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40年間半導体製造プロセスに関するエンジニアを経験し、生産改善及び製造のデータ活用を推…

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40年間半導体製造プロセスに関するエンジニアを経験し、生産改善及び製造のデータ活用を推進した経験が有ります。一方、料理が趣味で、古墳時代が好きで、絵画、地球科学や野菜つくりに興味を持っておりまして、これらの情報を発信させていただきます。何分素人なので、お手柔らかにお願いします。

最近の記事

太陽活動の影響 電波障害と温暖化

太陽活動周期 太陽活動の活発な時期を迎え、巨大フレアが多発したことから、24年5月10日、マスコミを中心に情報が発信され、世界各地で通常はオーロラが見られない地域でも、その観測が報告されました。専門で無い私も、心が騒がさせられてしまいました。  さて、それでは何故突然この様な状況になったのでしょうか? ちょっとおさらいして見ましょう。太陽の活動現象は、太陽の磁場と深く関係しており、その活動度はおよそ11年の周期で活発な時期と静かな時期を繰り返します。その目安である黒点の出現

    • 自力修繕DIY ドア丁番と雨戸鍵

       木造住宅を新築購入しても、25年以上の月日が経過していきますと、所々にガタが生じてきます。そんな中、建具のメーカーも既に廃業もしくは衣替えされている所が出てきています。家の中でも、稼働率の高い、キッチンのレンジ台、レンジフード、給湯器あたりが、まず、壊れてきますが、これらをDIYで自ら修理、交換するには無理があります。やはり、安い交換屋さんを探し、数年前に更新しました。 JUKEN ドア丁番交換  その次に壊れてきたのが、可動部であるドアの丁番と雨戸の鍵でした。我が家のド

      • ボランティア ことはじめ

         地域の街頭緑化推進のボランティア団体に参加して、2ケ月が経過していますが、まだまだ、活動のイロハを教えていただいている状態です。健康面からは、まだまだ、働ける状態なのですが、定年後には、責任を持った職務への就業は避けたいという思いと、会社生活終了後に、それまで顧みてこなかった社会への貢献を行いたいという考えから、ボランティアの道を選んだ次第です。ボランティアチームの構成は、十数人でありますが、殆どが75歳以上の方々で、十数年前のチーム発足から所属している方が殆どの中に、60

        • 群馬の埴輪

           ネットニュースで、『挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」』を見つけ、24年のゴールデンウィーク前に慌てて、東京国立博物館に久しぶり(多分20年振りくらい)に行ってしまいました。しかしながら、対象の展示会は、10月16日からの開催ということで、ちょっとがっかりでしたが、埴輪展示を拝見して参りました。  本来見たかった「埴輪 挂甲の武人」は、文化財名「埴輪武装男子立像」と称され、私の子供心を当時揺るがした、大映の「大魔神」のモチーフになった埴輪です。 群馬

        太陽活動の影響 電波障害と温暖化

          半導体製造現場の品質管理

          はじめに ここでは、高度にIoT化された半導体デバイス製造における品質管理の状況を説明させていただき、そのエッセンスをご理解していただいたうえで、他の製造業に係る方々の現場でも、品質管理に活かせることは無いか期待しています。品質管理でも、まずは見えるかですが、生産装置からのオンラインデータ取得が必要でありますが、そのデータの利用方法を述べさせて頂いております。 前提  半導体デバイスの製造はウェハを準備し、そのウェハを多数の工程で順次処理することで進行します。一般に、半

          半導体製造現場の品質管理

          製造業のIOT技術の勧め

          0. はじめに 半導体製造で培われてきたIOTシステムを参考に、製造業へのIOT技術導入の参考にして頂ければと言うことで、事前に検討すべき内容から導入ステップまでをまとめてみました。 1.事前検討1.1 IoT技術のバックグラウンド  IoT技術の進化により、十分なCPU処理スピードおよび機器間での高速通信が安価に実現可能となったことから、大容量のデータ取得とその利用が、産業全般へ大きな波となって押し寄せています。まず、大手IT巨人がクラウドサービスを整備し、世界各所に巨

          製造業のIOT技術の勧め

          映画『オッペンハイマー』感想+科学的背景まとめ

          はじめに  映画では、時代の行き来がカットで行ったり来たりで、量子物理学、アメリカに於ける核兵器開発の歴史、オッペンハイマーの生涯、反共産主義否定の歴史が分からないと、ついていけない様な感じを強く受けました。この辺を、正確に説明してくれているのが、下記の投稿にありますので、同じ思いをお持ちの方は、ご参照ください。  因みに、私にとって解り辛さを助長していたのが、モノクロ場面で、私の概念では、古い場面の方がモノクロ画像として、現代をカラーにするのが、常識でしたが、今回のこの映

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          映画『オッペンハイマー』感想+科学的背景まとめ

          半導体製造を支えるIOTシステムとは?

          0. はじめに 半導体製造では、30年以上前よりIOT技術が導入され、データを活用した先駆的な生産方法を構築してきた。この様な半導体デバイス生産に於けるIoTシステムをご紹介することにより、半導体生産の理解を深めて頂きたいと思います。それと同時に、製造業へのIOT技術の利用促進に繋がればと考えております。 1. 生産装置のオンラインシステム 半導体製造ラインに設置されている生産装置は、現在では、ほとんどイントラネットに接続され、装置状態、作業条件、プロセス開始、終了、処理時

          半導体製造を支えるIOTシステムとは?

          『ゴジラ-1.0』遅まきながら鑑賞感想

           『ゴジラ-1.0』が、2024年3月に第96回アカデミー賞の「視覚効果賞」を受賞しましたね。これは、日本映画として初めての受賞の快挙であることから、注目を集めました。視覚効果は、監督の山崎貴氏が所属する映像制作プロダクションの『白組』がVFXを手がけた様です。『ゴジラ-1.0』は、戦後間もない焦土と化した日本にゴジラが現れる物語で、国内興行収入は60億円を超えて、今でも増えて行っています。全米でも話題を集め、日本の実写映画の歴代興収で1位に輝きました。山崎貴監督は、日本にお

          『ゴジラ-1.0』遅まきながら鑑賞感想

          会社生活というコト ー不適切な昭和時代から令和までー

          はじめに 今年、サラリーマンは卒業させていただきましたが、40年に渡って会社組織に属して、給料を頂戴してきた経験から、仕事に対するスタンス、心掛けていたことを書かせて戴きます。現在現役の皆様に、少しでも参考になればと期待しています。 不適切な昭和時代 新入社員の時代は、昭和の真っただ中でしたので、正に不適切にものの時代でした。不適切の端的な例から述べさせていただきますと、現在と比べると喫煙者の割合が非常に多く、業務机に灰皿が置かれており、喫煙者の方々は、業務中にスパスパと

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          製造現場での生産装置の生産性向上活動の進め方 ー稼働時間とスループットの改善ー

          0.はじめに 装置産業である半導体製造では、生産装置のスループットがコストを半分を決定している。生産装置の生産性向上のための切り口は、実際に製品を作業するための稼働時間を増やすことと、稼働時間当たりの製品処理スピードをアップすることの2点であると考えられます。まずは、稼働時間の向上のための進め方を述べさせていただきます。ここで改めて申し上げますが、生産ラインで改善活動を進めるべき装置は、生産のボトルネックである装置であり、活動の展開以前にボトルネックを見出すことは必須となり

          製造現場での生産装置の生産性向上活動の進め方 ー稼働時間とスループットの改善ー

          TPSでは生き残れなかった日本半導体製造現場

           1980年代に隆盛した日本半導体製造は、その直後に吹っ掛けられた日米半導体戦争に屈して、強制的な売価制限と米国製品の購入義務により、競争力が大きく弱められ、加えて、1990年代のバブル崩壊後の経済状況と相まって、日本の半導体産業は壊滅的な打撃を受けました。この状況で体力を奪われたことから、大きな投資を必要とするメモリ生産を諦め、システムLSI製造への打開策を求めて行きました。この多くの半導体デバイスメーカーも、専用顧客であった自前家電製品の競争力の低下から、事業縮小を迫られ

          TPSでは生き残れなかった日本半導体製造現場

          ご挨拶

          はじめまして 基本エンジニア気質で、色々と興味のある内容を記事としてお披露目させて頂きたいと思っております。具体的には、 1.料理、2.古墳時代を中心とした古代史、3.最近の地震発生状況、4.製造業の生産性改善、5.半導体ビジネス、6.絵画、 7.DIY、8.野菜作り と多岐に渡ってしまいます。何れも広く浅く的な内容ですが、ご興味を持って頂ける様でしたらお付合いください。

          ボランティア活動に参加すべきか?否か?

           定年を迎え、サラリーマン生活に終止符を打った今、何をやるべきか? 何を始めたいか? 大きな命題を抱えています。 実は60歳を前に長年勤務してきた会社を退職し、一度、別業種も含めた転職の道を模索したことがありますが、全然、雇って頂ける所がなく、結局、嘱託という形で、旧職でお付き合いのあった会社で雇って頂きました。この経緯は、以下に記載しておりますのでご興味ある方はご参照下さい。 この職でも、65歳を迎えたことから、本当の定年退職となりました。前回の転職活動の経験で学んだので

          ボランティア活動に参加すべきか?否か?

          躍進の続く東京エレクトロンにとって死角は無いのか?

          1.半導体生産装置メーカーである東京エレクトロンとは? 東京エレクトロンは、1963年に東京放送(現在のTBSホールディングス)の出資により、東京都港区赤坂に資本金500万円で設立されました。当初は半導体の技術専門商社として、半導体製造装置の輸入販売を中心にビジネスを展開していきました。  その売上高を2022年3月期から急激に伸ばし、2023年3月期の売上高は22,090億円までを得るようになりました。また、これより売上原価を差し引いた売上総利益率は44.6%で相当高く、

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          躍進の続く東京エレクトロンにとって死角は無いのか?

          半導体製造装置メーカー業界の現状と今後

           半導体製造ラインでは、そう大きくない規模でも1000台にも及ぶ装置の台数が必要で、その半導体製造装置の市場規模は、2023年に10兆5,000億円に足しているとされています。この装置の種類を分けると、露光装置、レジスト塗布現像装置、薄膜成膜装置、エッチング装置、ウェット処理装置、イオン注入装置、CMP装置、メッキ装置が上げられます。これらの製造装置を供給できるメーカーは、世界でも限られており、売り上げ順位で列挙していくと、以下となります。 1. Applied

          半導体製造装置メーカー業界の現状と今後