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息をするように本を読む 2年目、3年目

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本を読むことは私には生活の一部です。 感想文も2年を過ぎ、3年目に入りました。 よかったら読んでみてください。
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記事一覧

息をするように本を読む54 〜坂木司「青空の卵」他2冊〜

 坂木司氏の作品は「和菓子のアン」シリーズのほうがより知られているかもしれない。  この…

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息をするように本を読む55 〜A.クビツェク「アドルフ・ヒトラー わが青春の友」〜

 小説以外の本をここで紹介するのは初めてかもしれない。  この本を手にしたのはどういう経…

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息をするように本を読む56 〜武者小路実篤「友情」〜

 これを読んでいただいている方の中で、短冊や色紙に野菜や果物の水彩絵と一緒に、いかにも味…

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息をするように本を読む57 〜井上靖「楼蘭」〜

 井上靖氏の西域小説については、以前「敦煌」の感想文を書いたことがある。  「敦煌」では…

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息をするように本を読む58 〜中山七里「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」他3作〜

 この本を紹介していいものかどうか、ずいぶん迷った。  ある経験をしたことがある人たち、…

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息をするように本を読む59 〜チェーホフ「悪戯(たわむれ)」〜

 この短編を知ったのは、あるラジオ番組がきっかけだった。  俳優の中嶋朋子さんが、毎回ゲ…

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息をするように本を読む60 〜高木徹「戦争広告代理店」〜

 「PR」という言葉がある。  public relationsの略だ。  よく耳にする言葉だが、日本にはぴったりはまる言葉がない。  一般に、行政機関では「広報」、民間では「PR」という言葉がそのまま使われている。    日本パブリックリレーションズ協会の定義では、 「組織とそれを取り巻く人間(個人、集団、組織)との望ましい関係を作り出すための考え方、及び行動のあり方」 とある。  組織とその周囲との『望ましい関係』とは何か。  その組織の正当性、つまり、他より優れている

息をするように本を読む61 〜ディーリア・オーウェンズ「ザリガニの鳴くところ」

 大学生のときからの友人がいる。  しばらく会っていないが、たまにLINEで近況報告を交換し…

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息をするように本を読む62 〜米澤穂信「さよなら妖精」〜

 かつてバルカン半島の北部にユーゴスラビアという国があった。  6つの共和国から成る連邦…

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息をするように本を読む63 〜和田竜「忍びの国」〜

   和田竜さんは、寡作の作家さんである。  作家歴は長いのだが、長編は4作しかない。  …

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息をするように本を読む64 〜山本周五郎「泥棒と若殿」〜

 私は落語が好きだ。  ただ、そんなにいろいろと詳しいわけではないので、ファン、というの…

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息をするように本を読む65 〜木内一裕「藁の盾」〜

 10億円。  あまりに金額が大き過ぎて、どれほどの価値があるものなのか、もはや私には図り…

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息をするように本を読む66 〜東野圭吾「天空の蜂」〜

 この小説は1995年に刊行され、1998年に文庫化された。  東野圭吾氏が着想から5年をかけて執…

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息をするように本を読む67 〜柳広司「ジョーカー・ゲーム」他3冊〜

 この物語は表記の「ジョーカー・ゲーム」を筆頭に4冊からなるシリーズ物で、スパイを題材にしたものだ。 「ジョーカー・ゲーム」 「ダブル・ジョーカー」 「パラダイス・ロスト」 「ラスト・ワルツ」  スパイが主人公の創作といえば、映画の007とか、ミッションインポッシブルとか、古いところではスパイ大作戦とか、がイメージされるだろうか。  共通していることは、海外、それも欧米の話であること。そして主人公のスパイは皆、イケメンで女にモテモテ。  金髪美女と洒落たバーでグラスを傾け