見出し画像

FC物語(4)実践を通じて分かったこと

第1回フューチャーセンターの開催

そんな経緯を経て、2011年9月28日に第1回の「定期フューチャーセンター」を開催。それ以来の数年間は、長期休み期間中を除いてほぼ毎週開催していました。人数が多いときも少ないときもありましたが、とにかく定期的に開催することで思い立ったらふらりと立ち寄れる場として想起してもらえる存在になることを目指しました。運営は学生が持ち回りで行っていたので大変だったかとは思いますが、たとえ自分達しかいない日でも、それはそれで自分達のプロジェクトの話をしていたように記憶しています。大変さもあったとは思うけれど、とにかく皆でわいわい過ごす時間が楽しかったなー。

記念すべき第1回フューチャーセンター(2011/9/28)

そのうち毎回12~20名程度の学生と社会人がコンスタントに参加するようになり、フューチャーセンターで取り上げるプロジェクトも増えてきました。内訳としてはゼミ生が推進しているプロジェクトの相談が多いけれど、社会人から持ち込まれたプロジェクト相談も徐々に増えてゆき、産学連携室の紹介で学生の声を聞きたいという企業さんの訪問があったりもしました。

活動が続く中で、他ゼミや他大学からも学生が参加してくれました。社会人は、一度来てくださった方が、次は友人を連れて再訪してくださるという形が一番多かったように思いますが、ネットで見つけて参加する方もいました。また地域でネットワークが広がっていくにつれて、学生や私に色んなお誘いの声がかかるようになり、そうした学外の活動で知り合った人が参加してくれたりと、人のつながりができていきました。

2012/06/11のフューチャーセンター
2012/06/18のフューチャーセンター
静岡大学や慶應大学からも来てくれる学生がいました(2013/4/22)

学生の主体性とオトナの役割

当時の写真を見ると、初期のフューチャーセンターを支えてくれた大人の皆さんが写っていてとっても懐かしいです。活動自体は学生の主体性を大事にしていたのですが、同時にオトナの役割の重要性もしみじみと感じました。

実は学生がやっている活動ということで、たまに不適切な大人(学生にドヤ顔をすることが目的の大人、女子学生との接点づくりが目当ての大人等)が紛れこんだり、対話ができない大人(1人で話し続けて人の話を聞けない大人、上から目線で話す大人等)が紛れ込んだりすることもあったのですが、そのたびに中村さんやRさん、Mさん、Yさんといったサポーターの大人の皆さんがいつもさりげなく学生を護ってくれていました

こうしたサポーターの皆さんの支えもあり、徐々にコミュニティの文化が出来上がっていくと、いわゆる変な大人も現れなくなっていきました。こうしたプロセスを目の当たりにしたことで、若者が自分らしくのびのびできる環境をつくるためには、一歩引いて見守ってくれる年長者の存在が重要であることを実感しました。特に女子学生に対して不適切な行動をする大人のブラックリストは、こうした大人たちの中で共有しておく必要を強く感じます。学生の主体性を損なわずに、リスクを回避する(察知する)スキルは鍛えられましたねえ。

オープンゼミとの相乗効果

フューチャーセンターと平行して、オープンゼミも継続的に開催していました。オープンゼミに興味をひかれて参加してくれた人がフューチャーセンターにも足を運んでくれたり、フューチャーセンターのディスカッションの中から次のオープンゼミのテーマが生まれたり、という相乗効果があったように思います。

2012/6/25のオープンゼミはマシュマロチャレンジ!

またこの頃から、ゼミ活動の一部として、4年生の卒論テーマ相談会と研究結果報告会を学内外から参加を募る形で実施しています。社会人にとっては学びの機会に、学生にとっては自分たちの研究の社会的有用性を実感する機会になっています。この発表会も、フューチャーセンターに参加してくれている大人が発表会を聞いて研究協力を申し出てくれたり、発表会のテーマに惹かれて足を運んでくれた人がフューチャーセンターにも参加してくれたりと相乗効果がありました。

2013/12/16の卒論発表会

目次
(1)立ち上げたきっかけ
(2)立ち上げ前にやったこと
(3)立ち上げ初期に大変だったこと
(4)実践を通じて分かったこと 
(5)場の構成要素  ←次はこれ
(6)数年後に考えたこと
(7)プロジェクトの具体例
(8)コロナ後の大学生の状況

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?