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問題は「実力」ではなく「自己肯定感の低さ」?

毎月開催している「樋口あかりの声優スタジオ収録レッスン」ですが、
実は「個別レッスン」も提供しています。
実技的なレクチャーだけでなく、メンタルのサポート&レーニング、そしてコンサルティング(戦略サポート)がミックスされた、完全マンツーマンサポートレッスンです。

これまで多くの受講者さんを見てきて感じたのは、皆さん自己肯定感がとても低く、そのせいで良いパフォーマンスを出すことができていない人がとても多いこと。

「自分なんてどうせ(否定される)…」
「いくら頑張ったって所詮はこの程度」
「苦手を克服しなきゃ!ダメな自分を変えなきゃ!」
「自分を改造して好かれなきゃ」
etc…

そんな風に考えている人、結構いるんじゃないでしょうか。
こんな問いかけをしれっと投げかけている私自身もそうでした。

お ま ゆ う で す よ ね  。

今日はそんなお仲間(←)の一人、個別レッスン受講者/A.Mさんからの声をご紹介します


◾️ 個別レッスン受講者/A.Mさんの場合

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「個性を自覚したい」
「上手になりたい」
という考えからお世話になった樋口さんのワークショップのアフター(お茶会)にて、「あなたの問題は実力ではなく自己肯定感の低さですよ」と言われたその日の衝撃が忘れられず、コーチングを受ける決意をしました。

私は「一回芝居をあきらめて出戻った」立場です。
あきらめた、という字面からお察しいただければと思うのですが、
そうなるまでの過程には、いわゆる「あるある」な挫折がいくつもありました。

「仕事をもらえない」という大前提はもちろん、色々な場で「否定された」「認められない」「好かれていない」と感じ、周りと比較して焦りと自己嫌悪だけをうじうじ育てていました。

いざコーチングを受けても、樋口さんにお話しすることの大半も、(樋口さんから指摘されるほどに)
「芝居をする上で自信をなくすきっかけになった出来事」ばかりで、
あまつさえ「せめて否定されないように、しっかりしなくては」といった
妙な緊張感さえありました。

そんな一回目のコーチングの際に、樋口さんに
「まず、人の話を聞く時に眉間にしわを寄せるのをやめましょう」
とアドバイスされたことが、二つ目の衝撃です。笑

眉間のしわで却って人に誤った印象を与えてしまうよ、という、よく考えればその通りな理由でした。
えっ、そこまで難しい顔してたの!?というびっくり半分でしたが、誰かの話を聞くとき(ディレクション時など)に、

「お話をしてくださってるのだから、へらへらしているなんてけしからん!」
「真面目にやってると『思ってもらわなきゃ』」

という頑固な思考により顔がこわばる癖は自覚していたので、
そこでハッとなったことをおぼえています。

そういえば、過去に私が見た「仕事をもらっている人」は、
普段どんな態度で音響監督などに接していたでしょうか?????

「個性」や「上手い、下手」という範疇ではなく、
「お芝居をする人間としてどう生きていくか、どう在りたいか」という部分に初めてフォーカスできた瞬間でした。

そんな感じで、私がコーチングで複数回にわたって教えていただいているのは、正真正銘「思考」の矯正です。
お恥ずかしい話ですが、そこそこ長くお芝居をしていた時間で私が培ったのは、自信ではなく「自分に対するネガティブな意識」です。

「ここを直さないとダメだ」
「もっとうまくならないとダメだ」
「私には〇〇はできない」
「私には〇〇しかない」

といったことばかり考えて、自家中毒になって芝居を辞めていたわけですが、辞めたところでそういった思考パターンは消えるわけではありません。

樋口さんは、そんなどうしようもない話にしっかり耳を傾けてくださり、
それらとの付き合い方を教えてくれます。
「なぜそう思ったのか」
という部分を掘り返すことで、それが切り捨ててよいものなのか。
それとも認知の歪みから、「間違った受け止め方」をしているのか。
そういったところを紐解くヒントをくれます。
ここはかなり論理的です。
とてもわかりやすいです。
劇的に変化する!といったような魔法のようなことは起きませんが(なぜならそこは自分次第なので)、少なくともメンタルの基礎の部分が変わると、自分の「思考の癖」が出てきても、対処の方法が見えてきます。

さらに、取捨選択の最終的な選択は委ねてくださるので、
私個人としてはとても「息のしやすい」空間です。
(選択肢によって突然機嫌を損なわれて、「その考えは違う」などといった頭ごなしな否定をするようなことはないので、過去にいつも誰かの地雷を踏むことを恐れてびくびくしてた私は、本当に安心しました)

考え方が変わることで、見えない敵を自分で勝手につくることは少なくなりました。
特に表現をすることへの身構えがなくなったことがとても嬉しいです。

現在はレッスンを加えた内容での受講ですが、
「それ(現場で)使えるの?」
と思ってた要素に目をつけてくださったり
「使えますよ(きっぱり)」
と太鼓判を押してもらった上で、ひとつのカードにまで昇華させていく、
という作業がとても楽しくありがたく…!
幾多の現場を経た方のセンスをお借りして、自分に注力できる機会は非常に貴重だと思います。

セリフを読むこと、芝居をすることも、「こうしてみてはどうか」とフィードバックをもらってやってみることも、そしてそれがうまくできてもイマイチでも、最後は「楽しかった!」という気持ちで終わらせることができます。
ある意味、根幹に立ち返ったような気持ちです。


なぜ、私は一度こてんぱんに絶望した芝居を「またしたくなってしまったのか」。
言葉にするのはまだ、かなり、難しいですが、
私なりの思い描く「役者」になり、私が納得する人生を歩みたいです。
そういうことをにこにこした顔で考えていてもいいんだ!と思わせてくれて、そしてあらゆる角度で励まして、手を差し伸べてくれる。
そんな樋口さんのワークショップです。

私のように思考に雁字搦めになりがちで理屈っぽくてそんな自分に疲れてる方(笑)本当に本当におすすめです。

読んでくださってありがとうございました!

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とっても丁寧なご感想、ありがとうございました!
このA.Mさんは、かつて現場でお仕事をしていた方です。
業界のこともある程度ちゃんと知っていますし、良いことも悪いことも、色々とたくさん経験されてきました。
(現在はフリーとして、主に企業案件などのお仕事をされています)

芸能の世界って、常に他人と比較されますよね。
上下関係が厳しい体育会系の世界でもあるので、売れないうちはまともに接してもらえなかったり、周囲から心無い言葉をうっかりかけられてしまうこともあったります。
それが、自分が所属する事務所のマネージャーからだったりすると本当に凹みますよね。
そんな中にいたら、人間誰だって自己肯定感は下がっていきます。

そんな厳しい世界だからこそ、自己理解を深めて、自分で自分を支えることができるメンタルを手に入れていきたいですよね。自分のことがよく分かれば、メンタルの扱い方は必ず見えてきます。
自分で自分を操縦する感覚ですね(笑)

こんな偉そうなことを発信している私も、メンタルコントロールが完璧かと言われればそんなことはありません。
常にトレーニングを続けています。

演じる仕事って、人間が持っている脳・心・五感を全て使うもので、
その柱となっているのが「心」です。
この柱がボロボロになっていると、他をどれだけ強化してもなかなか上手くいきません。

メンタルサポートって、意外とバカにできないんですよね。

終わり


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