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保険会社の資産運用セミナーに参加してみました

先日、ネットを見ていたら某大手保険会社の保険を活用した資産運用セミナーの案内があったので参加してみました。
新型コロナでオーソドックスになっている、zoomを使ったウェブセミナーでした。

保険会社の中でかなり優秀な人らしい肩書の人がセミナーの講師でした。
内容については以下のとおりでした。

① 保険に加入して保険料控除を活用
② 変額保険を活用した資産運用
③ 保険料が戻ってくる医療保険 など

感 想

③の途中まで聞いていたのですが、あまりにも聞くに堪えなくて途中で退席してしまいました。
セミナー講師の肩書は、「2021年度MDRT成績資格終身会員(Court of the Table)」と書いていましたので、HPをみると、かなりの手数料や販売料の販売成績がないと加入できない肩書でした。

正直いって、顧客のことを考えていないセールスマンという印象しかありません。MDRTの倫理綱領にのっとって仕事をしているのか甚だ疑問です。

① 保険に加入して生命保険料控除を活用


「保険に加入することで、保険料控除により税金が安くなります!」
「毎年、税金が安くなるので得ですよ!」


年末調整や確定申告の際に、保険会社から送付されてきたハガキを所定の様式に記入するアレです。
最大4万円(旧制度:5万円)が所得から控除されます。
勘違いしている人がいますが、4万円所得税が安くなるのではなくて、所得税を計算する所得額から控除されます。

②変額保険を活用した資産運用

「変額保険に加入して資産を増やしています」
「保険に入りながら資産を増やすことができます」

変額保険とは運用実績に基づいて死亡・高度障害保険金や解約返戻金が変動する保険です。
運用実績によっては大きな保障を期待できますが、一方で株価や金利・為替などの変動により損失が生じるおそれがあります。
(ソニー生命HPより)

保険をつかった資産運用の説明をしてきました。
保険会社の資産運用セミナーなので、あたりまえですね。
そのセールスマンが紹介した保険はこんなイメージです。

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保険期間がある有期型の保険ですので、保険期間が終わったら、
満期保険金額を受け取るか、下取りにだして、終身保険に契約するかの2種類の選択になります。
しかも、最低保証額はないので、保険期間終了時に積立金額より上回るか、下回るかわからないのです。
上の図で保険期間だけで見ると、
定期保険+積立投資=この保険 になっていることがわかると思います。

そして、この保険のパンフレットを見ると、手数料や10年未満で解約した場合のペナルティがいっぱいあります。
この手数料やリスクについては一切説明はありませんでした。
興味がある人には、個別相談を受け付けると言っていましたのでその際に説明するのでしょう。

この変額保険と(定期保険+積立投資)を比較

この変額保険は、単純に定期保険+積立投資ですので、
この保険と、定期保険+積立投資(つみたてNISA)を比較してみます。
この保険のHPに契約例が記載されていましたのでこの保険の条件に基づいて試算をしてみます。

①変額保険

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②定期保険+積立投資
【条件】
(定期保険)男性30歳、保険期間・払込期間:65歳(35年)
      保険金額:1000万円、保険料:2,146円/月(オリックス生命)
(積立投資)積立期間35年(非課税で計算)
      投資金額:上記支払額と合わせるため、16,984円
           (19,130円-2,146円)

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比較してみましたが、すべての年数においても変額保険を上回る結果がでました。
これであれば、わざわざ変額保険に加入する必要はないですよね。
しかも、この変額保険の運用実績を得るには、8種類ある投資商品(特別勘定)から契約者が選択する必要があります。
この投資商品は、つみたてNISAで選択できる商品がほとんどでした。

まとめ

保険料控除は国が認めている所得控除ですので、活用しない手はないですが、控除をもらうために必要のない保険に加入する必要はありません。
そして、保険は万が一の場合に備えるために加入するものです。
お金を増やすには、別の方法があります。わざわざ保険を使うことはありません。
日本人は保険信仰が強いので、保険会社もこのような商品を販売しているのです。
過去に貯蓄性保険について書いているので是非参考にしてください。


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