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【前半】公募川柳と落選~落選したときすること~

『公募川柳』で受賞するのは嬉しい。ホームページに自分のペンネームと共に受賞句が載っている。受賞理由や評が書いてある公募だと喜びはまたひとしおだ。「そんな風に感じてくれたんだ!」「そう、それが伝えたいことだったの!!」等、句を通して、選んでくれた人と心を通わせられたような、そんな気持ちにもなる。そして、賞金や賞品を頂くのも、もちろん嬉しい。(特に私は家電が嬉しい。ほぼ毎日使うし、使うたびに、その公募川柳を思い出したりもできるからだ。)

でも、「受賞する時がある」ということは、「落選することもある」(こっちの方が多い)ということだ。今日は「落選」をテーマに公募川柳について語っていきたい。

そもそも落選は

そもそも落選は、どのくらいの確率で起こることだろうか。

最新の2023年大会のデータを見ていく。
『セリアde川柳』なら、応募作40,036句に対して受賞はノミネートを入れて35句。倍率0.08%。
『オリックスパパママ川柳』なら、応募作62,662句に対して受賞は優秀賞までで20句。倍率0.03%。

数字として見れば歴然だが、規模4万句を超える公募川柳で、受賞できることはごくまれなことで、受賞できないこと(=落選すること)がダメ、なわけじゃない。普通なのである。

全く詳しくないことで語るな!と叱られるかもしれないが、野球は3割以上打てれば優秀と聞いた時、え、意外と少ないなと(3割のすごさも知らないで)驚いたものである。公募川柳も10公募出して、3公募くらい賞を取れたらいい感じなのかな、とその時以来思うこととしている。

落選でへこむかどうか、私の場合

「じゃあ、全くへこまないんですか。落選はダメじゃないんですよね?」と聞かれて、「そうですね、私闇落ちしないので(突然のドクターX風)」と言えたらかっこいいかもしれないのだが、正直に言うと、それは私の場合、「その公募への思い入れによる」。

直近の例で言えば、『第三十五回伊藤園おーいお茶新俳句大賞』の二次審査のお知らせ(通称、みどりの封筒)が来なかったという事実には、めっちゃ打ちのめされた。

今回は、第三十三回大会で都道府県賞を頂いた時と同じくらいの質だと思われる作品を送ったつもりだった。回りくどい。要は正直自信があったのである。(ああ、なんて恥ずかしい!!!)今思えば、都道府県賞を頂いた際には「この作品は都道府県賞もらえる!」なんて意識で送ってないのであって、完全に置きにいったような投句姿勢が恥なのであるが、当時は全くもって気づかなかった。
「調子に乗るな」とお灸を据えられたと思って、初心を取り戻そうと思う。
緑の封筒が届いたフォロワーさんが少しでも上の賞を獲れるように願うばかりだ。

そんな私が落選した時にしていることを挙げる。

落選したときにしていること

①受賞作の鑑賞

私自身が、落選した時にしていることは、受賞作の鑑賞だ。単純に他の人の作品を見るのが好きなのもあるが、年に一度など定期的に開催する公募であれば、「こういう作品傾向だったのかな」等受賞作品を見て感じたこと・思ったことは来年以降のためにメモをしている。(ただし、翌年度全く審査基準が変わり、参考にならないケースもある)そして自分の提出句と比べると何が違うか、等も自分なりに考える。「正直めんどいし、来年度また募集した時に「例年の受賞作品」チェックするでもいいかー」と自分でも思うのだが、1年後には1年前に自分が出した時の感覚をすっかり忘れているので、熱いうちに打つ感覚で感想を書いている。

公募川柳七不思議の一つだが、『自信のある川柳ほど通過せず、あ、これ??っていうものが通過する』場合もある。投句の時は、自分の思い入れが強すぎて客観視できていないケースも多い。「今見るとこれ〇〇だな」とサラっと振り返りするのも、次の別の大会で冷静に自分の句を見るヒントになると思っている。

ただ、公募川柳の選者は、所謂名の知れた川柳の先生から、その公募主催の方、等と本当に様々だ。正直ずらりと並ぶ受賞句を見て、「うん!」(お察しください)と思う時もあるので、そういう時は鑑賞や感想を書いたりすることもしていない。あくまで自分の思い入れある川柳大会だけ鑑賞を行っている。

②(へこむ時は)何にへこんでいるのかを分解する

 
落選にショックを受けている時は、「何が一番ショックなのか」を分解するようにしている。前述したおーいお茶であれば、「正直いけると思っていたのにいけなかったこと」(文字にすると本当にひどい傲慢!)にショックを受けていた。ので、「なんで正直いけると思っていたのか」「切実な言葉選びだっただろうか」等、自分で自分を解体していき、今後の対策を自分の中で決めた。

ただ漠然とショック!という状態でも、

・単純にその賞品が欲しかった
 ⇒似た賞品を出す公募を探す、あるいは賞金額の大きい公募で受賞を目指し、その賞金で購入する

・この句は通るはず!という自信があった
 ⇒その句は募集要項にマッチしていたか?レベルは本当に充分だったか?近年の他の作品は?実力を磨く

という風に、ショックを受けた内容をまずは冷静に分析することで、努力すべき方向性を考え、対策を考えだすことができると思う。

公募川柳は本当に様々な大会が企業や自治体などで行われているので、「このコンテストで優勝したい!」であれば過去大会の傾向を踏まえ、対策をたてるべきだろうし、逆に「私の作風にあった川柳でとにかくよい結果がほしい」であれば、作風に合ったコンテストはどこかを調べ、そこに狙いを定めるのが効率的だと感じる。

落選はエネルギー

いずれにしても、ショックを受けたり、悔しい!とへこんだりすることは全然悪いことじゃない。むしろ、そのくらい本気だった自分、を褒めてあげなくては、と思っている。負の感情は、自分を動かすエネルギーにもなるのだから、悪いことばかりじゃない。と言い聞かせて、今日の落選を、明日の受賞に繋げられたらな、と思っている。

落選について思うことは他にも色々あったので、今回は【前半】として「落選したときにしたいこと」を書いてみた。次回は、逆に、「落選した時にしないこと」を考えてみたい。

公募川柳のために使います。