自分が生きたい様に生きる・やりたい事をやる/MixBar YONABE、IPPON食堂オーナー 松本昌也さん

 生まれたときは女性の身体だったが、現在は性別適合手術を終えて戸籍上も男性として生きる性同一性障害当事者である松本昌也さん。
元柔道日本代表。22歳から中洲でバーの店長を務められ、仲間の間では知らない人はいないカリスマ的存在。現在は飲食店2店舗を経営され、性同一性障害者の治療サポートを行っている、そんな松本さんにお話を伺いました。

松本さんプロフィール
出身地:鹿児島県
活動地域:福岡
経歴:1997年/三井住友海上に就職。その後なべ夜間店長を5年、代表を5年
2016年/MixBarYONABEをオープン
2018年/IPPON食堂をオープン
現在の職業および活動:飲食店オーナー(IPPON食堂 MixBar YONABE)/株式会社G-pit net works 九州支部(性同一性障害コンサルティング業務)
趣味:柔道・スポーツ
座右の銘:なせば成る。なさねば成らぬ何事も。

「誰もが自分らしく、やりたい事をやれる空間を提供したい」

記者 IPPON食堂、MixBar YONABEのオーナー、G-pit net works 九州支部等、多岐にわたり活躍されている松本さんですが、松本さんが一番大切にされていることは何ですか?

松本昌也さん(以下、松本) 「やりたい事をやる」ことですね。

計画的に何かを進めるというよりは、その時にやりたいと思った事をやる。IPPON食堂も、はじめはやる予定は全然なくて。

昔奥さんがこっぺぱん屋さんをやりたいといって、店舗を探していた時があったんです。その時はいい店舗がなかったんですけど、それから3年くらいしてお店から電話がかかってきて、今の店舗を紹介されたんですよ。

丁度その時期に、友達から溶岩焼きのお店のフランチャイズの話を聞きにいかないかと誘われて。やるつもりはなかったけど、聞きに行ったんです。
話を聞いているうちに、フランチャイズじゃなくても、自分たちでもできるんじゃないかと思って。
後日、フランチャイズじゃなくてもできないか、相談しに行ったんです。そしたら、自分達でもできるように進んでいって…。実は、お店の内装も知り合いに聞いたりユーチューブでみて自分達でやったんです。

計画を立てて進んだっていうより、その時やりたいと思った事をやっていって今がある感じです。

絶対に後悔するような人生はしたくないと思っています。

記者 これが一番後悔したという経験は何ですか?

昔、柔道をやっていたことがあって、日本代表にも選ばれたことがあったんですね。だけど、ちょうどその頃、有名で強い選手がいて。この人にはかなわないと思って、やめてしまいました。

もし、柔道を続けていたら、今とは全く違う人生だったと思います。
その経験もあって、「やりたい事をやろう」ということを大切にし始めました。

記者 「どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?」

今だからこそLGBTという言葉も浸透しカミングアウトできる環境に変わってきていますが、自分たちの時代は本当に情報がなくて、自分らしく生きることなんて全然できなかったんです。地方だから同じ境遇の人と出会うこともなく、自分が何なのか分からないから当然ですよね。

九州に戻るときに福岡で自分達みたいな人が働いているお店がないか、適当に中洲のお店に電話して聞いたのが、以前働いていた「なべ夜間」だったんです。ここでの出会いが変化のきっかけでしたね。
ずっと隠して生きてきた自分自身を、お店ではオープンにして働くことができたし、たくさんの仲間たちとも共感することができました。
21歳で入店して、22歳には店長になってたし、本当に人生変わりましたね。

記者 たしかに、同じ境遇の仲間との出会いって大きいですよね。そのお店のスタッフさんは松本さんみたいなFTM(身体は女性として生まれ、性自任が男性の人)ばかりなんですか?

松本 いえ、色々な人がいました。FTMもいれば逆もいますし、男性や女性も働いてました。自分はFTMばかりで集まるのとかあんまり好きじゃないんですよ。
FTMにだって色々な考え方や生き方があるし、同じような人ばかり集まってしまうと考えが固定しちゃうから、色々な人と出会う方がいいと思うんです。

記者 なるほど。しかし、1年で店長になるってすごいですね!すごく頑張られたんですか!?

松本 いえ、これもいつの間にかでした(笑)
一同 (笑)

記者 「どんな美しい時代を作っていきたいですか?」

松本 自分がなべ夜間での出会いや経験を通して、自分らしく生きる、やりたい事をやれるようになったように、自分と同じような境遇で悩んでいる人たちに向けて、自分らしく生きる、やりたい事をやれるような空間を提供していきたいです。

記者 「AIが活躍する時代に求められるニーズとは何だと思いますか?」

松本 難しい質問ですね~。コールセンターや接客もAIが導入されていくんですよね?

記者 そうですね。既に導入しているところもありますが、今後どんどん増えていくと言われています。でも、感情がない分超優秀な仕事をしそうですよね。どれだけ営業断られても感情がぶれないんですから。

松本 たしかにそうですよね!でも、それはなんか悲しいな~。機械的なことはAIがやればいいと思うけど、人間らしい情とか、〇〇さんだから…みたいな部分は、AIが活躍しても必要なものとして残っていけばいいなと思います。

記者 つながりを大切にされる松本さんらしい意見ですね。AIにはできない、人間らしく、自分らしく誰もが生きられる時代を一緒に創っていきたいです。

本日は本当にありがとうございました!

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松本さんの詳細情報はこちら↓

ブログ:https://ameblo.jp/masayasam107/

【編集後記】

今回インタビューの記者を担当した荒牧&池田です。
松本さんの「やりたいことをやる!」という姿勢、行動力はとても刺激を受けました。
そしていつの間にかそういう環境を手に入れられているのは、松本さん自身が人の縁をとても大切にされているからこそ、自然と周囲が応援してくれているのだ思います。
今後の更なるご活躍を心から応援しています。
貴重なお話、ありがとうございました!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

「1日でも1秒でも早く日本のロックダウンを要求する1000万人の署名を求めます!!」に賛同いただきました。


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