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人の失敗に学べ!②〜歓送迎会・幹事の失敗篇〜 文学フリマ東京38出品 「しくじり見本帖 〜16人の失敗談〜」から

働く人間なら一度は参加したことがある、歓送迎会や新年会、忘年会。
そして、誰もが経験したことがあるでしょう、これらの「幹事」。
しかしながら、「幹事をしてよかった! 幹事、サイコー!」という人は、なかなかいないのではないでしょうか。

オムニバスZINE「しくじり見本帖 〜16人の失敗談〜」には、幹事にまつわる失敗談が2本掲載されている。

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5月19日開催、東京文学フリマ38に出品されるオムニバスZINE「しくじり見本帖 〜16人の失敗談〜」。

ブックデザインは、わたくし石田が担当しました。


全144ページ、読み応えたっぷりの一冊となっています!
東京流通センター 第一展示場R-31・32
「京都くらしの編集室」のブースにて販売しています。
お待ちしています!

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世の中は色々な失敗談にあふれているけれど、16人のうち2人が「幹事の仕事」を失敗として挙げるとは、どれだけこの幹事という仕事はシビアなのだろう。

「お店選びはドラマチック」(橋本佳歩さん)は、ご自身が経験した「お店選びの失敗と成功」を丁寧にたどったエッセイ。

前半に展開するのが、歓送迎会の幹事を任された橋本さんの「失敗談」だ。
かといって、大きなトラブルは起きない。一見、よくある光景だ。
しかし、幹事にとってはどうだろう。
参加者からの何気ない「質問」やお店サイドの紋切り型な接客に、橋本さんはどんどん追い詰められていく。その様子に、読者は一緒になってうなだれ同情してしまう。
それでも、手を差し伸べてくれる人がいて、失敗を笑ってくれる人がいたーー。

「誰かとおいしい食事をともにしたい」という純粋な思いが巻き起こす、お店選びの悲喜こもごも。
とても身近なテーマだけに、共感するポイントが多く、一気に読んだ。

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「いっぺん死んでみないとわからない」(永見 薫さん)に出てくる幹事にまつわる失敗は、一読して「ええ!?」と思わず白目をむいてしまったくらい盛大なものだった。
なんと、宴会場をダブルブッキングしてしまったという。その規模、20人分✖️2会場。なぜかお店にキャンセルを受け付けてもらえなかったというから、読んでいて涙が出そうになる。「なぜなぜ?」と原稿に問いかけてしまった。

しかし、永見さんは一案をひねり出した。その解決策がこれまたびっくりで、椅子ごとひっくり返りそうになった。
笑った。
今でもその出来事は、その組織で「強烈な伝説」として受け継がれているそうな。そりゃそうさー。私もきっと忘れまい。

この「幹事の失敗」エピソードが強烈なだけに、ついつい紙幅を取ってしまったが、実はこのエッセイは宴会の話だけに終始していない。

多くの失敗で痛い目にあってきたのに、時を経て、今ではご自身のお子さんに「失敗を促している」という不思議を、永見さんは永見さんの「失敗観」と重ねて書き綴っている。

時を経て、さまざまな経験を積んで、変わっていく「失敗」のとらえ方。その変化が、このエッセイの醍醐味だと思った。

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5月19日、東京流通センター 第一展示場R-31・32
「京都くらしの編集室」のブースにてお待ちしています!

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当日、会場に行けないという方は、こちらのサイトで購入可能です!


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