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AIの役割大逆転!アメリカはタスクとルーティンを、日本は企画・開発をAIに任せる

日経クロステックの4月3日の記事でこんな物が在ったのですが、これは実に面白い逆転文化的発想だと思いました。

生成AI同士が議論して意思決定やアイデア創出をする

AIが仕事を奪うと言われています。サム・アルトマンは、「AIがルーチンやタスクベースの作業を担当することで、人間がもっと創造的で意味のある仕事に集中できるようになる」と考えています。この、記事で取り上げられている「マルチエージェント ブレストAI」とは正にこれの逆の発想で、「人間がルーチンやタスクベースの作業しかできないので、AIが創造的で意味のある仕事を担当する」ようになった一例です。おそらく、サム・アルトマンもこの想定外な発想に仰天するのではないかと思います。

web開発におけるペルソナ設定の発想

web開発においては、ターゲットユーザーを設定し、そのターゲットユーサーを人格を持った一人のペルソナとして設定してその人物ならどんな行動をするだろうと言うところから、webサービスを設定していきます。

AIに司会者と営業、商品企画、戦略を考えるストラテジックプランナー(マーケティング担当)という4つの役割の人格を実装」というアイデアはweb開発におけるペルソナ設定に似ていると思いました。

「マルチエージェント ブレストAI」とは

「マルチエージェント ブレストAI」というAIサービスでは、2つの主要なAIモデルが使われています。その一つは「GPT-4 Turbo」で、これはOpenAIによって開発され、Microsoftの「Azure OpenAI Service」を通じて提供されます。もう一つは「Claude 3 Sonnet」で、Anthropicが開発し、Amazon Web Services (AWS) の「Amazon Bedrock」を介して利用されます。これらのAIモデルは、議論のために選択し切り替えることが可能で、速度や精度を考慮して選ばれており、特に「Claude 3 Sonnet」が主に使用されているそうです。

加えて、サカナAIのモデルやxAIの「Grok」など、他のAIモデルも評価の対象となっているとの事。このサービスでは、異なるAIモデルを組み合わせることで、より豊かな議論やアイデア生成を目指し、検討中だそうです。

創造的な人間が居ない現場を補うAIのアイデア創出

今まで暗記式の詰め込み教育をされた歯車人間を生み出して来たから、創造的な人材の枯渇が日本では問題になっているのでしょう。製造業は衰退しタスク人間をそんなに排出する必要のない現状にもなってきています。それをAIで補うとはサムが聞いたらビックリ仰天の発想でしょう。今月15日にOpenAIの日本法人がオープンしますが、OpenAIの日本拠点はタスク仕事を受け持つアメリカ・ヨーロッパの拠点と真逆で創造的で意味のある仕事をOpenAIのモデルが担当する事になるのでしょうか?

この日本の逆転的な発想は欧米でどうとらえられる?

アメリカを含む欧米では、個人主義が強調され、自己主張や独自の発想を持つことが奨励される文化です。それぞれの人間が想像的で独自の発想を持っていると自負している事でしょう。ところがです。筆者にはアメリカ人はリバティか保守化に分断されてはいますが、それぞれの党派はわかりやすく同一な考え方を持っている様に見えます。

アメリカの集団的な思考パターンの原因

個人主義とクリエイティビティはアメリカの文化の大きな部分を占めており、それぞれの人が独自の考えや信念を持つことを奨励しています。しかし、社会的な集団や政治的な党派の中では、しばしば同じような考えや信念が共有され、強調されることがあり、それが外から見ると、個々人が独自性を持ちながらも、集団全体としては均質な発想を持つように見える原因になっているのです。

政治的な二極化

近年のアメリカは、政治的な意見が極端に分かれており、これが集団思考を形成する要因になっています。例えば、リバタリアンや保守派、進歩派などのグループは、それぞれのアイデオロギーに沿った情報や意見を共有し、強化することで、内部の同質性を高めています。この現象は、社会心理学で言うところの「エコーチェンバー効果」として知られ、似た考えを持つ人々が集まることで、既存の信念が強化され、異なる視点が排除されることがあります。

メディアと情報の役割

メディアは政治的な意見やアイデオロギーの形成に大きな役割を果たします。特にアメリカでは、メディアが政治的に偏向しているとしばしば指摘され、これが集団思考やアイデオロギーの固定化に貢献しているのです。個人が特定のメディアチャンネルから情報を得ることが多い場合、そのメディアが提供する視点や解釈に影響され、結果としてより一貫した、あるいは偏った思考パターンを形成することになります。

異なる視点への開放性

アメリカ人がこのサービスを見たとき、新しい技術の可能性として捉え、創造的なプロセスを助けるツールとしての価値を認める可能性があります。多様性とイノベーションを重視する文化の一部として、AIが異なる角度からアイデアを提供することを歓迎するかもしれません。

自己反省と発想の逆転

「マルチエージェント ブレストAI」が提供するようなモデルを利用することは、創造的なプロセスの多様化と、異なるバックグラウンドを持つ個人やチームが新しいアイデアを生成する方法に新たな視点をもたらすことができます。アメリカ人だけでなく、世界中の多くの人々が、AIをどのように活用するか、どのようにクリエイティビティと組み合わせるかについて考え直すきっかけになるかもしれません。

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