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日記0437あるいはキービョ

「病院へ行こうね」

熱っぽい身体、手を引かれる。たぶん、親だろうと思う。いや、でも親は手を引いてくれていなかったのだっけ?

「病院……、行かなくていいかな」
「……どうして? つらいでしょ?」

僕は少し考える。

「病院へ行くと、自分が病人だって思い知らされるから……」
「病人だもん、仕方ないって」

病人、そうか。病か。

治さないといけないのはわかっている。
脳を巣食っている何かを取り除かないといけないことも。

でも、その一部も僕だと思ってほしかった。自分の全部が気持ち悪い、声も、見た目も、血液も。


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