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バイキンマン

 原稿書きも終盤附近に迫ると、ファミレスに籠もってひたすらに自分の文章を読んでは、朱筆を入れて、(そいつをワープロに反映してはプリントアウトして朱筆の入っていない新しい原稿を持ってきて、)ひたすらに読んで、朱筆をして……をくりかえしている私がそこに、いる。家のなかではモチベーションを保てないというのと、時間的に窮迫しているからそうしているというのと、いろいろな情況があいまって悲壮感ただよう状態の私であって、ドリバから出るジュースも若干、勢いがなくなるほどである。時として、深夜から朝がたにかけてそいつをして、朝になるとスーパー銭湯的なところに行って風呂に入り睡眠をとって、起きたら原稿を読んで風呂につかり、ファミレスに帰る、というファミレス難民かなにかのような動物へと、私はなりおおせてしまう。コロナで若干こわかろうが、なんだろうが、こればっかりは致し方もなく、今回もそいつを一回せざるをえず、おっなんか今日銭湯でガチャやってんじゃん、えっ俺もまわせるの、よーしクーポン当ててやろうっと、と引いたガチャはクーポンよりも上の「B賞」なるもので、それというのはなぜかアンパンマンの歴代出演陣のぬいぐるみである。ドキンちゃん、バイキンマン、あとなんかパンナコッタだかメロンパンをモチーフにしたくせ者で、アンパンマンはすでに不在にしている。コロナの今、旬であるしといって、バイキンマンを頂戴して帰る。要らないなコレ、と思いながらもらって帰り(ファミレスに)、ファミレスのなかで鞄から資料をとりだそうとしながらいやぁ、要らない、とバイキンマンと目を合わせて舌打ちをし、家に帰って適当なところに置いてからのちも、バイキンマンは、要らないままだ。

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静かに本を読みたいとおもっており、家にネット環境はありません。が、このnoteについては今後も更新していく予定です。どうぞ宜しくお願いいたします。