでご報告です。「うた新聞」11月号に飯島章友「失はれた三十年」5首を掲載していただきました。ストロングスタイルの社会詠です。 月刊「うた新聞」

          月刊「うた新聞」2023年11月号(140号)

          東京都世田谷区岡本にある富士見坂です。ものすごい急勾配。写真を撮っているときに足をもっていかれそうになりました。あぶねえ。でも写真だといまいち坂の凄さが伝わらないかも。ちなみに私は段差愛好家。

          東京都世田谷区岡本にある富士見坂です。ものすごい急勾配。写真を撮っているときに足をもっていかれそうになりました。あぶねえ。でも写真だといまいち坂の凄さが伝わらないかも。ちなみに私は段差愛好家。

          『水脈』第64号――『成長痛の月』の読み合い

          いささか遅い情報ですが柳誌『水脈』8月号(第64号)が発行されています。同誌は、北海道を拠点にする「川柳グループ水脈」の季刊誌です。 今号の水脈誌は、私にとってとても嬉しい記事があります。それと言うのも、「気ままにらんはんしゃ〜水で割って『成長痛の月』〜」という記事が掲載されているからです。内容としては、私の句集の読みを、西山奈津実さん・四ツ屋いずみさん・河野潤々さんが、なんと! 13ページにわたって鼎談してくださっています(四ツ屋いずみさんは都合により途中まで)。一冊の

          『水脈』第64号――『成長痛の月』の読み合い

          投稿連作川柳アンソロジー 『川柳EXPO』

          ご存じの方も多いと思いますが、『川柳EXPO』(編著 まつりぺきん)が発売されました。句評担当は柳人・連句人の小池正博さんです。 同書のこれまでの経緯など、詳しくは編著者・まつりぺきんさんのnote「投稿連作川柳アンソロジー誌『川柳EXPO』のお知らせ」、「投稿連作川柳アンソロジー『川柳EXPO』今後の予定」、Amazonをご覧ください。 一読して思ったのは、まつりぺきんさんの呼びかけに様々な年齢、柳歴、書き方の柳人たちが集ったので、とても多様性にあふれているんです。ある

          投稿連作川柳アンソロジー 『川柳EXPO』

          酒豪讃歌

           八月二十四日が何の日かご存じでしょうか? 若山牧水の誕生日にちなんだ記念日です。じゃあ白鳥の日かい? なんて歌人なら言うでしょうか。でも、白鳥ならむしろ志村けんのほうが相応しくないですか。志村けんと言えば東村山音頭。その一丁目編では、身体の中央に白鳥の首をしつらえたバレエ衣装を着て、視聴者の度肝をぬき、娯楽番組の歴史を変えたのです。  ――話が脱線しました。八月二十四日というのは、現在〈愛酒の日〉とされています。なぜ牧水の誕生日なのか。それは、牧水が無類の酒好きとして知られ

          時代の雰囲気を感じさせる短詩作品──かばん7月号をきっかけに

          今日、8月9日は「かばんの日」だそうです。89(バッグ)の語呂合わせから来ているとか。 かばんと言えば、2023年7月号の歌誌「かばん」には、今年4月に他界された山下一路さんの追悼ページがあります。山下さんは「川柳スープレックス」にも「部活で抱かれる」という川柳作品を書いてくださいました。 部活で抱かれる 追悼ページには私も「山下さんの社会詠」という文章を寄稿し、そこで以下の歌を引用しました。 この星に投身をする少女のように海底へ降りてゆくレジ袋  山下一路 プラス

          時代の雰囲気を感じさせる短詩作品──かばん7月号をきっかけに

          座談会「現代川柳のこれから」資料(2022年8月6日 於・北とぴあ)

          飯島章友選 【湊圭伍の5句】 法廷では全てが詩語であるように 教科書の表紙の光沢はぬかるみ もうデマと妻の区別がつきません 何となく明るいほうへハンドルを 靴音から遙かに閉じゆくみずうみ   ――すべて『そら耳のつづきを』(書肆侃侃房より) ・ 時事川柳にみられがちな揶揄や冷笑ではなく、時に戯画的に、時に詩的抽象性を駆使して現代社会を表現しています。それもあって句意が一方通行にならず、或る層や党派にとって胸がすくだけの川柳にはなっていません。或る党派の危うさとは、それと

          座談会「現代川柳のこれから」資料(2022年8月6日 於・北とぴあ)