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#3 誰でもできる!オンライン研修のコツ① 研修デザイン

この記事は、#2いま、オンライン研修が必要な理由 の続きです。では、どうしたらオンラインで研修ができるのでしょうか?

まず研修には4つの要素があります。
① 研修デザイン(カリキュラム)
② 教材(ケース教材、リーディング素材など)
③ デリバリー(=ティーチング)
④ 参加者(特性や状況など)

 
私は研修や授業を企画する際には、この4つの要素を組み合わせてどんな学習効果を実現するかをまず考えます。この作業は対面でもオンラインでも同様なのですが、オンライン研修ではオンライン研修なりに考えなくてはならないことやコツがあります。

まずは、①研修デザインについてご紹介します。

研修デザインとは

研修デザインとは、教育・学習目的に基づいた、研修のカリキュラムやプログラムの全体構成のことです。今までオンライン研修をしたことがない場合、まず何から相談したらいいかわからないことも多いかと思います。まず、最初に考えるべきことは、研修の参加者(社員)にどういう効果をもたらしたいのか?ということです。達成するべきゴールを考えることで、どのような疑似「経験」が必要なのかが明確になります。

その次に、期間や回数、1回の所要時間などの制約条件を考慮して、具体的な構成をデザインしていきます。これまでの企業での経験とデータから、意識変革や行動変容を実現する場合は、1回2〜3時間の研修を月1で、4〜6回というのが効果を担保できる回数/頻度だと感じていますが、時間や予算上の制限があることが常なので、与えられた制約の中で実現できる最適な研修デザインを検討していきます。

意識変革とは何か

ところで意識変革とは何なのでしょうか。見えないものが「変わった」ことをどうやって捉えるのでしょう?私は、これを認知構造の変化、またはPerspective-taking(視点取得)だと定義しています。要は今までとは異なる視点で、ものごとを捉えられるようになることです。代表例は、プレイヤー目線でものごとを捉えていた人が管理職や経営者の目線を持てるようトレーニングするビジネススクールのプログラムです。そして、より上位の人の目線を持つことで、下位の立場では見え方が変わったり、プレイヤー(自分)に足りないものに気づいたりします。意識変革の兆しは外見的には分かりにくいのですが、研修や業務の中で発する単語が変わることで把握できます(例えば国保2019は育休取得者が管理職目線を培うプロセスを可視化しています)。この意識の変化が、次の行動の変化に繋がるファーストステップとなります。

研修の回数

ところで研修のご相談をいただく場合、やはり単回の研修のご依頼が多いのですが、単回の場合は参加者が自分に足りないものを自覚させること、足りないものに対する関心を持たせることは可能です。しかし、足りないものを自覚した次の段階として、「足りないことはわかったが、ではどうすればいいのか」を考えて実行させる(行動変容)には、やはり継続的な研修が必要です。ただ、丸一日を費やしたり、泊まり合宿というスタイルではなくとも(それはそれでチームビルディング効果はありますが、参加できる人は限られてしまいます)、2時間のオンライン研修を6回行うというやり方でも必要な参加者の意識改革は促せるでしょう。継続しやすい方法であることが重要です、なお研修の効果は研修直後が最も高く、翌日以降は少しずつ下がっていきますので、研修と研修の間は宿題などを出したり、オンライン学習者コミュニティで交流させたりなど、継続性を持たせた学習機会にすることで学習効果の定着率がアップします。課題で日々の業務と研修との繋がりを実感させ、学習の意義を実感させることもできます。

次回は、②教材についてご説明します
 

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