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美味養生。美味しく食べて健康になる。株式会社雲仙きのこ本舗、楠田好美さん

長崎県南島原市に本社をおき、福岡にも直営店『雲か山か』を構える
株式会社雲仙きのこ本舗、楠田好美さんにお話しをうかがいました。

プロフィール
出身地:長崎県南島原市
活動地域:福岡、長崎
経歴:大学卒業後、農協の仕事を経て実家の株式会社雲仙きのこ本舗に就職
現在の職業および活動:株式会社雲仙きのこ本舗 通信販売企画
雲か山か 店舗マネージャー
座右の銘:「吾唯足知」「我以外皆我師」

体によくて、おいしい食品づくりを。

Q.今後はどのような夢やビジョンをお持ちですか?

楠田さん(以下楠田、敬称略):やはり「美味養生~体によくて、おいしい食品づくり~」はずっと伝えていきたいし、これから先も揺るがないものですね。食品メーカーとして、毎日食べても害のないもの、安心して子供達に食べさせられるものを作る使命があると思っています。

キノコは菌類なので栽培に農薬が必要ありませんから、キノコの加工食品の製造をスタートした当時から、そもそも添加物を使う概念は全くありませんでした。最近はオーガニックキノコの栽培も積極的に行っているので、オーガニックの加工食品も開発していきたいですね。

何かあったら病院という対処療法ではなく、病気の根源は免疫力の低下なので、普段の食生活で免疫力を高め、病気にならない体を作ることに焦点を当てていく必要があると思っています。
キノコにはその免疫力を高める効能がたくさん含まれているので、そのことを広く伝えていきたいです。

記者:美味しいものを食べて健康になれるなら、それが一番ですよね。

Q.この先、どのような目標、計画を立てていますか?

楠田:当社のロングセラー商品であるキノコを使用した即席麺「養々麺」は、20年ほど前、現社長が地元島原の製麺業者の方から「素麺は夏しか消費されなくて困っている」という相談を受けたことをきっかけに誕生しました

当時は今とは違って、即席タイプのにゅう麺は弊社以外にはありませんでした。今も変わらず、素材と製法、そして無添加と低カロリーにこだわり、手間暇をかけて作っています。なので、病気を患っているお客様などから「これなら食べられる」と言うお声を聞くことが一番嬉しく、「知らなかった、もっと早くに知りたかった」という声を多く聞くにつれて、次第に「知らない人に情報を届ける事は大切」だと感じ、考えが変わりました。

今では、全国のできるだけ多くの方に認知してもらいたいと思っています。
また、きのこ祭での食育と地域の方々との交流をより一層深めていきたいです。

記者:私も養々麺を食べたときは手軽さと美味しさに感動しました。こだわりがしっかり味にも出ていますね。

Q.日々の活動で心掛けていることは何ですか?

楠田:どんな時でも「謙虚」「感謝」を大切にしています。
弊社は祖父が創業したのですが、当時の社員さんは5名程度だったと聞いています。今では200名以上になり、その一人一人がきっと様々な事情や会社への不満を抱えながらも働きに来てくださっているのだろうなと思うと自然と感謝の思いが芽生えてきます。

人間関係の構築にストレスは付き物ですが、苦手なタイプの人がいても、最終的にはその人から学べることが必ずあるので、「この人は私に何かを教えてくれるために現れてくれたのだ」と思うようにもしています。

あとは、バランス感覚が大切だと思っています。
自分の心と体を天秤に捉えて、体や思考が偏っていないか、バランスを見るようにしています。
例えば、性格でも真面目過ぎても、不真面目過ぎてもいけない。
「偏り」は自分が気づかないうちに心身が苦しくなっていきますから。


記者:なるほど。偏ることで謙虚さを失うこともありますからね。

Q.そもそも、夢を持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

楠田:もともと、「きのこ屋の娘」ということにコンプレックスがありました。子供の頃、「きの子」とからかわれたことがきっかけで、小学生から社会に出るまで隠し通していました。
実家の家業とは一切離れたかったので、大学は福岡に出て、福岡で就職先を見つけていましたが、親が強引に地元農協の面接日を決め、泣く泣く農協に就職しました。3年間、窓口業務を行い、毎日「いらっしゃいませ、ありがとうございました。」の繰り返しで、唯一、店頭ディスプレイを考えることが楽しみでした。

福岡での転職を考えていたある日、母から「通販をはじめたいから会社に入らないか?」と相談があり、断り続けていましたが、最終的に「(跡継ぎである)弟のお嫁さんが会社に入ってきた時、自分の会社のことを何一つ分からなかったら、姉のあなたの立場はないのよ。」と言われた時に「これはやばい!」と気づいたんです。その瞬間、納得して「会社に入ろう!」と思いました。

長い間、私にとって、キノコは当たり前の食材であり、特別なものではなかったので特に魅力を感じていませんでしたが、仕事をしていくなかで、周囲からキノコの効能を聞くことが多くなり、私も効能に興味を持つようになってキノコマイスターの資格を取得しました。
キノコの持つ可能性と魅力を発見すると仕事がどんどん楽しくなってきましたね。

記者:嫌いだったものが好きになるって、すごい変化ですね!

Q.感謝を大切にすることや、バランスを大切にされる背景には何があったのですか?

楠田:感謝を大切にすることに関しては、私の両親が道徳教育にとても熱心だったからです。
道徳が備わっていない状態で社会に出て、企業がそこから人を指導していくのは非常に大変です。
最近は様々な理由から、間違っていることを大人がきちんと注意しづらい時代です。だからと言って、「そういう時代だから」と一言で済ませていいのかと疑問に思います。
今の風潮を作った原因が上の世代にあるのなら、次世代のために、まずは自分から変えていかないといけないと思っています。
バランスの大切さに関しては、人間観察で学びました。
成功している時に天狗になって足を救われてしまったり、人からは「裸の王様」に見られていたり。昔から身の回りでの様々な人間模様を観察してきたことでバランスを整えて生きることの重要性に気づきました。

記者:道徳は基本である、ということですね。基本無くしてうまくいくことはやはり無いのですね。

Q.最後に読者の方にメッセージをお願いします。

楠田:私も最初は「キノコってこんなもの、きのこ屋ってこんなもの」と思っていたけど、違った視線で見てみると別の世界が広がっていました。
私自身、苦しい時や自暴自棄になることもありましたが、そういう時は視野が狭くなっていている状態だったと思います。
観えている世界は決して「今」の「ここ」だけではないし、楽しいことはまだまだ沢山溢れています。
「今」を全てとは思わず、視野を広げて過ごしてもらいたいです。

記者:実体験に基づくからこそ力強さがありますね。本日は貴重なお話をありがとうございました!

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楠田好美さんの活動、連絡については、こちらから

Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100018721752665

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編集後記
記者を担当した荒牧(写真右)、岩淵(写真中央左)、小野(写真左)です。
養々麺だけでなく、きのこ本舗さんの商品は体に優しい味がして、つくり手の側の気持ちが本当に伝わってきます。今回楠田さんのお話をお聞きしてお人柄が分かり、まさに味が伝えてくれるものそのものだと感じました。
これから益々のご活躍とご健勝をお祈りいたします。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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