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日記0449あるいは爺嫌悪

「謹賀」
祖父は私宛に、未だ年賀状を送り続けている。老人ホームから手紙を出すことができるのだな、と不思議に思う。
達筆な字は逆に老いを感じさせる。部屋を片して見つけた何十枚という年賀状、私は一回しか送っていない。
ひどい孫だと思うし、公平でない。この執念深い年賀状はある種、私への恨みなのだろうか。それとも、ただの習慣なのか。
「明けましておめでとうございます」
こんな時期に何年分も年賀状を出したら、祖父はどう思うだろう。
「おめでとうございます」
「おめでとうございます」
「おめでとうございます」

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