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詩・作詞

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記事一覧

【作詞】青い華

【作詞】青い華

青い華 黙って咲いた
弱くてごめんなさい
わたし ぽつりつぶやいた
冷たい雨の中

すれ違うと会話が一瞬止まるの
わたしの歩き方そんなに可哀想?
気まずくてね 堪らなくてね
なるべく裏道選ぶんだ
遠くでこどもの遊ぶ声がしたり
たまたま風の通り道だったり
本当 わたし しあわせ

青い華 頭を下げた
馬鹿でごめんなさい
わたし以外気づかれず
静かに風に揺れ

あんなに美味しそうに飲むじゃない
わたし

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【作詞】ひとりじゃない

【作詞】ひとりじゃない

寂しいですか あなたは今
わたしも同じ気持ちでいます
見えていますか 同じ月
わたしは足を止め見上げてます

毎日汚れた音や言葉が胸を傷めます
そのたび耳を塞いで世界遮ります

今 静かにイヤホンを外します
弾けて散った星の花火
流すなら 輝く涙を
溢れるままに 解き放ち 
ともに 空に還しましょう

届きましたか あなたへの手紙
何を書いたか覚えてません
伝わりますか この想い
わたしはずっと大

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【詩】麦の海

【詩】麦の海

「麦の海」
青い麦苗が気をつけしている
畑に降り注ぐ水の鏡
小さな体で空に挨拶をする
風は優しく遊んでくれる
お日様を掴もうとする小さな手
水の月に生まれた命よ
路をひらいて澄み渡れ
麦の海の煌き
いつかこのカメラのレンズで望むから
大きな手と温かな手に守られて
麦は恵みに満ちた粒を育む
よどみのない鮮やかな水は
いつか黄金に輝く雲となる
あなたは希望の雨になる

2024年5月8日放送回の『ピア

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【作詞】夜よ

【作詞】夜よ

翳りゆく部屋 ひとりなんて
慣れてしまった もう今では
窓の隙間から 吹いてくる
頬を冷やす 涙の轍

星よ 自由になりたい
この身 こころ すべてを
星よ ひとつになりたい
今は どんなに 離れていても

タオルにくるまった 夜の闇に
とけて消えれば 楽なのかしら
伏せてから季節は 移り変わり
写真のあなた 口を塞いだ

月よ 声をきかせて
耳に 胸に 届けて
月よ 影を伸ばして
生まれ かわれ

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【詩】ぶっ

【詩】ぶっ

ぶっ叩く
ぶっ潰す
ぶっ放す
ぶっコロす
ぶっ刺す
ぶっかける
ぶっとばす
ぶっちぎる

ぶっ
それだけなら
間抜けなのに
頭にくると
物騒な
ぶっ

【作詞】春のせい

【作詞】春のせい

ふわふわ浮つく
かすみのあかり
ふわふわ揺らつく
ぬるい世界
首に吹く風
ふと冷たい
見開く目にうつる
淡い色と声たち
足並みそろわない
春のせい

ふわふわ浮き立つ
めくった袖に
ふわふわ漂う
甘い世界
無駄に青い空
雲ひとつない
逆さの心にうつる
固い蕾重たい
足並みそろわない
春のせい

ふわふわどこまで
つづくのだろう
ふわふわどこから
現実だろう
軽やかであれば
幸せであれば
浮き彫りに

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【作詞】白春

【作詞】白春

金色の鱗をちりばめて
空っぽの青春がうねり去る
痛む棘 生垣にぽつり
すっかり珍しがられる 今では

そっと咲きます
からたちの白

蒸気機関車 煙巻き上げ
つかの間の朝が眠りから覚める
心に寄り添い 尾を揺らす
どこにでもいるような身なりでも

健気に鳴きます
頬白の白

空は今日も無数の翼を降らせ
地上は絶えず風が吹く

積もることなく時を見送る
もう人間はいないのかもしれない

浮かず 沈ま

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【短い詩】10代ノート

【短い詩】10代ノート

紙のノートを整理していたら10代で書いていたあれやこれやが出てきました。
その内のひとつがこちらです。
なんかのおみやげ?だったかのポストカードが引き出しにあったと記憶しているのだが、それを貼って言葉をつけてみようと当時の僕が書いてたようです。
あ、やっぱり昔っから書くのが好きだったんだ。

ポストカードに著作権?的なものがあって指摘されたら削除しますが何事もなければこのままにしておこうかなと。

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【詩集家路より朗読動画未収録詩】風に揺れるミモザ

【詩集家路より朗読動画未収録詩】風に揺れるミモザ

プラチナの琴線
なめらかにしなやかに
細い指をすべらせる

五線譜がせせらいで
窓の外の小川になった

懐かしい温もり
サイフォンで淹れた珈琲
集う軽やかな音符たち
あなたの織りなすめぐりあわせ
だからここはいつでも微笑みで満ちている

絆に愛を
永く咲きますように
あなたの笑顔は
風に揺れるミモザ

五線譜が会いたがって
目には見えないメロディー

郷愁を誘う温もり
微笑みを織り機で紡いで
糸と

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【詩】ぽっちとぼっち

【詩】ぽっちとぼっち

ひとりぽっちはさびしいな

ひとりぼっちもさびしいな

これっぽっちのひとりぽっち

おいてけぼりのひとりぼっち

ひとりぽっちでくちぶえふいて

ひとりぼっちのいえじのとちゅう

ぽっちはそらをみあげてないている

ぼっちもつまさきみつめてないている

ぽっちとぼっち

どうかかおをあげて

よぞらにくもがなかったら

おつきとおほしがかがやいて

まどからひかりがさすでしょう

きみのそばから

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【詩】昼休み

【詩】昼休み

いっせいに仕事の手を止め

連れ立って歩く大人たち

チャイムが鳴って机を合わせるこどもたち

いただきますと一緒に食べる昼休み

あまった時間をどう使おう

限られてるから貴重だった昼休み

そんな昼休みが

今のわたしにはない

わたしの遅れた昼休み

列にも並ぶこともない

座りたい席を選べる

今日もいつもの席に座る

おくれて厨房から

女将さんのいらっしゃいませ

白い前掛けで手を拭き

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【作詞コンテスト応募作品】存在

【作詞コンテスト応募作品】存在

−はじめに−

2023年の秋。ひとつの大きなプロジェクトが動き出した。
「エターナルソング•コンテスト」と銘打たれた作詞作曲の公募であった。

審査委員長は偉大な作詞家、湯川れい子先生。

ツイッターでこのコンテストの話を知った私はそれまで数年間欠かさず投稿し続けてきた月に4箇所の詩の公募を『月刊詩誌ココア共和国』のひとつに絞り、そしてこの作詞コンクールに2023年の残り全てを捧げようと決心した

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【詩】最後の微熱

【詩】最後の微熱

声変わりの赤道を越える夜

骨は濁音を鳴らして伸びる

第二次性徴期の微熱

脳が茹で上がったせい

あの夜鍵をかけたのは

包丁握った大人が

寝てる私を

刺しにくると

怯えていたから

第二次性徴期の微熱

少年の心が壊死をした

【詩】伝言

【詩】伝言

プロパンガスのネズミ色

油で黒光った大きな鉄板

一日限りの出店の焼きそば

こんな住宅街の裏道で

文化祭なんてあるわけないのに

夕暮れの

外の空気はただよう

ぎこちない秋のリクルートメイク

あなたのこういうとこが好き

わたしは伝えたいことを恥ずかしげもなく口にする

それがわたしにはあたりまえのことだった

よくはずかしくないね

いえいえ、あなたが言葉少ななだけ

歩けば歩くほど

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