理系大学生の志望企業、ほとんどが文系就職という現実

数学者の芳沢光雄氏が「数学のできない私立文系ガー!」「3科目ガー!」と、まるで学歴・偏差値ヲタのWakatteTV高田くんみたいなことを言っていることを書いた。

芳沢氏には、さらに残酷な事実を突きつけてあげよう。理系学部で、数学や物理をしっかりと身につけた学生は、いったいどこの企業を志望しているのか?

理系男子(2023年)
1位 伊藤忠商事
2位 森ビル
3位 三井物産
4位 三菱商事
5位 三井不動産

理系女子(2023年)
1位 森ビル
2位 NTT都市開発
3位 伊藤忠商事
4位 三井不動産
5位 日本航空(JAL)

・・・高度な数学を使う企業ではないように思える。ほとんどが文系就職ではないか?もちろん、企業名だけで職種はわからないので、ひょっとしたらデータサイエンティストとしてジョブ型での採用かもしれない。だが、そんなのは少数だろう。

そもそも、これは「就職の実数」によるランキングではない。単純に「入社したい」企業の人気ランキングだ。わざわざ、データサイエンティストとしてこれらの企業に入社したいと考えるだろうか?もしそうだとすると、データサイエンスの企業を知らなさすぎる。
※AIやデータサイエンス系の企業であれば、プリファードネットワークスや、ABEJAなどのほうが確実だろう。IBMやSASなどの外資系企業も良いだろう。JTCだと高度なデータサイエンティストとして入社しても年収はほかの総合職とたいして変わらない。

いずれにしても、芳沢氏がいくら「数学ガー!」と叫んだところで、世の中の大学生は数学が特に必要のない仕事をしたいと考えていることになる。

ただ、芳沢氏の肩を持つと、非常にゆゆしき事態と考えることもできる。高度な理系スキルのある学生が、文系就職してしまうのだ。いったい、何のために理系学部に入ったのかわからない。日本の科学技術は終わりかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?