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やりたいと、やるべきを、一緒につくる

マネージャーになって人をみるようになると、組織の目標とその人のやりたい事が噛み合わない場面に行き着く事が多い。

私はマネージャーの職務を、チームメンバーのパフォーマンスを上げる事だと思っている。

個人のやりたい事と、会社が求める事が一致していれば最高だ。ひたすらに仕事に集中する事ができるため、マネジャーは常に少し高い目標を作っていけば、成長も成果もついてくる。

いわゆるフロー状態と呼ばれる、難易度とスキルが拮抗した状態を維持する事がマネジャーの仕事になる。

目指すべきマネジャーの仕事はこれだろうと思う。

マネジャー自身も高難易度の仕事を産み出す事ができ、自分のマネジメントスキルも問われる。メンバーがフロー状態にあるチームは、マネジャーも含めてチーム自体がフロー状態になる事ができるだろう。

しかし現実はそうもいかない、不安を抱えるメンバーの声を聞き、共感しながら模索する日々が実態だ。

パフォーマンス高く仕事に向き合うために、組織の求める事と、個人のやりたい事を明確にしながら、現実に実装していく必要がある。

往々にしてそれは叶わない。

なぜなら人は、自分の行動を自分で決めている実感を得ないと、幸福感を感じ辛い生き物だからだ。

人に言われた事だけをやりたくない、という事と、自分で決めた事をやりたい、と言う事は、振る舞いとしては同じでも、根本的に異なる原理が働いている。

やりたい事は常に集中的で、やりたくない事は拡散的だ。やりたい事に向き合えない限り、人は集中できない。

本当に自分がやりたい事なんて、自分の中だけにあるわけがない、と私は思う。

周囲の関係の中で見出していくものだと思うからだ。

周りの関係から生まれた願望でなければ、周りから感謝もされず評価もされず、やがて袋小路に追い込まれる。

マネージャーは会社が求める事を明確に伝えた上で、その中で自分がやりたいことを一緒に生み出していく必要がある。

個人に内在する想いに向き合う事は大切だが、それだけでは不十分だ。最終的に実装させるところにマネジャーの責務があると思っている。

会社と個人の接点を見出し、新たなプランを創造し、組織の中でファシリテーションする。

そんな弁証法的で共創的な姿勢で、この厄介な問題に向き合っていきたいと思う。

それには、会社の、そしてメンバーの協力が不可欠だ。

共創的なマネジメントのために、まだまだ学ぶ事、やる事が山積みだ。

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