「そこには司さんもわたしもいないのだけど、しだれ桜を植えたのであった」
「ちょっとー! やめてよー!」
という松崎司さんの声を聴きながら、しだれ桜オーナーになったのであった。
個人オーナー七万円です。
「引っ越しでお金かかってるのに、よしなさいよー」
「うるさい。勝手に植えるのだ」
と、昨年オーナーになり、今年無事植樹されました。
順調にいくと来月咲くそうなので、もちろん今年じゃなくても桜を見にきてください。
ここは、司さんと歩いて司さんが、
「飽きたわ」
といったしだれ桜通り。世界一を目指して延長中のプロジェクトがあり、前々からしだれ桜オーナーになりたいと思っていたので。
司さんと歩いたし、わたしずっと司さんと喋ってるし、飽きたっていってたし、大変嫌がるだろうけれど勝手に植えようと植えたわけです。
こういうことはたぶんすっごく嫌がる人です。
いいのわたしの勝手なの。自己満足以外のなにものでもないの。
気持ちの落としどころがないので、身勝手をいたしました。
この延長線上ではなく、しだれ桜プロジェクトが目指しているゴール近くにわたしがオーナーになった木はあります。
司さんは、震災後「おいしいもの食べたい」と福島県に何度かきてくれました。あんまり大きな声でそういうこというひとじゃないけど、震災復興や風評被害に心を向けてくれてた。
なので、あわよくばこの木を見るついでにみなさまにも福島県を旅してほしいと思ったわたしなのですが。
わたしオーナーの木が駅からとっても遠いのであった。とても歩いてはたどり着けないと思う。それは選べないので申し訳ない。もし気が向いたらタクシーや自家用車で是非。
近くには日帰り温泉があって、春には美しい菜の花が咲く散歩道もあります。
日中線しだれ桜プロジェクトでは、世界一のしだれ桜通りを目指してオーナーを募集しています。
いつだったか一人でふらふら桜を見ていて、ドローン空撮で桜のルートを探しているこのNPOの人とたまたま立ち話をしました。
「日中線上にしだれ桜を植えるんです」
お話しを聞いてわたしは、
「え、無理ですよ。だって途中で中断して、線路上に家が建ったりしちゃってるから」
そんなことをいってしまった。すみませんあのときは本気だとは思わなかったんです。
悲しそうな顔をさせてしまった。
というご縁で、いつか植えようとは思っていたのでした。
どのくらいかかるかわからないけれど、廃線になった鉄道日中線の終着駅熱塩駅まで、少し途切れ途切れだけどしだれ桜は植えられるのでしょう。
そのときわたしの木も、きっと大きくなってたくさんの花を咲かせていることでしょう。
そのときわたしたちが生きてたら、
「こんなに時間が経ったんだね」
って、木を見てきっといえると思って。
それで木を植えました。
よかったらその木に、会いにきてやってください。
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