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最高の酒盛り準備をして桜の下で飲んだお酒は覚えてる

「焼き鳥食べる人〜〜!」
「食べる、食べる5本盛り買っちゃおう」


居酒屋じゃなくて、公園で外飲みをする時のスーパーの買い出しがとっても好き。

「カニクリームコロッケあるじゃん、買っていい?」
「いいよ、飲み物は…ビールとスミノフあればいっか」

スーパーというお酒もお惣菜もおつまみも種類豊富でなんでもある最強の場所で、自分たちで吟味して好きな物を選んで最高の酒盛りを作り上げてる感覚がとっても好き。

好きなものを好きなだけ食べて、好きなだけ飲めるってなんて幸せなって思ってしまう。


そんな中で「最高の酒盛り、作っちゃったな〜」と思い出すは、今とは季節が真逆の春爛漫で桜が満開だったあの頃。大学生活最終日当日を迎えて明日から社会人となる実感を持てなくて憂鬱だった私は、ギリギリまで遊びたくて友達と出かけてた。

卒業式も追いコンも卒業旅行も終わって、アルバイトも卒業して新居にも引っ越した。あれだけ待ち望んでたビッグイベントは既に全部終えていて、でも最後の最後までなんもないのは寂しいから遊ぼう!と話をして、街へ繰り出したんだと思う。

事ある毎に「明日から社会人か〜」「今日で時止まんないかな〜」なんて言いながら、たまたまもぎ取れたコンサートにいって思いっきり楽しんで。外に出ればあっという間に夕暮れ色に染まる空が広がっていた。

学生生活最後の日なんて呆気ないな〜なんて思いながら駅まで戻る道のりは何だか寂しくて、まだ帰りたくないな〜なんて思ってると

「ねえ、近くに公園あるらしいよ。もしかしたら桜いい感じに咲いてるんじゃない?」

なんて友達が言い出して、極めつけには

「桜の下で酒飲みたくない…???」

今思えばなんてストレートな誘いなんだと思う。駅まで戻る道のりはいつの間にか近くにあるだろう公園に行き先が変わっていて、公園に着いた途端にわっと広がる桜、サクラ、さくら。夕暮れ時でも人で賑わってる。

…と文字通りの花見をしたところで、周辺をキョロキョロしてスーパーを探し出した。それからの私たちの行動は早い。

たれの焼き鳥5本盛りセットに枝豆、カニクリームコロッケ、ポテトサラダ、デザートの焼きプリンをカゴに入れて、サッポロ黒ラベルとスミノフも忘れずに手に取った。

そろそろ外も暗くなる。
酒盛りに必要な準備は整った。一目散に一瞬花見をした公園に戻った。まばらにまだ人がいたけれど、たまたま空いていたベンチに座って、今回の酒盛りを彩る最高のメンバーたちを広げる。

「カンパーーーーーイ!!」

明日から初出社だか新入社員だかもう関係なくて、その時ベンチに座って迷うことなく黒ラベルを開けた私はまだ大学生。目の前に好きなおつまみとお酒があればもう楽しむほかはない!

一面の桜のようにわらわらと楽しげに過ごす人たちのなかで、負けじと美味しいものをつつく私たち。きっと周囲の人達は、私たちが明日から新社会人になろうとしてるなんて露も思ってないだろう。ぐびぐびビールののどごしを味わって、焼き鳥頬張って、好きなスミノフを飲み尽くす。

ちょっと冷えてきた外気は、アルコールで火照った頬にはちょうど良くて、時折桜を見上げながら極上の酒盛りを堪能した。

あっという間に手に持つスミノフは空瓶へと変わって、あれだけお惣菜が詰められていたプラスチックのパックの中身は空。段々と鮮やかな桜が夜に飲み込まれていく。

「明日から、頑張ろうな」
「そうだな」

好きなだけ飲んで食べて心もお腹も満たされた頃には、今日が学生生活最後なんだと受け入れて明日からの新生活を受け入れた。

あの時見上げた暗がりの桜も空のビール缶もスミノフ瓶も覚えてる。最後の日に最高の酒盛りをして全部やり尽くしたという思い出が今でも頑張る糧になっている。

きっとこれからも忘れないだろう。

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