見出し画像

鮭でアンチエイジング

 もう少し若い頃は「アンチエイジング」と言えば、とにかく見た目を若々しく保つことだと考えていた。シワ、いやーん、シミ、いやーん。下腹ぽっこり、垂れてくるケツ、ホンマ勘弁してくれーって感じ。

 もちろん、できれば見た目もそこそこ若々しくはいたいなと思っているが、とにかく今は「健康第一」だなとしみじみ思う。

 某友人オススメの某健康法に興味を惹かれ、先ほどお道具をポチっとな。
 これに関しては、また後日あらためて書いてゆきたいなとして・・・

 もともと家事全般得意じゃないし、子どもの頃は食べることが大嫌いだったから、今でも料理は超苦手。面倒なおかずとか、本当に無理。

 今は、一日二食を、ほとんど「ご飯 + お味噌汁」で通している。一汁一菜ってヤツやね。ちなみにその一菜も、梅干しや自分で干して塩揉みした白菜とか、ほぼ江戸時代の食卓。

 ↑ ところが最近、スーパーで値引き品になっている魚類をおかずにすることが多くなった。お刺身でも開きでも、とにかくお味噌汁にブチ込んでしまうのだ。美味しいタンパク源バンザイである。

 魚の中でも、鮭に注目している。
 アスタキサンチンというアンチエイジング成分が含まれている、というのは知っていたけど、それよりも現実に、鮭でずっと若々しく過ごしていた人を知っているからだ。

 かれこれ40年ほど前に働いていた事務所に、明治生まれと大正生まれの二人のおばちゃんがいた。
 大正生まれのおばちゃんは太っていて「あーしんど」が口癖の、ちょっとねちっこい性格の人。明治生まれのおばちゃんは、痩せててチャキチャキと動き、チャキチャキとものを言い、笑顔を絶やさない人だった。

 ある日、明治おばちゃんと食堂で話していたら、

「私な、鮭がめっちゃ好きやねん。毎朝、鮭焼いて食べてんねん!!」

 とおっしゃる。なるほど、明治おばちゃんの元気の元は、鮭だったのか!
 以来、魚を選ぶ機会があるたび、できるだけ鮭を選ぶようになった。

 明治おばちゃんと大正おばちゃんは仲が悪かった。というか一方的に大正おばちゃんが、私や他の同僚たちに、明治おばちゃんの悪口をあることないこと吹き込んでいた。もちろん、誰も信じていなかったわけだが(笑)。

 明治おばちゃんはそれを知っていて、でもどーでもええわ、とばかりにずっと無視していたが、ある日とうとう堪忍袋の緒がきれた。性格的に、自分の悪口を言われることはどうでもよかったらしいのだが、大正おばちゃんが仕事中に「あーしんど」と何度もブツブツ言っているのが我慢ならなかったようで。

「何がしんどいじゃあ!

 大正生まれの、ええ若いモンがぁ!!」

 
 天晴れである。私も鮭を食べて、見習わなくっちゃ! と思った当時18歳の乙女なのだった。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?