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#6 誰でもできる!オンライン研修のコツ④ 参加者

前回は、デリバリーについて話をしました。今回は④参加者についてご紹介します。

参加者の状態を知る

研修は、参加者にフィットした難易度や説明がないと学習効果は望めません。仮にコンテンツが同じだとしても、参加者の理解度の違いによって説明が変わります。狙った学習目的を達成し、学習品質を実現するためのラストワンマイルとして、講師は参加者にあわせた説明をする必要があります。参加者はこのテーマに対してどの程度の事前知識を持っているのか?どのような説明がハラオチするのか?何をどれくらい理解できている人なのか?何に関心を持っている参加者なのか?を知ることで、より確実に学習目的を実現できます。そのため、私が講師としてセミナーを行う際には、参加者がどういう人なのか、なるべく事前に教えていただくようにしています。

参加者のモチベーションへの配慮

参加者がテーマに関心や理解がない事もあります。社会人であれば多かれ少なかれ会社の組織の壁にぶつかったことがあるので、例えば、「会社の組織論の授業」は興味を持ちやすいテーマです。しかし、会社で働いた経験のない大学生にとっては、イメージがしにくいために共感を得にくいテーマです。そのため、学生のモチベーションを引き出すためにか、いかに興味を持たせるかが重要です。学生の身近な状況を使って説明すると、関心を持ちやすくなりますので、バイト先などの「あるある体験」で共感させ、会社組織での場合とリンクをさせて興味を持たせると理解しやすくなります。

わかりやすく大学生の例を出しましたが、社会人も同じです。企業研修でも、半強制的に受講する場合は、元々の知識の有無よりも、関心の有無の方が学習効果に影響しますので、参加者が関心を持っている話題とつなげて説明をすることが重要です

学習効果を大きく変える、ある要素

学習効果に大きく影響する要素は何か?という質問されたら、私は「当事者意識」と答えます。当事者意識があることで、研修の内容に対して受け入れ体制ができますし、気づきもより深いものになるため、学習効果が上がります。そのためにはテーマに関心を持たせる工夫をしたり、参加者の身近な事例のたとえ話をしたりする必要があります。例えば、公務員向けに民間企業のケースを用いて学習させることは十分可能なのですが、参加者が「これは自分には関係が薄い」と捉えて心の扉を閉めてしまうと当事者意識が弱くなり、結果として学習効果が下がるということが起こります。こうした事態が想定される参加者の場合は、自社ケースの開発などを通じてより当事者意識を持ちやすい仕掛けをしたほうがよいでしょう

講演を一方的に聞いているだけでなく、考えて発話するという行為は、当事者意識を高める手段として効果的です。参加者同士のディスカッションの時間は、ぜひ確保することをお勧めします。ただし、ファシリテータを置かずに受講生のみでディスカッションをさせる場合は、テーマや進め方をきっちりとデザインしておかないと中途半端な時間になります。特にオンライン研修の場合、対面以上に受講生同士が関係性を構築しにくいため、しっかりと進め方をデザインした上で実施しなければなりません。会社でとりあえずオンライン研修をやってみたけれど、全然盛り上がらなかったという話はよく聞きますので、しっかりと事前準備を行いましょう。


学びは不要でも不急でもありません。将来が不確実な時代だからこそ、戦略的に学びの機会を作りましょう。


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