操船訓練日誌vol.8
今回は、三浦海岸駅からほど近い海沿いのマリーナ『JET SHOP ROYAKOH』にて、3時間みっちりジェットスキーに乗ってきた。三浦半島はどこか遠いイメージがあったが、実際に出掛けてみると意外と近く、住んでいる大田区からは、バイクで約1時間ちょっとで行けてしまう距離にあった。嬉しい誤算である。おそろしや、毎週来れてしまう。
到着するとすぐ、感じのいいスタッフのお兄さんが出迎えてくれる。「午前中は雨だったので、午後からの予約にして正解でしたね!今日の海、最高のコンディションです。思う存分楽しんでください。」よく日に焼けたナイスガイで、いかにも海の男って感じだ。
前回、千葉県の「房総マリーナ」でライディングスクールを受けているため、今回は準備が出来次第、すぐにレンタルを開始することができた。マリーナのガレージに停めてあるジェットを、浜辺まで車で牽引してもらう。今回使用するのは、ヤマハの『FX HO』という艇だ。
芝浦での教習時も、房総マリーナでのライディングスクール時も、桟橋から乗り降りするスタイルだったが、ここのマリーナでは、浜辺から乗り降りするスタイルをとっている。学科でも習った内容だが、浜辺から乗る場合は、腰が浸かるくらいの深さまでジェットを海に押す必要がある。浅瀬でエンジンを掛けると、砂を吸い込んでしまう恐れがあるからだ。水面に浮いているので、重たいジェットでも、手で容易に引っ張ることができた。
そして、いよいよエンジンを始動。小気味いい鼓動が聞こえ始める。しっかりと冷却水点検孔から水が流れていることを確認し、前後左右の安全を確認後、いざ出発進行。
ここのローカルルールとして、浜辺から300M先に見えるオレンジ色のブイまでは『徐行(他船との衝突を避けるための適切かつ有効な動作がとれる、またその時の状況に適した距離で停止できる安全な速力)』が必要だ。
というのも、この豊かな三浦海岸では、ジェット以外にもたくさんのマリンスポーツが盛んなのだ。さっきから、SUP(サップ)を楽しむ人たちが見える。彼らにジェットの引き波で迷惑を掛けぬよう、細心の注意を払う。
ブイまで徐行を続け、十分に通り過ぎてから一気に加速する。免許を取得してからこれまでの間、幅の狭い河川でしか乗ったことがなかったが、海の開放感がこれほどまでとは。
見渡す限りの大海原。
遮るものは、何も無い。
控えめに言っても、最高の気分だ。
もうすでにバイクを超えてしまった。
さっきから感動で心拍数が高い。
今すぐ海に飛び込みたい。
やっぱりちょっと怖い。
沖まで出ると、ウィンドサーフィンの団体に遭遇する。全部で10隻はあるだろうか。見た目にも賑やかで楽しい。みんなそれぞれ乗っている船やヨットは異なれど、こんな時は、同じ海を愛する仲間として、勝手な親近感を持ってしまう。
というか、広い海にひとりで浮かんでいると、どうやら少し人恋しくなるのだろう。そんな哀愁混じりに、「俺たち、同じ海仲間だよな?」ってな感じで、軽く会釈してご挨拶すると、みんな笑顔で反応してくれる。
車から手を振っても誰も振り返してくれないが、なぜか船から手を振ると皆振り返してくれる。
これこそ、船の持つ魔法のひとつだろう。
30km/hくらいでしばらく走り、操船にもだいぶ慣れてきたところで、試しにトリムをトップまで上げ、スロットルを強く握り、アクセル全開。一気に90km/まで加速し、水上を高速で滑走する。
なんだ、、、この速さは。
万が一ハンドルを離してしまったら、すぐに空高く吹っ飛んでしまうだろう。水上は陸上に比べて、体感速度が2倍とも、3倍とも言われているが、まさに言い得て妙だ。これだけ速い乗り物には、未だかつて乗ったことが無い。さすが1800ccのジェットエンジン、恐るべし。陸上ならゆうに2、300km/hは出る代物だ。
右ハンドルに目を向けると「オートクルーズ機能」なるものが見える。ジェットのスロットルレバーは、人差し指と中指で引いたり離したりして調整するのだが、長時間その動作を繰り返していると、疲労が溜まり、腱鞘炎に近い状態になってしまうことがある。
このオートクルーズ機能は、指定したスピードを維持しながら走ることができ、なおかつレバーを握りしめたまま運転ができるため、長距離のクルージングにはもってこいなのだ。そんな便利な機能も色々試しつつ、あっという間にレンタルの3時間が終了。まったく休憩を挟まず乗り続けていたのだから、我ながら海遊びの時の集中力と体力には感心せざるを得ない。
JET SHOP ROYAKOHさん、終始笑顔で丁寧にご対応いただきありがとうございました。スタッフの方曰く、今月末に新艇が入ってくるとのことで、そちらも大変楽しみです。東京からすぐに来れてしまうマリーナなので、これからも沢山お世話になると思います。
帰りは相棒のSRと仲良く帰宅。
もう夏の気配がしているね。
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