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浅葱色の時間

庭で育てていた藍を刈り取って、藍染めに挑戦してみた。

綺麗な浅葱色が嬉しくて、春先に小さな芽をいっしょに見つけてくれた近所の友達に写真を送ったところ、はっとするコメントが返ってきた。

「家族の色だね!」

藍は刈り取ってから空気に触れる時間が長いほど緑がかった発色になり、素早く染められるほどインディゴブルーに近くなるらしい。

たしかにこれは、いまの私たちの色。

たたき染めは、葉っぱの置き方で食い違ったが最後、なかなか先に進めず。ああでもないこうでもないと 何度もやり直しながら配置。

染め液を作って浸すのは、母ちゃんはミキサー触っちゃだめ!水は自分が入れたかった!と、都度号泣の娘が、泣き疲れて昼寝に入った後で、黙々と作業。

太陽を浴びた布に見惚れたり、思いつきで布を足したりしたので、私の作業も、かなり、のんびりしていた。

この色は、視覚化された私たちのテンポなのだな、と。

自我の芽生えというやつなのか、世界観ができてきたということなのか、最近の娘は、5W1Hの一つでも思い通りにいかないと瞬時に崩れて、何時間もそのポイントから動けなくなってしまう。

体も大きくなり、もう泣き叫ぶのを抱っこしてこちらの予定をこなすわけにもいかない。納得するまで話し合うのだけれど、娘の意思を尊重しつつ、自分のやりたいこともやっていこうというなかで、ここぞ、という場面で噛み合わないことも結構あって、最近も悲しい思いをしたところ。

途方に暮れたり、げんなりしたり、切なくなったり。
そんな“いましかないけど、そうなんだけど、ああ...“という時間が、色になったことで、その尊さがすうっと入ってきた。

いまの色、いましか出せない、愛らしい色。

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#藍染 #子育て #4歳の壁

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