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【小考察】世界初のタイムマシン小説「アナクロノぺテ」から考えるパルデアの物語
ご注意:エンリケ・ガスパール氏の小説「アナクロノペテ」、H.G.ウェルズ氏の「タイム・マシン」のネタバレを多く含みます。
「スペイン発で世界初」と「最も有名」な2つのタイムマシン小説 一般的に時間旅行モノの小説の古典と言えば、1895年に発表されたH.G.ウェルズの「タイム・マシン」であるが、実はそれより前の1887年にスペインの外交官であったエンリケ・ガスパールという人物によって書かれた「アナ
パルデアの歴史⑤ 生態系と量子コンピュータと自由意志 結晶体のモチーフ 後編
「自由」と「変わること」の物語 ポケットモンスターと言えば「進化」することが特徴であるが、散々つっこまれてきたように、変態とか成長に近い。尻尾を噛まれたヤドランに至っては「事故」に近いのではないか?まあ、それらが多発し生存競争に寄与するのであれば本来の意味での進化と言えなくもないのかもしれないが。だがパラドックスポケモンのように、近年のシリーズでは本来の意味での適応としての進化があることも大々的に
もっとみるパルデアの歴史④ エキゾチック物質からエネルギー安保まで、様々な結晶体のモチーフ 前編
ブレイクスルーをもたらす結晶体をとりまくエネルギーや科学技術の水準および情勢とは? 今回はポケモン世界の技術水準から、危険だが凄まじい可能性を持つ資源としての結晶体の位置付けを考えていきたい。
テクノロジーという物語の礎
たまに「ポケットモンスター製作者らはそこまで深く考えていない」と言われることがあるが、個人的にはそんなことはないと思う。それは単純に、荒唐無稽なものはつまらないからで、私た
パルデアの歴史③ 「石」である結晶体 その分類と「重力子」的存在の影
様々な側面を持つ結晶体 今回は結晶体とその粒子の様々な側面のモチーフを挙げ、何故エリアゼロにそれが滞留するのか、ポケモンの特性を決める「タイプ」エネルギーとの関係性は何なのかを体系的にまとめてみたい。また、ポケモンに及ぶ「重力」のような力が見え隠れしないでもないような…。歴史の章までもう少し…な気がする。
石の物語である「ポケットモンスター」
ポケットモンスターは第一世代カントー地方の物語の
【小ネタ】ハッピー・ホームウェイ・パラダイスはあつまれオモダカの森?
注意
ポケットモンスターSVとどうぶつの森のネタバレと、人によっては嫌な異作品の関係性の指摘があります。
ポケットモンスター世界では元々ユンゲラーが超能力少年であったりする都市伝説のような話が公的っぽい図鑑にまで乗るような世界ではあったが、今作では人間とポケモンが最初は同じで、今もポケモンが人に、人がポケモンになるような描写が今作ではやけに強調され、やや現実味を帯びてきた。
それであれば、エレ
パルデアの歴史② 舞台装置としてのタイムマシンについて(多分その1)
結局タイムマシンって何? 前の記事で述べた金属プレートが示すように、エリアゼロが「非時間的領域」であるとしても、そもそもそれは時が止まっていることを意味しない。前に進むか後ろに進むかが決まっていないばかりでなく、恐らく度合いが存在している。大穴の中にあるエリアゼロに近づく程、曖昧さが出てくる。水は上から下に落下するし人々もそれぞれの主観の中でお互いに前方向に歩き、生命活動を維持している。
時間は